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テーブルや机の塗装はDIYでできる?
まず結論から言えば、テーブルや机の塗装はDIYでも十分に可能です。近年ではDIYブームの影響もあり、ホームセンターやネット通販で扱いやすい塗料や道具が手に入りやすくなっています。とはいえ、DIYが向いているケースと、専門業者に任せた方が良いケースがあることを理解しておくことが重要です。
DIYで塗装できるテーブル・机の特徴とは?
DIYでの塗装が比較的スムーズに行えるのは、以下のような特徴を持つテーブルや机です。
木材がむき出しであること(無垢材・集成材など)
表面にウレタン塗装やラミネート加工がされているものは、塗料がうまく乗らないことがあるため、研磨や剥離作業が必要になります。無垢材であればそのまま塗料を吸い込んでくれるため、初心者でも扱いやすい素材といえるでしょう。
表面に大きなキズや反り、割れがないもの
木の反りや割れ、欠けがある場合は、事前にパテや補修材での整形が必要です。補修が難しい場合は、塗装してもかえって見栄えが悪くなることもあるため、初心者には向きません。
サイズが小さく、持ち運びが容易なもの
ダイニングテーブルなどの大型家具は、作業場所や養生範囲が広くなるため、塗料の飛散や乾燥工程にも気を配る必要があります。まずはサイドテーブルや学習机など、コンパクトな家具から挑戦するのがベターです。
既存塗膜が劣化しており、剥離しやすい状態であること
表面の塗膜がボロボロとはがれていたり、指でなぞると粉が付くような状態なら、再塗装に適しています。逆に、ツヤツヤの厚いウレタンコートがあると、そのまま塗っても塗料が弾かれてしまいます。サンディングなどの下処理が欠かせません。
DIY塗装のメリット
DIY塗装の最大のメリットは、「自分の手で家具をよみがえらせる体験ができること」です。具体的には以下のような利点が挙げられます。
費用が安く済む
塗装業者に頼むと最低でも1〜3万円以上はかかることが多いですが、DIYであれば数千円〜1万円以内で収まるケースもあります。塗料・刷毛・サンドペーパーなどの基本道具さえ揃っていれば、コストを抑えて塗り替えが可能です。
好きな色や塗料を自由に選べる
ナチュラルカラーからビビッドなアクセントカラーまで、選択肢は無限大。最近では「ミルクペイント」や「チョークペイント」など、初心者でも扱いやすく安全性も高い塗料が多く出回っています。
作業そのものを楽しめる
手を動かす作業が好きな方にとっては、塗装の工程そのものが癒しやリフレッシュの時間になります。家族や子どもと一緒に作業することで、思い出づくりにもなります。
完成後の達成感が大きい
自分で塗り直した家具を部屋に置いたときの喜びは、何ものにも代えがたいものです。「使い捨てではなく、手をかけて長く使う」という発想にもつながり、サステナブルな生活にも一役買うでしょう。
DIY塗装のデメリット
一方で、DIY塗装には注意すべき点やリスクもあります。とくに初めて挑戦する方は、以下のようなデメリットを認識しておくことが重要です。
下地処理に手間と時間がかかる
塗装前のサンディング(研磨)や洗浄、ホコリ取りは塗装の仕上がりを大きく左右します。丁寧にやらなければ塗料がうまく乗らず、仕上がりがムラになったり、はがれやすくなることも。塗装よりも下準備に時間をかける覚悟が必要です。
ムラ・塗り残しが目立ちやすい
素人が均一に塗るのは意外と難しいものです。刷毛ムラが出たり、二度塗りの際に色がまだらになったりすることもあります。特に光の当たり方によってムラが浮き彫りになると、DIY感が強く出てしまう可能性があります。
道具や材料を一から揃える必要がある
刷毛・ローラー・マスキングテープ・新聞紙・養生シート・塗料・希釈液・手袋・マスクなど、必要なものは意外と多くあります。買い揃える手間とコストをどう捉えるかがポイントです。
耐久性に不安が残る
塗料の選び方や塗り方によっては、半年~1年程度で塗膜がはがれてしまうこともあります。頻繁に物を置くテーブルの天板などは、特に摩耗が激しくなるため、ウレタン系のトップコートを重ね塗りするなどの工夫が求められます。
テーブル・机をDIYで塗装する手順と必要な道具
テーブルや机の塗装をDIYで行う場合、しっかりとした手順と準備が成功のカギを握ります。木材の質感や温もりを活かした仕上がりにするには、下地処理の丁寧さと塗料の選び方が非常に重要です。ここでは、初心者でも取り組みやすい木製テーブルのDIY塗装の手順を、必要な道具やコツとともに詳しく解説します。
ステップ1:準備するもの
DIY塗装に必要な道具は以下の通りです。すでに揃えてあるものも多いかもしれませんが、きれいな仕上がりを目指すなら、専用の道具を用意することをおすすめします。
用途 | 必要な道具 | 解説 |
---|---|---|
研磨 | サンドペーパー(#100〜#400) | 古い塗膜や汚れを落とし、塗料の密着を良くするために使用します。目の粗さを段階的に変えるとより滑らかになります。 |
養生 | マスキングテープ、ビニールシート、新聞紙 | 塗りたくない部分や床・壁を保護します。 |
塗装 | 刷毛、ウエス(布) | 刷毛は細かい部分に、ウエスは広い面やオイル塗装に使います。用途に応じて使い分けるのがコツ。 |
塗料 | 水性塗料、自然塗料、オイルステインなど | 仕上がりの雰囲気や用途に合わせて選びましょう。木目を活かすならオイル系が人気です。 |
保護 | ウレタンニス(必要に応じて) | 強度を高め、傷や水分から守るためのトップコート用。 |
安全対策 | ゴム手袋、マスク | 塗料の臭いや皮膚への刺激を避けるために着用しましょう。 |
ポイント
特にサンドペーパーは粗さの異なるものを複数用意しておくと、最初の荒削りから仕上げの微調整まで幅広く対応できます。刷毛やウエスも複数用意しておくと塗料ごとに使い分けができて便利です。
ステップ2:下地処理(研磨)
塗装の仕上がりを左右する最も重要な工程が下地処理=研磨作業です。ここを手抜きすると、どんな高級塗料を使ってもムラが出たり、すぐに剥がれたりする原因になります。
【研磨の手順】
- 粗めのサンドペーパー(#100〜#150)で、表面の古い塗膜や汚れをしっかり削り落とします。
- 塗装面がある程度整ったら、中目(#240〜#320)に変えて全体を均一に磨きます。
- 最後に細かいサンドペーパー(#400前後)で全体を仕上げ、手触りを滑らかにします。
【研磨の注意点】
- 研磨方向は木目に沿って行うとキズが目立ちません。
- 脚や角などの細かい部分も丁寧に。
- サンドペーパーだけでなく、電動サンダーを使うと作業効率がアップします(広い面を持つテーブルにおすすめ)。
ポイント
研磨後は、必ず乾いた布や掃除機で削りカスをしっかり取り除くこと。これを怠ると塗料の乗りが悪くなります。
ステップ3:塗装
下地処理が終わったら、いよいよ塗装に入ります。塗料の種類によって作業方法が多少異なりますが、ここでは代表的なオイルステイン塗装と水性塗料塗装の手順を紹介します。
【オイルステイン塗装の場合】
木目を活かしたナチュラルな仕上がりにしたい人におすすめ。
- ウエスにオイルステインを染み込ませ、木目に沿って擦り込むように塗ります。
- 一度塗りで薄い場合は、軽く乾かしたあとに再度塗布。
- 全体が均一な色になるよう調整します。
- 完全に乾燥するまで数時間〜1日待ちます。
【水性塗料を使う場合】
カラーをしっかり出したい人におすすめ。刷毛で丁寧に塗るのが基本です。
- 塗料を刷毛に適量とり、薄く伸ばすように塗ります。
- 一度に厚塗りせず、2〜3回重ね塗りをするのが基本。
- 塗り終えたら数時間〜1日乾燥させる。
- 二度塗りの前に軽く#400程度で表面を整えると美しい仕上がりに。
ステップ4:仕上げ(必要に応じて)
テーブルや机は日常的に使う家具のため、塗装の上に耐久性を高める仕上げ処理を行うとより長持ちします。
【ウレタンニスによるトップコート】
水や汚れ、摩耗から塗装面を守るためにはウレタンニス仕上げが効果的です。
- オイル系塗装の上からも使用可能(ただし、塗料との相性を確認)
- 水性ウレタンニスならニオイも少なく、室内作業にも向いています
- 刷毛で薄く伸ばすように2~3回重ね塗りするのがコツ
【完全乾燥までの注意点】
塗装後の乾燥時間は製品ごとに異なりますが、最低でも24時間、可能なら48〜72時間は触らずに置いておきましょう。完全に乾かないうちに使用すると、表面がベタついたり、塗装が傷つく原因になります。
塗装が向いているテーブル・机とは?
DIY塗装は万能ではありません。以下のようなテーブル・机は比較的DIYに適しています。
向いている | 向いていない |
---|---|
無垢材・集成材など木肌が出ているもの | ラッカー塗装などでコーティングが厚いもの |
小型で軽量なもの | 大型で移動が難しいもの |
表面が滑らかで平らなもの | キズや凹みが多く補修が必要なもの |
DIYでよくある失敗とその対策
DIY塗装では、次のような失敗がよくあります。
失敗例と対策
失敗例 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
ムラになる | 塗料の量が不均一、刷毛ムラ | 少量ずつ塗布して伸ばす/ウエスを活用 |
塗料が剥がれる | 下地処理不足/乾燥不足 | しっかり研磨/十分に乾燥させる |
思った色にならない | 木の色や塗料の特性に影響 | 事前に目立たない部分でテスト塗装 |
DIYは気軽に始められますが、仕上がりや耐久性を重視するなら、業者に依頼した方が確実です。
塗装を業者に依頼する場合のメリット
テーブルや机の塗装はDIYでも可能ですが、「美しい仕上がり」「長持ちする耐久性」「木材への的確な処置」を求めるのであれば、塗装の専門業者に依頼することをおすすめします。プロの知識と技術を活かすことで、家具本来の魅力を引き出し、再生・保護という意味でも高い効果が期待できます。
1.塗りムラのない美しい仕上がり
刷毛跡や濃淡が出やすいDIYとは異なり、プロは均一で滑らかな塗装を施してくれます。特に広い天板や曲線のあるデザインでは、機械や専用技法を駆使した業者の技が際立ちます。
2.木材や塗料の選定に間違いがない
木の種類や使用環境に応じて、適切な塗料・仕上げ方法を選択してくれるのはプロならではの安心感。たとえば、「飲み物をこぼしてもシミにならないコーティング」や「日光に強いUVカット塗装」など、使用シーンに応じた提案が可能です。
3.劣化・損傷への対応が可能
表面塗装だけでなく、「キズの補修」「反りや割れの修正」「脚のぐらつきの補強」など、下地に関するメンテナンスまで対応してもらえるケースが多くあります。見た目だけでなく、構造的な補強までトータルで任せられるのは大きな利点です。
4.耐久性・耐水性が高まる
プロが使用する塗料やニスは、ホームセンターで購入できる製品よりも性能が高い業務用製品であることが多く、水や熱・紫外線に強く、長く美しさを保てるのが特徴です。飲食店のテーブルなど、ハードな使用環境にも耐える仕様にできます。
5.再塗装や修理も柔軟に対応
「前に別の塗装をしてしまっている」「塗料が残ってベタベタしている」といったDIYの失敗跡の修正にも対応可能です。また、「今の色を残したまま保護塗装だけしたい」「風合いを変えずに汚れにくくしたい」といった繊細な要望にも応えてくれるのが業者の強みです。
業者依頼に向いているケースとは?
以下のような場合は、DIYよりも専門業者への依頼が適しています。
- 高価な家具や思い出の詰まった家具を塗り直したい
- アンティーク家具や無垢材など、素材を活かしたい
- DIYで以前失敗した経験がある
- 汚れ・水に強いコーティングを施したい
- 手間や時間をかけずに、プロ品質で仕上げたい
特に、大切にしている家具・一枚板・古家具(ヴィンテージ)などは、プロに任せたほうが後悔しません。施工の質と安心を買う意味でも、費用対効果の高い選択肢といえるでしょう。
【ペイントGO】登録業者がおこなったテーブル・机塗装
▷姫路市にて家具塗装〈木製家具テーブルの塗装〉
▷静岡県富士市にて家具塗装工事〈木製テーブルの塗装〉
業者依頼の費用相場と内訳
一般的な費用相場(1点あたり)
内容 | 価格の目安(税込) |
---|---|
小型の机・サイドテーブル | 15,000〜30,000円 |
一般的なダイニングテーブル | 30,000〜60,000円 |
アンティーク・高級材の再塗装 | 50,000円〜100,000円以上 |
※塗装方法・素材・劣化状況によって変動します
費用に含まれるもの
- 下地処理(研磨・洗浄)
- 必要に応じた補修(割れ・反りなど)
- 塗料代
- 塗装・仕上げ作業費
- 持ち込み/引き取り費(別途の場合も)
テーブル塗装を依頼する業者の選び方
DIYでは難しい仕上がりや、耐久性を求める場合には、プロの塗装業者に依頼するのが最も確実です。しかし「どの業者を選べばよいのか分からない」という方も多いはず。業者選びで失敗しないためには、以下のポイントをしっかり確認しましょう。
チェックポイント
木製家具の塗装実績が豊富か?
テーブル塗装は床や外壁と異なり、「木材の質感を活かす繊細な技術」が求められます。過去の施工事例や写真を提示してくれる業者は、技術に自信がある証拠です。特にダイニングテーブルやカフェテーブルの塗装実績があるかは要確認です。
使用する塗料の種類と安全性について説明があるか?
食品や肌が触れる場所に使用するテーブルには、安全性の高い塗料(F☆☆☆☆基準や天然由来塗料など)の使用が望まれます。これらについて丁寧に説明し、選択肢を提示してくれる業者は信頼できます。
見積もりに内訳が明記されているか?
単に「テーブル塗装一式○円」といった曖昧な見積もりではなく、塗料代、作業費、下地処理費、搬送費などが細かく記載されているかを確認しましょう。不明瞭な見積もりは、後々の追加請求トラブルのもとになりやすいです。
下地補修や再塗装の経験があるか?
古いテーブルでは、表面の塗膜が剥がれていたり、細かな傷や欠けがあるケースも。こうした場合は、塗装前に下地をきちんと補修する技術が必要です。木部補修や再塗装の経験がある業者かどうかも見極めましょう。
持ち込み/配送の対応可否
テーブルのサイズによっては、業者の工房に持ち込むか、引き取り・納品をお願いする必要があります。自宅での塗装が難しい場合、こうした輸送対応が可能かどうかは非常に重要です。遠方の業者の場合は、対応地域や送料も事前確認を。
アフターケアや保証制度の有無
再塗装から間もなく剥がれたり、ムラが目立つような仕上がりになってしまった場合に備え、保証期間の有無や、無償補修の範囲についても確認しておくと安心です。「3ヶ月保証」や「半年間の無料補修サービス」などを掲げている業者もあります。
「家具塗装専門」「木工塗装の職人が在籍」「天然木対応可」「食品対応塗料使用」などのキーワードがホームページや見積書に記載されていれば、一定の信頼性がある業者と言えるでしょう。まずは見積もりを複数社から取り、比較検討することをおすすめします。
こんなときは業者に依頼した方が安心
テーブル塗装はDIYでも可能ではありますが、以下のようなケースでは専門の塗装業者に任せるのが賢明です。失敗すれば、取り返しがつかないだけでなく、素材そのものを傷めてしまうこともあります。
業者依頼が安心なケース
高価な無垢材・天然木を使用している
チークやウォールナットなどの無垢材は、木目や風合いを活かす塗装技術が求められます。間違った塗料や手順で作業すると、取り返しがつかなくなってしまうため、専門知識のある業者に任せるのが安心です。
テーブルが大きくて持ち運びできない
サイズの大きなダイニングテーブルやカウンターテーブルなどは、自宅内で安全に塗装するのが難しい場合も。業者であれば、引き取りから塗装・配送まで一貫して対応してくれることが多く、負担を軽減できます。
表面にヒビや割れがある
木材の経年劣化によるヒビや小さな割れは、単なる塗装では補えません。パテ埋めや下地処理などの補修工程が必要となるため、DIYでは難易度が高くなります。
既存の塗膜が強く、剥がれにくい
ウレタンやラッカーなど、耐久性の高い塗膜が施されている場合、サンドペーパーだけでの除去は困難です。無理に削ると木地を傷める可能性もあり、剥離剤や専用機器を使用できる業者での施工が推奨されます。
耐水性・耐久性の高い仕上げを求める
水拭きが多いテーブルや、屋外で使う木製テーブルの場合、単なる塗装ではすぐに剥げてしまいます。撥水性やUVカット機能のある業務用塗料を使用できるかどうかが、仕上がりの品質に直結します。
まとめ
テーブル・机の塗装は、DIYでも挑戦できるものですが、きれいな仕上がりや長く使える耐久性を求めるなら専門業者への依頼がおすすめです。
DIYに挑戦される場合は、塗装の手順をよく理解して、下地処理からしっかりと丁寧に行うことが成功への近道となります。初めての方でも基本を押さえれば、満足のいく仕上がりを目指せますよ。
一方で、業者に依頼すれば、見た目の美しさ、長持ちする耐久性、そして使用時の安全性がすべて揃った仕上がりが期待できます。大切な家具を長く愛用したいとお考えの方には、プロの技術を活用されることをお勧めします。
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