外壁塗装の役割
外壁塗装は、建物を守るために重要な役割を果たします。具体的には、以下3つの役割が挙げられます。
- 防水性の向上
- 耐久性の向上
- 美観の維持
それぞれの役割について簡単に見てみましょう。
①防水性の向上
外壁塗装の最も重要な役割は、建物を雨水から守ることです。外壁材自体には防水性がないものが多く、塗装によって防水膜を形成することで、雨水の侵入を防ぎます。雨水が侵入すると、建物の劣化やカビやシロアリの発生などのリスクが高まります。
②耐久性の向上
外壁塗装は、紫外線や風雨などによる外壁の劣化を防ぎ、建物の耐久性を向上させます。紫外線は塗料を劣化させ、風雨は外壁材を風化させます。定期的な外壁塗装を行うことで、これらの劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばすことが可能です。
③美観の保持
外壁塗装は、建物の外観を美しく保ちます。紫外線や風雨、汚れなどによって、外壁は徐々に色あせたり、汚れが目立ってきたりします。外壁塗装を行うことで、紫外線や風雨による劣化を修復し、建物の美観を蘇らせることができます。
外壁塗装の流れ
外壁塗装は、建物の外観を美しく保ち、外壁を劣化から守るために欠かせません。ここでは、外壁塗装の流れを11のステップに分けて簡単に紹介します。
【1】近隣挨拶
塗装工事は騒音や塗料の臭いを伴うため、あらかじめ近隣へ挨拶を行うことが重要です。近隣挨拶では、塗装作業のスケジュールや内容を伝え、近隣住民の理解と協力を得ましょう。挨拶の際には連絡先も明示し、近隣住民が安心できるように対応することも必要です。
【2】足場の設置
仮設足場の設置は、外壁塗装の準備段階として極めて重要な工程です。足場は作業員の安全を確保するだけでなく、作業の効率を向上させる役割も果たします。
【3】各所養生の取付
各所養生の取付として行われる作業は、塗装作業を円滑に進める上で欠かせない重要なステップです。養生の取付は、周囲の建物や植栽などを保護し、作業中に誤って塗料や汚れが付着することを防ぐために行います。
【4】高圧洗浄
養生作業を終えたら、次に高圧洗浄を行います。高圧洗浄では、水を高い圧力で噴射することで、表面の汚れや古い塗膜を強力に洗浄し、清潔な状態に戻します。
【5】下地処理
下地処理では、外壁に生じた割れや凹み、ひび割れなどの劣化を特定し、適切な修復方法を施します。下地処理の有無により、塗装の仕上がりが大きく左右すると言っても過言ではありません。
【6】下塗り
下塗りは、下地処理が完了した後に行われます。下塗りの主な目的は、塗装の密着性を向上させることや、外壁の防水性を強化することです。
【7】中塗り
中塗りは、下塗り工程が完全に乾燥した後に行われる外壁塗装の重要な工程です。この段階では、塗装の色合いや質感を調整し、理想的な仕上がりを実現するために行われます。
【8】上塗り
上塗り工程は、中塗りが十分に乾燥した後に行われる仕上げの工程であり、建物の外観を美しく仕上げると同時に、外壁を保護する重要な役割を果たします。
【9】各所養生の撤去
塗装が完了したら、養生材の撤去が行われます。養生を丁寧に取り外し、周囲の環境が元の状態に戻るようにします。
【10】完工検査
完工検査は、外壁塗装作業の最終段階であり、塗装が完了した後に品質を確認するために行われます。この検査では、塗装が規定の品質基準に適合しているかどうかを確認し、塗装作業の品質を保証することが目的です。
【11】足場の解体
すべての工事が完了したら、足場を解体します。解体後は、周辺の清掃を行い、工事完了となります。
外壁塗装における作業内容の詳細
外壁塗装の基本的な流れを押さえた上で、ここからは具体的な作業内容について解説していきます。
【1】仮設足場の設置
はじめに外壁塗装では、建物の周囲や塗装対象となる部分の適切な位置に足場を設置する計画が立てられます。足場の配置は建物の形状や高さ、塗装の範囲などを考慮し、安全かつ効率的に検討されます。その後、足場の材料や構造を選定し、専門の作業員が設置作業を行います。
足場の設置には、専門的な知識や技術が必要であり、地盤の状況や風圧などの外部要因も考慮しなければなりません。また、作業現場の安全を確保するために、足場の耐荷重や安定性などの面でも細心の注意が払われます。
仮設足場の設置は、作業員が安全に作業を行い、作業効率を最大化するための重要なステップであり、しっかりと計画された適切な足場設置が塗装作業の成功に欠かせません。
【2】各種養生の取付
足場を設置したら、ビニールシートや特殊な保護フィルムなどの専用資材を使用し、建物の窓やドア、屋根や庭木、周辺の装飾物など、塗装作業により影響を受ける可能性のある箇所を丁寧に覆い隠します。また、養生作業では植物や花壇などを保護するために、地面をカバーする作業を行います。
さらに、足元や作業エリアの養生も適切に行い、作業員の安全を確保します。このように、養生措置がしっかり行われることで、塗装作業は安全かつ効果的に進行し、周囲環境や作業員の安全が確保されることになります。
【3】高圧洗浄
高圧洗浄は、外壁表面に付着した汚れや古い塗膜を効果的に除去するために、専用の高圧洗浄機を使用して行われます。高圧洗浄では、外壁表面から汚れが除去されるとともに、古く劣化した塗膜も取り除かれます。その結果、新しい塗料が外壁により密着しやすくなり、塗装の密着性が向上します。また、外壁表面がきれいになることで、塗装の美観が向上し、建物全体の外観も一層引き立ちます。
したがって、高圧洗浄は外壁塗装作業において不可欠な工程であり、塗装の耐久性や美観を確保する上で重要な役割を果たします。
【4】下地処理
下地処理では、外壁表面の状態を徹底的に点検し、修復が必要な箇所を特定します。その後、各箇所に対して適切な補修材料を用いて修復作業を行います。
ひび割れがある場合には、シーリング材を用いて適切に補修し、強度を回復させます。凹みがある場合には、埋め合わせて表面を平滑に整えます。また、塗装作業の際には、外壁表面の不均一な部分を均一に整えるために、適切な研磨や研削作業が行われることもあります。
このような下地処理作業により、外壁表面の状態を均一化できるため、美しい仕上がりを実現すると同時に、塗膜の密着性や耐久性も向上します。
【5】下塗り
下塗りでは適切な塗料を使用して、外壁表面に均一な下塗り層を形成します。下塗り層は、外壁表面と塗料との間に密着し、塗料が安定して固定されることで、塗装の耐久性や美観を高めます。また、下塗りは外壁表面の微細な凹凸を埋めることで、塗料の均一な塗布を実現します。
さらに、下塗りには防水性を高める役割もあるため、外部からの水の侵入を防ぎ、建物内部への浸水やダメージのリスクを最小限に抑えます。
下塗りは、塗装作業全体の品質と耐久性を確保する上で不可欠な工程であり、丁寧な作業が求められます。適切な下塗り層が形成されることで、外壁塗装がより長期間にわたって美しく保たれるとともに、建物の耐久性が向上し、メンテナンスの頻度やコストが低減されると言えるでしょう。
【6】中塗り
下塗りが完全に乾燥したことを確認した上で、中塗りの準備が行われます。中塗りでは、塗料の種類や色調の選定なども重要となります。塗料の種類は、外壁の素材や使用環境に応じて適切に選択することが欠かせません。また、色調の選定は、建物の外観や周囲環境との調和を考慮する必要があります。
中塗りは、下塗りと上塗りの間に位置し、塗装の均一性や質感を向上させる役割を果たします。塗料を丁寧に塗布することで、外壁表面に均一な色合いや質感が実現し、美しい仕上がりになります。また、中塗り層は下塗りと上塗りとの間の密着性を高める役割も担っており、塗装の耐久性を向上させます。以上のように、中塗りは外壁塗装工程において欠かせない重要な工程であり、丁寧な作業が美しい仕上がりと耐久性の向上に直結すると言えるでしょう。
【7】上塗り
中塗りが完全に乾燥したことを確認した後、上塗りの準備が行われます。上塗りは中塗りと同様に、適切な塗料を選択することが重要です。塗料の選択では、美観の維持や耐久性向上のために、建物の外観や周囲環境、気候条件などを考慮しなければなりません。また、塗装面で不均一な箇所や欠陥がないかを確認し、必要に応じて補修や調整を行うことが必要です。
上塗り作業を丁寧に行うことで、外壁表面に均一な仕上がりを与えます。塗料が塗装面にしっかりと密着し、表面を覆うことで、外壁に美しい光沢や色合いが生まれます。また、上塗り層は外壁を外部からの影響や劣化から保護する役割も果たすため、雨や紫外線などの外部要因から建物を守り、耐久性を向上させます。
以上のように、上塗りは外壁塗装の仕上げ作業であり、美しい仕上がりと耐久性の向上に欠かせない工程であると言えるでしょう。
【8】各種養生の撤去
養生の撤去作業が開始される前に、塗装面が十分に乾燥していることを確認します。塗装面が十分に乾燥していない場合、養生を撤去する際に塗装面が損傷してしまうかもしれません。
養生を撤去する際は、建物や植栽などの周囲に設置されたビニールシートやテープなどの養生材を丁寧に取り外し、塗装面に損傷を与えないよう注意深く作業を行います。
【9】完工検査
完工検査は、外壁塗装で欠かせない最終工程です。完工検査が行われる前に、塗装面が十分に乾燥していることを確認します。乾燥していない場合、塗装面の色合いや質感が正確に判断できないため、検査の精度が低下します。
完工検査では、検査チェックリストや品質基準に基づいて、塗装面の各部分が適切に仕上がっているかを評価します。検査項目には、塗料の均一な塗布、塗装面の凹凸やムラの確認、塗料の剥がれやはげ落ちの有無、塗装面の色調や光沢の一貫性などが含まれます。また、塗装面に傷や汚れがないか、外壁との接合部分や窓枠、ドア周りなどの細部も検査され、塗装作業の品質が適切に維持されているかどうかを判断します。
複数の検査基準がある中で、品質基準に合致しない箇所があれば、必要に応じて修正や補修が行われます。検査や補修が完了すると、建物の外観や塗装面の品質が最終確認され、塗装作業が完了したことが証明されます。
【10】仮設足場の解体
仮設足場の解体は、適切な道具や機材を使用して行われます。足場の解体は、段階的に行われ、上部から順に解体されていきます。解体作業では、周囲の安全を確保するために、必要に応じて保護柵や安全ネットなどの設置も行われます。
また、足場の解体後は、作業前と同様に安全かつ清潔な状態に保たれるように管理されます。
外壁塗装の工事中の注意点
外壁塗装工事中には、いくつかの注意点があります。さまざまなトラブルを回避するためにも、あらかじめチェックしておきましょう。注意点は、以下の5つです。
- 騒音
- 塗料の匂い
- 塗料の飛散
- 仮設足場の日常生活への支障
- 防犯
それぞれについて簡単に紹介します。
【注意点1】騒音
外壁塗装工事では、仮設足場の設置や解体時に騒音が発生します。作業時間や騒音の規制に十分配慮し、近隣住民への事前通知や説明を行うことも重要です。
【注意点2】塗料の臭い
塗装作業中には、塗料の臭いが発生します。特に、換気が悪い場所では塗料の臭いが室内に侵入する可能性があります。工事現場周辺の住民にも影響を与える可能性があるため、換気対策や臭いの拡散を最小限に抑える対策が必要です。
【注意点3】塗料の飛散
塗料の塗布作業中には、塗料が周囲に飛散することがあります。周囲の建物や車などに塗料が付着しないよう、適切な対策を講じる必要があります。特に、風の強い日や周囲に物がある場合は注意が必要です。
【注意点4】仮設足場の日常生活への支障
仮設足場の設置中は、住民の日常生活に支障をきたす可能性があります。たとえば、洗濯物の干す場所や窓の開閉が制限されたり、夜間の出入りが制限されたりします。
【注意点5】防犯
工事現場となる建物は、足場を利用した泥棒の標的になる可能性があります。工事中はセキュリティ対策を強化し、不審者の侵入を防止するための措置を講じる必要があります。
【まとめ】
今回は、外壁塗装の流れと作業内容について詳しく解説しました。外壁塗装を行う際は、塗料の飛散や騒音などが原因で、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。したがって、近隣住民や周囲のものへの配慮が欠かせません。
一方、外壁塗装には複数の工程があり、どれも塗装の仕上がりや耐久性に欠かせない重要な作業となります。したがって、業者に依頼する際は、複数の工程がきちんと実行されるかどうかを見極めることが必要です。
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