ジョリパットとは
ジョリパットとは、砂や他の材料を塗料に混ぜて作られたモルタル外壁用のデザイン性に富んだ塗材です。もともとはフランスで作られていた塗材で、日本では1975年にアイカ工業から導入されています。
カラーは180以上、デザインは100以上用意されており、独自の外壁を実現できます。ジョリパットは既存の外壁に再塗装できるため、新築だけでなくリフォーム時にも利用可能です。また、ジョリパットは高耐候性タイプや消臭抗菌タイプなど、さまざまなラインナップがそろっています。さらに、外側だけでなく内側にも使用できる製品や、両方に適用できるものもあるため、多岐にわたって使えるのが特徴です。
ジョリパットのメリット
ジョリパットは、日本に導入されてから40年以上の実績を誇る塗材です。ここからは、そんなジョリパットのメリットを具体的に紹介していきます。
紹介するメリットは、次の4つです。
- 優れた耐候性で塗り替え回数を減らせる
- デザイン性が高い
- 親水性があり汚れを洗い流してくれる
- 人体や環境にやさしい
ひとつずつ簡単に見ていきましょう。
メリット①優れた耐候性で塗り替え回数を減らせる
ジョリパットにおけるメリットの1つめは、耐候性が高い点です。ジョリパットは、外部要因からの影響を受けにくい特性を持っているため、塗り替えの頻度を大幅に減らすことができます。また、耐火性や遮光性、遮音性にも優れているのが特徴です。
ジョリパットを施すことで、構造物を長期間にわたって保護し寿命を延ばせるため、所有者や管理者のメンテナンスに伴う負担も軽減されます。結果として、経済的な面や効率性にもプラスの影響が及び、維持管理コストの削減につながります。
メリット②デザイン性が高い
メリット2つめは、デザイン性の高さです。ジョリパットのカラーバリエーションやデザインは多岐にわたっており、外観を豊かに演出できます。たとえば、表面の仕上げや模様の選択肢が多様であるため、これらの要素を組み合わせることで独自のデザインを実現できます。
多彩なデザイン要素は、単に美しい外観を実現するだけでなく、建物や空間全体に個性や魅力を与えてくれます。その結果、ジョリパットは建築やデザインの分野において、創造性や表現力を引き出す重要なツールとして、幅広い用途で活用されています。
メリット③親水性があり汚れを洗い流してくれる
ジョリパットのメリット3つめは、親水性による効果です。ジョリパットの表面には親水性があります。その親水性の効果により、水分が表面上で均一に広がり、汚れや付着物を比較的容易に洗い流すことが可能です。また、親水性は水の浸透を防ぎ、壁の表面を保護する役割も果たします。
メリット④人体や環境にやさしい
ジョリパットのメリット4つめは、その特性が人体や環境にやさしい点です。人体や環境に対する配慮が重要視される現代において、ジョリパットは素材から製造プロセスに至るまで、綿密な配慮がなされています。
ジョリパットに使用される素材は、人体や環境に影響を与える可能性の低い、安全かつ環境に配慮したものが選ばれています。そのため、使用者が安心して取り扱うことができ、同時に環境への負荷も最小限に抑えられます。
一方、製造プロセスにおいても、エコフレンドリーな方法や持続可能な手法が採用され、廃棄物や排出物の削減に向けた取り組みが行われています。これにより、ジョリパットの製造段階から使用、そして廃棄に至るまでの全体的なサイクルが、人々の健康や環境の保護に配慮したものとなっています。その結果、ジョリパットは持続可能な建築やデザインの実現に貢献し、より健康的で持続可能な社会の構築に寄与しているといえるでしょう。
ジョリパットのデメリット
ジョリパットには、機能面や環境面といったさまざまなメリットがあることがわかりました。とはいえ、ジョリパットにはデメリットがあることも理解しておく必要があります。
ここでは、ジョリパットのデメリットを詳しく紹介していきます。紹介するデメリットは、以下の4つです。
- 高圧洗浄ができない
- 汚れがつきやすい
- 施工費用が高め
- 仕上がりに差が出やすい
ひとつずつ見ていきましょう。
デメリット①高圧洗浄ができない
ジョリパットを使用した箇所は、高圧洗浄ができません。ジョリパットの特性上、高圧洗浄機を使用すると、その箇所から水が浸透してしまい、内部に水が溜まってしまいます。表面が乾いたように見えても、内部までは乾き切っておらず、腐食の原因になりかねません。
したがって、ジョリパットを採用する場合には、洗浄方法や定期的なメンテナンスプランを慎重に考慮する必要があります。特に、塗り替え時に高圧洗浄機を使用しないように注意しましょう。
デメリット②汚れがつきやすい
デメリットの2つめとして、汚れがつきやすい点があげられます。ジョリパットの表面には微細な凹凸があるため、他の素材に比べて汚れが比較的付着しやすいのが特徴です。特に、外部環境や気候条件の変化によって、大気中の微粒子や塵埃、または植物の花粉や葉の落ち葉などが表面に付着しやすくなります。これらの要因が組み合わさると、ジョリパットの表面に汚れが目立ちやすくなる可能性が高まります。
また、特定の地域では大気汚染や工場排気などの影響も考慮されるため、汚れがより顕著に現れることがあります。そのため、ジョリパットを採用する場合には、定期的なメンテナンスや清掃が重要であり、外観の美観を保つために効果的な対策が欠かせません。
デメリット③施工費用が高め
デメリットの3つめとして、ジョリパットの施工費用が高額である点があげられます。ジョリパットの施工費用が高額である理由は、複数あります。まず、ジョリパットは高品質な素材が使用されることが一般的であり、高い原材料費がかかります。また、ジョリパットの施工には熟練した職人の腕が必要であり、高度な施工技術や知識が求められます。そのため、施工者の資格や経験、技能が高い場合、それに見合った報酬が支払われることが一般的です。
さらに、ジョリパットは耐久性や品質を保証するために、定期的なメンテナンスや補修が必要となります。そのため、ジョリパットの施工費用は他の塗材に比べて高額になる傾向があります。ただし、高い品質と耐久性を備えたジョリパットは、長期間にわたって美しい外観を維持し、メンテナンスコストを削減することができるため、コストパフォーマンスが高いと考えられるでしょう。
デメリット④仕上がりに差が出やすい
ジョリパットの施工においては、熟練した技術が不可欠であり、施工者の技量や経験が仕上がりの質に直接的な影響を及ぼす場合があります。具体的に、ジョリパットは微細な凹凸や表面の均一性が求められるため、施工の際に細やかな注意が必要とされます。
しかしながら、施工者ごとに技術や経験に差があるため、同じ素材を使っても施工後の仕上がりにはばらつきが生じることがあります。特に、均一な仕上がりが求められる場合や細部にわたる装飾が必要な場合には、施工者の技術がより重要となるでしょう。また、施工者が素材の性質や特性を理解していない場合、適切な処理が行われずに不良箇所が生じる可能性もあるので要注意です。
ジョリパットを塗るときの注意点
「ジョリパットを使用したいけど、注意するべき点は?」と気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、ジョリパットを塗る時の注意点を3つ紹介していきます。
- 必ずサンプルを確認する
- 元の状態を確認する
- 次の塗り替えに弾性塗料を使わない
注意点を理解し、ジョリパットを効果的に使用しましょう。
注意点①必ずサンプルを確認する
ジョリパットを塗る前に、必ず実際の塗装面に合わせたサンプルを確認することが重要です。サンプルを確認すれば色や質感、仕上がり具合などを直接見て、予想される塗装結果をイメージしやすくなります。室内照明や外光の下でサンプルを見れば、色の変化や質感の違いをより正確に把握することができるでしょう。
注意点②元の状態を確認する
元の状態を確認することは、ジョリパットを塗る前において重要な手順です。表面の現状を詳細に調査しておけば、塗装によるトラブルを未然に防げるでしょう。
たとえば、表面に付着している汚れや塗装の剥がれ、凹凸、あるいは他の損傷がある場合、これらの問題を適切に処理しなければなりません。適切な下地処理には、汚れや古い塗料の除去、平滑化、補修などが含まれます。下地処理を適切に行うことで、塗装の密着性や耐久性を向上させ、長期間にわたって美しい仕上がりを維持することが可能です。したがって、元の状態を十分に確認し、適切な下地処理を行うことは、ジョリパットを塗る際に必要不可欠なステップです。
注意点③次の塗り替えに弾性塗料は使わない
次の塗り替えの際には、弾性塗料の使用を避けることが重要です。なぜなら、弾性塗料は非常に柔軟で伸縮性が高い性質を持っており、ジョリパットの表面との適切な密着を妨げる可能性があるからです。弾性塗料がジョリパットの表面に適切に密着しない場合、塗装面の劣化や剥がれのリスクが高まります。そのため、弾性塗料の代わりに、ジョリパット専用の塗料や、適切な下地処理を施すことで、適切な塗装を行うことが必要不可欠です。
ジョリパットの塗り替え時期は?
ジョリパットの使用を検討する際、「塗り替え時期」は気になるもの。ネット上だと「5年くらいで塗り替えたほうが良い」という情報や、「耐用年数が長いので15年くらいで塗り替えれば大丈夫」といった情報が飛び交っています。
実際の塗り替え時期は、外壁の状態や環境にあわせて検討すべきです。ここでは、ジョリパットの塗り替えが必要な状態について詳しく解説するので、以下の状態になったら塗り替えを検討するようにしましょう。
- 色褪せが見られる
- 水切れが悪い
- 汚れが落ちづらい
- ひび割れが発生している
- カビやコケが繁殖している
ひとつずつ簡単に見ていきます。
①色褪せが見られる
ジョリパットの外観に退色や色あせが目立つようになったら、塗り替えが必要なサインです。色褪せが生じると、壁の老朽化が進んでいる前兆として考えられます。また、建物や構造物の外観に一貫性がなくなり、美観が損なわれるおそれもあります。
したがって、色褪せが見られる場合は、建物の外観を美しく保つためにも、塗り替えの検討が重要です。早めの対応によって、建物の外観や価値を維持し、長期的な保護を実現することが可能です。
②水切れが悪い
水切れが悪くなると、ジョリパットの表面が水を十分にはじくことができなくなり、水が表面に残留したり、浸透しやすくなる可能性があります。水切れが悪い状態は、建物や構造物の外観や耐久性に影響を与える重要なサインです。
雨水や湿気が表面に留まりやすくなると、塗装面の劣化や腐食、カビや藻の発生、さらには内部への浸水や損傷などを引き起こすかもしれません。表面の保護性が低下すると、ジョリパットが本来持っている機能が損なわれ、長期にわたって建物や構造物の耐久性が低下する可能性があります。したがって、水切れが悪くなった場合は、早めの対策として塗り替えを検討し、表面の保護性や美観を確保することが重要です。
③汚れが落ちづらい
汚れが落ちにくくなると、ジョリパットの表面に汚れや付着物が蓄積されやすくなり、建物や構造物の外観が損なわれてしまいます。また、汚れや付着物が表面に長時間残留すると、表面の劣化や変色が進んだり、カビや藻が発生したりするといった問題が引き起こされるかもしれません。
さらに、汚れが蓄積されると、表面の保護性が低下し、外部要因による損傷や侵食から建物や構造物を効果的に保護する能力が弱まります。したがって、汚れが落ちにくくなった場合は、外観の美観や保護性を維持するためにも、塗り替えが必要なサインと考えられます。早めの塗り替えによって、表面の美観や耐久性を確保し、建物や構造物の長寿命化を図ることが重要です。
④ひび割れが発生している
ひび割れがジョリパットの表面に発生している場合、ただちに塗り替えを検討すべき重要なサインです。ひび割れは、建物や構造物の外観だけでなく、耐久性や保護性にも影響を与える可能性があります。放置されたひび割れは、そのままにしておくと、塗装面や壁面の内部構造に水分が浸透し、さらなる損傷や劣化を引き起こすかもしれません。
もしひび割れが広がってしまうと、耐候性が低下するだけでなく、防水性や保護性も減少する可能性があります。したがって、ひび割れが見られる場合は早急に対処し、塗り替えを行ってさらなる損傷を防ぐことが重要です。
⑤カビやコケが繁殖している
ジョリパットの表面にカビやコケが繁殖している兆候が見られる場合、塗り替えを必要とするサインとなります。カビやコケの繁殖は、建物の外観を損なうだけでなく、塗装面の劣化や腐食を引き起こす可能性があります。また、カビやコケの繁殖は、アレルギー反応や呼吸器系といった健康リスクをもたらす可能性も。屋外での繁殖が室内にも影響を及ぼすことがあります。
したがって、カビやコケが繁殖している場合は早急に対処し、適切な塗り替えや清掃を行うことが大切です。
まとめ
今回は、ジョリパットの特徴やメリット、デメリットを詳しく解説しました。ジョリパットは、デザイン性の高いモルタル外壁用の塗材で、耐候性や親水性に優れているといったメリットがあります。
一方、施工には熟練した技術が必要であるほか、施工費用が高めであるなどのデメリットもあります。また、元の状態を確認した上で使用しないと、機能面や見た目に影響を与えてしまいます。
したがって、ジョリパットを適切に使用するためにも、あらかじめ正しい知識を身につけておくことが重要です。また、ジョリパットを検討する際には、依頼する業者も慎重に選びましょう。
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