目次
ボンタイル塗装とは?
ボンタイル塗装とは、外壁塗装に用いる塗装方法の一つです。外壁に吹き付けて模様をつける方法で、凸凹した模様となり触ると表面がツルツルとした手触りになるのが特徴です。
上記の特徴から、ボンタイル塗装は「吹き付けタイル」と呼ばれることもあります。塗装職人が手作業で吹き付けていくため、職人によって模様が一つひとつ異なります。
そもそもボンタイルは、ドイツ(旧西ドイツ)のクノール社が商標登録している商品ブランド名になります。日本では1964年(昭和39年)頃から使われています。
ボンタイル塗装の種類
ボンタイル塗装には「硬質タイプ」と「弾性タイプ」の2つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
「硬質タイプ」はその名のとおり硬い仕上がりになります。費用面では安く上げられますが、ひび割れが起きやすいのがデメリットです。
一方「弾性タイプ」はゴムのような弾力性を持つ仕上がりになり、防水性や防汚性に優れています。デメリットは費用面で硬質タイプよりも高くなる点です。
一般的な外壁塗装との違い
一般的な外壁塗装と比べた場合、以下の点に違いがあります。
- 塗膜の厚さ
- 質感
- 耐用年数
- 価格面
一般的に外壁塗装で用いられるアクリルやシリコン系の塗膜は0.1〜0.2mmと薄いのに対し、ボンタイル塗装は0.5〜1.0mmと厚くなります。
質感も一般的な外壁塗装はフラットに対し、ボンタイル塗装は凹凸形状です。耐用年数は使用する塗料にもよりますが、一般的な外壁塗装は5〜10年程度と短く、ボンタイル塗装は10〜15年と長いのが特徴です。その分費用は高くなります。
ボンタイル塗装のメリット
ボンタイル塗装のメリットは以下のとおりです。
- 汚れが付着しにくい
- 防水性に優れている
- 個性が出せるデザインに仕上げられる
それぞれ解説します。
汚れが付着しにくい
ボンタイル塗装したあとは塗装表面がツルツルとした滑らかな状態に仕上がるため、汚れが落ちやすいうえに汚れが付着しにくいことがメリットです。
汚れが付着しても雨で落ちたり、水で簡単に落とすことも可能です。汚れがつきにくいことがメリットですが、放置してしまうと雨染みやホコリが付着してきますので、定期的な清掃が長持ちさせるコツになります。お手入れは怠らないようにしましょう。
防水性に優れている
ボンタイル塗装は防水性に優れている点もメリットの一つです。ボンタイル塗装はほかの塗装に比べて、吹き付ける工法により塗膜に厚みが出るため雨水が浸透しにくいです。
塗装の耐用年数も10〜15年程度とほかの外壁塗装と比べても長めです。一般的に使用されるウレタン塗装やアクリル塗装は5〜7年程度と比較しても長い間防水性を維持できます。
個性が出せるデザインに仕上げられる
ボンタイル塗装は、熟練の職人が手作業で吹き付け作業を行うため、同じデザインは二つとありません。凹凸感のある独特の模様は個性を出したい人におすすめできるデザインです。
ボンタイル塗装のデメリット
ボンタイル塗装のデメリットは以下のとおりです。
- 作業工程が多く、費用が割高
- 施工する職人によって仕上がりに差がでる
それぞれ解説します。
作業工程が多く、費用が割高
ウレタン塗装やアクリル塗装の作業工程は、洗浄・下地処理後は下塗り>中塗り>上塗りの3回塗りの工程になります。
一方、ボンタイル塗装は下塗りまでは変わりませんが、そのあとにボンタイルの柄のベースとなる吹き付け塗装が入ります。さらに、吹き付け後はローラーでならす作業が必要です。
その後、中塗り>上塗りという工程を踏みます。ほかの塗装に比べて手間や乾燥時間も増えるため、その分費用が高くなります。
施工する職人によって仕上がりに差がでる
ボンタイル塗装は技術を要するため、施工する職人によって仕上がりに差がでる場合があります。経験や技術に優れた職人であれば、ボンタイル塗装が持つ独特の表現がうまく再現できるでしょう。
しかし、経験が浅い職人の場合は思っていた柄と違うなど差がでてしまう点がデメリットになります。依頼する際は、ボンタイル塗装の実績があるかどうかはよく確認するようにしましょう。
ボンタイル塗装の塗り替えが必要なタイミング
ここでは、ボンタイル塗装の塗り替えが必要なタイミングについて解説します。以下の劣化症状が現れたらメンテナンスが必要な時期となりますので、見逃さないようにしましょう。
- 色あせや白亜化(チョーキング)現象が起きている
- ひび割れがおきている
- 塗膜が剥がれている
- 前回の塗装から10〜15年程度経過している
それぞれ解説します。
色あせや白亜化(チョーキング)現象が起きている
ボンタイル塗装の塗膜が劣化してくると、色あせや白亜化(チョーキング)現象が発生します。チョーキング現象とは、外壁を触った際に手に白やベージュ、グレーなどの粉状のものが手に付着する現象のことをいいます。
チョーキングは塗装成分の樹脂や顔料、添加物といったものが分離されて出てきます。この現象が現れるのは塗装が劣化している証拠です。
ひび割れがおきている
ボンタイル塗装には硬質タイプと弾性タイプの2種類があると、上の章で解説しました。ひび割れを起こしやすいのは塗装面が硬くなる硬質タイプですが、弾性タイプでも長い間汚れを放置すると、塗膜が劣化してひび割れを起こす可能性があります。
ひび割れの幅が0.3mm未満であれば、それほど緊急を要しませんが、0.3mm以上の場合は雨水が浸入しやすくなり雨漏りを引き起こす恐れがあるため、早急に補修が必要です。
塗膜が剥がれている
ひび割れが起きていた場合、放置すると塗膜の剥がれを引き起こす恐れがあります。塗膜が剥がれてしまうと、隙間から雨水が浸入し雨漏りにつながる恐れがあるため、放置せず、ほかに剥がれた箇所がないかを点検し早めに補修することをおすすめします。
前回の塗装から10〜15年程度経過している
ボンタイルの塗膜の耐用年数は10〜15年程度です。前回の塗装から10〜15年程度経過している場合はメンテナンスのタイミングと考えてよいでしょう。
建物が置かれている環境により耐用年数は前後しますが、ひび割れや剥がれが見られなくても、一度点検することをおすすめします。
ボンタイル塗装の施工方法
ここではボンタイルの施工方法について解説します。主な施工手順は以下のとおりです。
- 外壁の洗浄と下地処理を行う
- 下塗りをする
- 塗料をスプレーガンで吹き付ける
- コテやローラーで模様付けをする
それぞれ解説します。
①外壁の洗浄と下地処理を行う
ボンタイル塗装を行う前の大事な作業工程として、外壁の洗浄と下地処理があります。洗浄や下地処理は塗料を密着させるうえでの大事な工程です。
汚れや古い塗膜をしっかりと落とすことが大切です。この工程を怠ると塗装してもすぐに剥がれやひび割れなどの不具合が起こる可能性があります。
また、塗装の表面にひび割れや浮きが発生していた場合は、補修をしてからの再塗装となります。
洗浄や下地処理はのちの塗装の出来に大きく左右しますので、下地処理を重要な工程と考えている業者に依頼することをおすすめします。
②下塗りをする
下塗りも塗料を密着させるために必要な工程です。下塗りは、このあとの工程であるスプレーガンで吹き付ける中塗りと上塗りの密着度を高めるための接着剤の役割をします。プライマーやシーラーと呼ばれる接着剤を塗り込み、密着度を高めます。
③塗料をスプレーガンで吹き付ける
下塗りが終了したら、中塗りは色付けを行い、同じ塗料で上塗りで塗膜の厚みを増やし耐久性を高めます。
④コテやローラーで模様付けする
ウレタン塗装などの通常の塗装は前の上塗りの固定で終了ですが、ボンタイル塗装は、上塗り後に専用のコテやローラーを使って凹凸模様を付けていきます。
ここでの作業が職人によって差が出る作業です。
ボンタイル塗装にかかる費用
ボンタイル塗装にかかる費用相場は以下のとおりです。
- 2,000〜6,000円/1平方メートル
外壁全体を塗装する場合、足場の設置が必要です。足場は塗装の範囲によりますが、30坪程度の平均的な広さで15〜20万円程度かかります。
平均的な30坪程度の住宅の場合、足場代を合わせて40〜80万円程度かかります。
そのほか、諸経費なども別途掛かってきますが、業者によっても費用は異なります。後述しますが、複数の業者から見積もりを取って、工事費用を比較して検討することをおすすめします。
ボンタイル塗装を優良業者に依頼するためのポイント
ここでは、ボンタイル塗装を優良業者に依頼するためのポイントについて解説します。ポイントは以下のとおりです。
- ボンタイル塗装の実績があり、評判がよい業者に依頼する
- 複数の業者に相見積もりを取って、価格を比較する
- 見積書の内容がわかりやすいかを確認する
- 悪徳業者の手口を理解しておく
それぞれ解説します。
ボンタイル塗装の実績があり、評判がよい業者に依頼する
ボンタイル塗装を成功させるためには、ボンタイル塗装の実績が豊富な業者への依頼をおすすめします。
ボンタイル塗装はこれまで解説したとおり、吹き付け塗装やローラーでの作業は経験や技術を要します。経験が少なかったり、技術がない業者に依頼すると、思い描く仕上がりにならない可能性があります。
ボンタイル塗装の実績は業者のホームページの施工実績で確認できます。また、Googleの口コミや評判を紹介するサイトでも確認できますので、併せて見てみるとよいでしょう。
複数の業者に相見積もりを取って、価格を比較する
業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取って価格を比較することをおすすめします。複数の業者から取る理由は、ボンタイル塗装の施工費用の相場を把握するためです。
価格を比較せず1社のみに依頼すると、その工事費用が適正かどうかがわかりません。本来もっと安い価格でできたものが、余計な費用を支払ってしまう可能性もあります。
価格を比較することは、適正価格で工事を依頼できることはもちろん、業者の対応や保証などのサービスの質を知ることもできるのです。
見積書の内容がわかりやすいかを確認する
価格を比較する際、確認してほしいのが見積もりの内容です。優良な業者の場合、見積もりの内容もわかりやすく記載されています。
塗装に使用する塗料はどのメーカーの物なのか、塗布量は何mLなのか、乾燥時間はどの程度なのかがしっかりと記載されています。
記載されている作業がどうして必要なのかも併せて確認してみるのもよいでしょう。きちんとした仕事をする業者であれば、しっかりと説明してくれます。
悪徳業者の手口を理解しておく
見積もりを取る際に、以下のことをしてくる業者は悪徳業者の可能性があります。
- 今すぐ塗装をしないと大変なことになると煽ってくる
- 大幅な値引きやキャンペーンで契約させようとする
- 他社よりも極端に安い価格を提示してくる
- 工事前に代金の支払いを求めてくる
まず、見積もりを取る際、その場ですぐに契約しないようにしましょう。契約はすべての業者から見積もりがそろってからじっくりと決めてください。
契約を急がせたり、大幅な値引きを提示してくる業者は悪徳業者の可能性が高いです。優良業者は工事の品質や価格に自信を持っており、「よく考え納得したうえで決めてください」と考える時間を与えてくれます。
また、他社よりも極端に価格が低い業者も要注意です。見積もりの段階では安い価格を提示し、あとから追加費用を要求する業者もいます。
塗装工事前に代金の支払いを求めてくる業者にも気をつけましょう。業者の中には手付金として工事代金の一部を求めてくる業者もいますが、たいていは工事後に請求するはずです。
上記のような手口を理解しておくことで、悪徳業者に騙されずに済みますので、しっかりと理解しておきましょう。
まとめ
今回は、ボンタイル塗装のメリットや費用相場について解説しました。ボンタイル塗装は外壁塗装に用いる塗装方法の一つで、塗装を吹き付ける工法により凹凸感が生まれ、表面がツルツルした滑らかな外壁に仕上がるのが特徴です。
ボンタイル塗装のメリットは以下になります。
- 汚れがつきにくい
- 高い防水性
- 個性が出せるデザインに仕上げられる
また、デメリットは以下のとおりです。
- 作業工程が多く、費用が割高
- 施工する職人によって仕上がりに差がでる
ボンタイル塗装は、特殊な塗装方法により経験や高い技術を必要とするため、職人によって仕上がりに差が生まれる塗装方法です。
きれいな仕上がりを期待する場合、ボンタイル塗装の施工実績が豊富な業者へ依頼することが大切です。
ボンタイル塗装の実績が豊富な業者を探すなら「ペイントGO」がおすすめです。ペイントGOは、外壁や屋根などの塗装を専門とする業者を探せる検索サイトです。
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優良な業者をすぐに探せるだけでなく、事前に塗装にかかる費用見積もりのシミュレーションも可能ですので、ぜひ活用してみてください。