工事中に洗濯物を外に干せない理由とは？

塗料やホコリが洗濯物に付着する可能性がある

外壁塗装では、建物の表面を高圧洗浄で洗い、下塗り・中塗り・上塗りと、何度も塗料を重ねる工程があります。

使用される塗料は揮発性を含むため、風に乗って飛散することがあるのです。洗濯物を外に干していた場合、塗料の粒子が衣類に付着し、嫌なにおいやシミの原因になることも。

また、足場の設置・解体や高圧洗浄の際には、ホコリや泥水が飛ぶこともあるため、思いがけず汚れが付着してしまうリスクもあります。

養生シートで干し場所がふさがれてしまう

塗装中は、建物全体を足場で囲み、その上に「養生シート（メッシュシート）」を張ります。

このシートは、塗料の飛散や粉塵が周囲に広がるのを防ぐ大切な役割を果たしていますが、その分、ベランダやバルコニーがすべて覆われてしまうため、物理的に洗濯物を干すスペースがなくなってしまいます。

さらに、シートで日光や風通しが遮られるため、洗濯物が乾きにくくなるという点も考慮すべきでしょう。

プライバシーや安全面にも配慮が必要

足場が組まれた状態では、職人が2階のバルコニー付近まで立ち入ることもあります。

そのため、洗濯物が外から丸見えになってしまうこともありますし、下着などを干すのが心理的に抵抗があると感じる方も少なくありません。

また、職人が通る足場の近くに洗濯物を干してしまうと、接触による事故やトラブルの原因にもなりかねません。

工事期間中は「洗濯物は室内で干す」という前提で準備しておくのが無難なのです。

外干しできない期間はどれくらい続く？

一般的には「7〜10日程度」が目安

外壁塗装工事にかかる期間は、一般住宅で7日から10日程度が一般的です。

ただし、以下のような要因によって前後することがあります。

• 雨天や強風などの天候不良による工事の中断
• 外壁の劣化状況によって補修工程が増える
• 塗装範囲が屋根にも及ぶなど工事規模が大きい場合

このように、スケジュールは多少の余裕を見ておくのが安全です。特に梅雨や台風シーズンなどは、天気の影響を受けて長引く可能性があるため、洗濯の対応も長期戦を見越しておくと安心です。

工事開始直後と塗装工程中は特に注意が必要

外干しが特にNGなのは、

• 足場の設置〜養生期間（工事初日〜2日目）
• 高圧洗浄日
• 各塗装工程（下塗り・中塗り・上塗り）
• 足場解体日

このタイミングでは、塗料飛散や水しぶき、ホコリが舞いやすいため、外干しは厳禁です。

塗装作業が入らない日や、乾燥中の期間であっても、養生シートがかかっている限りは「外に干せる環境ではない」と考えておく方が良いでしょう。

工事中の洗濯はどうする？室内干し・コインランドリー活用術

室内干しは基本。乾きにくさ対策も必要

塗装工事中は、洗濯物は基本的に室内干しになります。

ただし、室内干しは「湿気がこもる」「生乾き臭が気になる」などの悩みもありますよね。

快適に乗り切るためには、以下の対策が有効です。

• 除湿機やサーキュレーターを併用する
• 部屋干し専用の洗剤を使う
• 扇風機で風を当てて空気を循環させる
• なるべく間隔を空けて干す

最近では、浴室乾燥機を活用する方も増えています。普段はあまり使わないというご家庭でも、塗装工事中はぜひ活用を検討してみてください。

コインランドリーの併用もおすすめ

どうしても部屋干しが難しい時期（梅雨や花粉シーズンなど）には、コインランドリーを活用するのも有効な選択肢です。

特に、

• 毛布やシーツなど大物洗い
• 部屋干しできない量が多い日
• すぐに乾かしたい場合

などには重宝されます。

最近のコインランドリーは清潔感があり、洗濯から乾燥まで一気に終えられる最新機器が揃っている店舗も多いです。

近所のコインランドリーの場所や営業時間、支払い方法などを事前にチェックしておくと、いざというときもスムーズに対応できます。

「工事のない日」は外干ししても大丈夫？

養生シートがある間は基本的にNG

「今日は工事が入っていないから外に干してもいいかな？」と思うこともあるでしょう。

しかし、養生シートが張られている限り、塗装作業がない日であっても外干しはおすすめできません。

理由は以下の通りです。

• シートによる日当たり・風通しの悪さで洗濯物が乾きにくい
• 風でシートがばたついて洗濯物に触れるリスク
• 塗料の臭いがシート内にこもり、衣類に移る可能性

また、職人が翌朝早く来て作業を再開することもあります。予期せぬタイミングで作業が始まる可能性があるため、気を抜かずに室内干しを基本としたほうが安心です。

洗濯物の扱いで業者に相談していいこと・ダメなこと

相談して良いこと：不安や希望は素直に伝えてOK

塗装工事中の洗濯物について不安なことがあれば、遠慮せず業者に相談して大丈夫です。

たとえば、こんな内容は事前に相談しておくと良いでしょう。

「○日だけは外干ししたい予定がある」
「洗濯物に塗料の臭いがつかないか心配」
「乾燥機がないので室内干しの工夫を教えてほしい」

職人さんに直接伝えづらい場合は、担当の営業や現場管理者に相談するのがスムーズです。

優良業者であれば、「この日は塗装がないので、朝のうちなら外干しOKですよ」など、柔軟に配慮してくれることも多いものです。

相談NG：無理な外干し希望や、養生の撤去依頼など

一方で、次のようなお願いは、工事の安全性や品質に関わるため、基本的には受け入れてもらえません。

「工事中も毎日外に洗濯物を干したい」
「養生シートを少しだけ開けてほしい」
「足場の隙間に洗濯物を通して干したい」

これらは、飛散防止や近隣への配慮、安全管理の観点から厳禁とされています。

また、「塗装前の高圧洗浄の日だけ外干しは避ける」などの自己判断も危険です。洗浄水には汚れた苔やカビが含まれ、衣類に付着する可能性があります。

どうしても洗濯環境について相談したいときは、「〇日だけでも外干しできる時間帯はありますか？」といった柔らかい聞き方をすると、相手も対応しやすくなるでしょう。

どうしても外干ししたいときの裏技対処法

養生エリア外のスペースを活用する（要確認）

「子どもが多くて部屋干しが追いつかない…」「シーツだけでも外に干したい…」そんな方のために、あくまで条件付きの“裏技”をご紹介します。

それは、足場や養生シートが張られていない場所に一時的に干す方法です。

たとえば、

• 南面の工事が終了し、シートが取り外されたベランダ
• 建物裏手など、職人の動線や作業場から離れているエリア
• 日当たりの良い庭の一角

このような場所であれば、外干しができる可能性があります。

ただし、これは必ず業者の許可を得てからにしましょう。

勝手に洗濯物を出してしまうと、

• 作業中に汚れが飛ぶ
• 職人の動線を妨げてしまう
• 万が一の接触や事故につながる

といったリスクがあるため、必ず確認が必要です。

塗装の進行状況に応じて「一時外干し」の相談を

塗装工程の後半で、すでに上塗りが終わって乾燥期間に入った箇所であれば、「今日1日だけ干しても大丈夫ですか？」という相談もしやすくなります。

ただし、天候や作業内容の変更もあるため、「昨日OKでも今日も大丈夫とは限らない」点にはご注意ください。

無理をせず、可能な範囲で柔軟に対応するのが、ストレスをためない秘訣です。

工事期間中の家事ストレスを減らすコツ

「できることだけやる」と割り切るのが大事です

外壁塗装中は、生活がいつも通りにいかない場面が増えます。

洗濯だけでなく、

• ベランダや庭が使えない
• 窓を開けられない
• 外出時の出入り口が制限される

など、ちょっとしたことが積み重なってストレスになるものです。

そんな時は、「この時期は特別だから」「完璧を求めない」と意識をゆるめることが大切です。

完璧な家事を目指すのではなく、

• 洗濯は3日に1回、まとめて
• 食事は冷凍食品や宅配を活用
• 掃除は最小限にとどめる

など、省エネ家事で乗り切るのがおすすめです。

事前の準備でストレスを最小化

工事前の段階で、

• コインランドリーの場所を調べておく
• 洗濯乾燥機をレンタルする
• 室内干し用グッズをそろえておく

といった「備え」をしておくことで、精神的な余裕が生まれます。

特にお子さまのいるご家庭や共働き世帯では、「備えがある＝気持ちが軽くなる」と感じる方が多いようです。

「塗装の仕上がりも大切だけど、生活の快適さも大切」——このバランスを意識して、無理なく乗り越えていきましょう。

まとめ

外壁塗装中の洗濯物の取り扱いは、多くのご家庭にとって大きな悩みのひとつです。

しかし、事前に工事スケジュールを把握し、部屋干し対策を整えておくことで、ストレスを最小限に抑えることができます。

また、優良業者であれば洗濯に関する相談にも柔軟に対応してくれるため、不安なことは遠慮なく相談してみてください。

今回ご紹介した内容をまとめると、以下のようになります。

• 工事中は基本的に「外干しNG」と考えるのが無難
• 臭いや汚れ、塗料の飛散によるリスクを回避するために部屋干しを基本に
• 洗濯乾燥機やコインランドリー、室内干しグッズの活用がおすすめ
• 工程によっては「一時的な外干し」も業者の許可があれば可能な場合もある
• 家事を頑張りすぎない意識で、塗装期間中のストレスを減らそう

塗装工事は、今後10年以上快適に暮らすための大切なメンテナンスです。

一時的な不便はありますが、事前の備えと気持ちのゆとりで、乗り越えられるものです。

あなたのご家庭にとって、納得のいく塗装工事となるよう、今回の情報が少しでもお役に立てば幸いです。

Q&A

Q1. 塗装工事中、どうして外干しができないの？

A. 塗料の飛散や高圧洗浄の水しぶきが洗濯物に付着する可能性があるためです。ニオイがつくこともあり、特に周囲への配慮としても外干しは控えるべきです。

Q2. 足場や養生がない場所なら干しても大丈夫ですか？

A. 必ず業者に確認しましょう。たとえシートがない場所でも、作業の飛沫が届くことがあります。安全のためにも、自己判断は避けてください。

Q3. 工事中は毎日コインランドリーに通わないといけませんか？

A. 毎日通う必要はありません。部屋干しや洗濯乾燥機を活用しつつ、週に数回まとめて行く方が多いです。衣類のストックを増やしておくのも有効です。

Q4. 室内干しで洗濯物が臭くなってしまいます…

A. 窓を閉め切るため、湿気がこもりやすくなります。除湿機やサーキュレーターを併用したり、速乾性洗剤や抗菌効果のある柔軟剤を使うと臭いを軽減できます。

Q5. 洗濯のことまで相談していいのか不安です。

A. もちろん相談OKです。信頼できる業者ほど、生活上の不安にも丁寧に答えてくれます。「こんなこと聞いていいのかな？」と思わず、まずは一度尋ねてみましょう。