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塀や擁壁の塗装はDIYでも可能?
結論からお伝えすると、塀や擁壁の塗装はDIYでも可能です。
ただし、塀や擁壁の種類によって適切な塗料を選ぶ必要があります。また、塗装前の下地処理や乾燥をしっかりと行わないと、すぐに塗料が剥がれてしまうなど不具合が出る恐れがあります。
とくに古い塀や擁壁などは崩壊の危険性もあるため、専門の修理業者への依頼がおすすめです。
塀や擁壁の塗装をプロに頼んだ場合のメリット
塀や擁壁の塗装をプロに依頼した場合のメリットは以下のとおりです。
- 高品質な仕上がりになる
- 時間の節約になる
- 保証やアフターフォローがある
それぞれ解説します。
高品質な仕上がりになる
プロに依頼するメリットは、高品質な仕上がりが期待できる点です。プロは塗装の専門的な知識や技術に優れています。とくに、下地処理の大切さや塗り方・乾燥時間などは仕上がりに大きく影響します。
経験豊富な職人や塗装技能士などの専門資格を有している職人であれば、さらに高品質な仕上がりが期待できるでしょう。高品質な仕上がりを望むのであれば、プロに依頼することをおすすめします。
時間や労力の節約になる
塀や擁壁の塗装をDIYで行うには、忙しいなかで塗料や道具をそろえる時間、作業時間を確保する必要があります。加えて、塀や擁壁の素材に合わせて適切な塗料を選ぶ必要もあります。
プロに依頼することで、適切な塗料選びや作業時間を確保する必要がありません。プロは効率的に作業を行えるため、プロに依頼することで時間と労力を大幅に削減できます。
仕事や家族との時間を犠牲にすることなく、メンテナンスできるのは大きなメリットです。
保証やアフターフォローがある
プロに依頼することで、何か不具合があった際にも保証やアフターフォローで対応できます。DIYで行った場合、再度作業時間を確保する必要があり、下地処理などしっかりと作業しなければ再度不具合を招く恐れがあります。
保証やアフターフォローがある業者を選んでいれば、再塗装や修理に関しても保証期間内であれば無償で対応してもらえるでしょう。定期的なメンテナンスも加われば、長期に渡って品質を維持できます。
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塀と擁壁の役割と違い
ここでは、塀と擁壁のそれぞれの特徴の違いについて解説します。
塀の役割
塀の役割は、隣接する土地との境界線や防犯といった目的があります。ひと目で境界地点を明確にしたり、室内を隣人や通行人から見られないようにする目隠し的な役割として設置されます。
擁壁の役割
擁壁とは、高低差のある土地や崖などの崩落を防ぐために設定される壁状の構造物のことです。崖や建物の土の崩落を防ぐ役割があります。
擁壁は隣地や道路よりも高い場所に建設される場合に、建物の下にコンクリートやブロックなどを使って壁状の構造物を作ります。
塀と擁壁の違い
主な違いとしては、土を受け止める役割をしているかどうかです。また、隣地との高低差があれば擁壁、ない場合は塀となります。
塀と擁壁の塗り替えのタイミング
ここでは、塀と擁壁の劣化症状と塗装時期について解説します。塀と擁壁の劣化症状は主に以下のような現象が起こります。以下のような症状が現れたら塗装のタイミングです。
- 色あせや雨だれなどの汚れが目立つ
- エフロレッセンスの症状が現れている
- カビやコケ、藻が発生している
- ひび割れ、剥がれが起きている
- サビ垂れが発生している
それぞれ解説します。
色あせや雨だれなどの汚れが目立つ
塀や擁壁は日々紫外線や雨にさらされており、塗装がされている塀や擁壁の場合は塗膜が劣化することで、色あせや雨筋の雨だれが目立ってきます。ホワイトやベージュなどのホワイト系は経年劣化によって茶色く変色してきます。
エフロレッセンスの症状が現れている
エフロレッセンスとは、コンクリートの表面に白い粉のようなものが付着する現象です。コンクリートの中には水酸化カルシウムが含まれており、雨水が染み込むと水酸化カルシウムとともに溶け出し、塀や擁壁の表面に付着してしまいます。
表面の白い物質は白い花が咲いているようにも見えるため、「白華」や「白華現象」などと呼ぶこともあります。白いパウダー状の塊のようになってしまうため、外観の印象が悪くなってしまいます。適切な塗料で再塗装することで、エフロレッセンスによる劣化を防ぐことが可能です。
カビやコケ・藻が発生している
塀や擁壁が凹凸のあるデザインの場合、カビやコケ、藻が繁殖しやすくなります。凹凸の溝に雨水や汚れが溜まりやすくなるため、カビやコケなどが発生します。
カビやコケ、藻などを放置すると美観が損なわれるだけでなく、人の健康被害を招く恐れもあります。カビの胞子を吸い込むことで喘息や肺炎などを引き起こすこともあります。
ひび割れ・剥がれが起きている
塀や擁壁はコンクリートで作られることが多いため、ひび割れや剥がれが起きやすくなります。ひび割れや剥がれを起こしたコンクリートは強度が低くなっている可能性が高いため、地震によって崩壊する危険性があります。
擁壁の場合は土が崩れてくることもあるため、早急に専門業者に点検や修理を依頼する必要があります。
サビ垂れが発生している
壁に茶褐色の垂れた跡がある場合はサビ垂れが起きています。塀や擁壁は強度を上げるため、鉄筋を組みコンクリートで固めています。
上述のひび割れや剥がれが起きると、隙間に雨水が染み込み、中の鉄筋にサビや腐食が発生します。サビ垂れが起きている場合は強度も落ちているため、早急に補修工事をするようにしましょう。また、カビやコケなどと同様に美観も損ねてしまいます。
塀・擁壁塗装の費用相場
ここでは、塀や擁壁塗装の費用相場について解説します。
塀や擁壁塗装にかかる費用は、1平方メートルあたり3,000〜5,000円程度です。この価格はあくまで目安であり、塗り面積が広ければその分高くなります。
また、高所などの作業が必要な場合は足場代の費用が別途必要で、足場代は15〜20万円程度かかります。塀や擁壁以外にもメンテナンスが必要な箇所があれば、併せて工事することで足場代が一度で済むため、一緒に行うのがおすすめです。
塀や擁壁に最適な塗料は「透湿性」に優れた塗料
塀や擁壁はコンクリートが使われることが多く、透湿性に優れた塗料を使う必要があります。コンクリートは水が染み込みやすい建材です。
透湿性に優れた塗料とは、通気性がよく塗膜の膨れを抑えられる性質を持った塗料のことです。外壁材などに使用される一般的な塗料は雨水の浸透を防ぐため、耐水性のある塗料を使用します。
耐水性の塗料は雨水を内部に閉じ込めてしまうため、温度変化によって膨張して塗膜の膨れや剥がれが起こってしまうのです。塀や擁壁で使われるブロックやコンクリートなどの素材に合わせた塗料を使う必要があります。
塀や擁壁の素材別の最適な塗料
塀や擁壁は素材に合った塗料を使用しないと、塗料の膨れや剥がれにつながります。ここでは、素材別の最適な塗料について解説します。
- モルタル
- ジョリパッド
- コンクリート打ち放し
- コンクリートブロック
それぞれ解説します。
モルタル
モルタルは原材料にセメントを使用し、水と砂を混ぜて練ってできたものがモルタルです。モルタルはセメントが主成分のため水が染み込みやすく、ひび割れも発生しやすい素材です。そのため、ゴムのような弾力性があり、ひび割れを起こしにくい「弾性塗料」が適しています。
弾性塗料の中でも以下の4点がよく使用されています。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- フッ素塗料
それぞれ簡単に解説します。
アクリル塗料
アクリル塗料は低価格で扱いやすさが特徴の塗料です。ただし、耐久性がほかの塗料よりも低く5〜8年程度です。
ウレタン塗料
ウレタン塗料はアクリル塗料と同じく低価格で、密着性や柔軟性に優れひび割れにも強い塗料です。しかし、紫外線の影響を受けやすく汚れやすいのがデメリットといえます。耐用年数は8〜10年程度と短いです。
シリコン塗料
シリコン塗料は弾性面の低さはありますが、紫外線や汚れにも強く、もっともコストパフォーマンスに優れた塗料です。耐用年数は10〜15年程度です。
フッ素塗料
フッ素塗料は耐久性が非常に高く、耐熱や耐水性にも優れているため大型建造物などによく使用されています。価格は高いですが、耐用年数は15〜20年と非常に長いです。
ジョリパット
ジョリパットはモルタル外壁用仕上塗材です。モルタルよりもデザインやカラーバリエーションが豊富なため、外壁にこだわりたい人におすすめです。
上塗り材はモルタルと同様にアクリル塗料やウレタン塗料などが使用できます。
ジョリパットに関する詳しい説明は、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
コンクリート打ち放し
コンクリート打ち放しは、コンクリートそのままの状態に撥水剤や塗装をした状態のことをいいます。コンクリートのむき出しの雰囲気を味わいたい人にはおすすめです。
コンクリート打ち放しの塗装は、撥水剤を下塗り剤で塗り、カラークリアー塗料を上塗り剤として仕上げて防水性を高めています。
コンクリートへの塗装に関しては、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
コンクリートブロック
コンクリートブロックは中が空洞になっているブロック状のコンクリートです。昔から塀や花壇などでよく使用されており、ホームセンターなどでも販売されています。
コンクリートブロックは水分を吸収しやすいため、透湿性に優れた塗料がおすすめです。コンクリートブロックでも意匠性にこだわりたい人は、ジョリパットで仕上げることも可能です。
塀・擁壁塗装の手順
(写真:大阪府枚方市の外壁塗装業者「R-CRAFT」岸本亮佑さん)
ここでは、塀や擁壁塗装の手順について解説します。主な塗装手順は以下のとおりです。
- 高圧洗浄による汚れ落とし
- 下地処理と補修
- 養生
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
- 点検・確認・足場撤去・清掃
- 保証内容に沿い定期点検
それぞれ解説します。
高圧洗浄による汚れ落とし
まずは塗装の密着性を高めるために、塀や擁壁の汚れを落とします。汚れ落としが不十分だと塗料の密着性が落ちるため、すぐに剥がれるなどの不具合が出る恐れがあります。
下地処理と補修
洗浄と同じく重要な工程が下地処理です。下地処理も塗料の密着性に大きく関係するため、下地処理をおろそかにすると塗料の剥がれが起きますので、しっかりと下地は作る必要があります。
また、ひび割れや剥がれなどがある場合は、樹脂モルタルやコーキング剤で補修してから塗装を行います。
養生
塗装を行う前は、塗料が付着させたくない箇所をシートなどで養生します。養生は完全に乾いてから剥がすと、周辺の塗料も剥がれてしまうこともあるため、完全に乾き切る前に外すのがコツです。
下塗り
塗装は基本的に3回行います。「3回塗り」ともいいます。下塗りは塗装のベースを作るための工程です。後述する中塗りと上塗りの密着性を高める接着剤のような役割をします。
下塗りにはプライマー・シーラー・フィーラー・サーフェイサーなどがあり、施工する箇所によって使い分けます。
中塗り
中塗りは色付けするための工程です。上塗りの1回目にあたり上塗りと同じ塗料を使用するのが基本です。
上塗り
上塗りは、仕上げにあたる工程です。中塗りで色を付けたのち、上塗りをすることで塗膜の耐久性を高め、色ムラを抑え均一に仕上げます。
点検・確認・足場撤去・清掃
すべての塗装工程が終了したら、塗り間違いがないか、塗り漏れがないかなどの点検・確認を行います。塗装工程に問題がなければ、足場を撤去し清掃をして、終了となります。
保証内容に沿い定期点検
塗装後は不具合が出ないとも限りません。塗装のひび割れや膨れなどが出来た場合は保証で対応できるような業者を選ぶことをおすすめします。また、定期的な点検を実施してくれる業者であればなお安心です。
まとめ
塀や擁壁の塗装はDIYでも可能です。ただし、塀や擁壁の素材に合う適切な塗料を選ぶ必要があります。また、塗装する前の下地処理をしっかりと行わないと、塗膜の膨れや剥がれにつながります。
高品質な仕上がりを求めるのであれば、塗装を専門とするプロに依頼することをおすすめします。プロは塗装に関する知識や技術に長けており、塀や擁壁に合った適切な塗料を提案してくれるだけでなく高品質な仕上がりが期待できます。
プロに依頼すれば、塀や擁壁を塗装する時間を確保する必要がなく、仕事や家族との時間を犠牲にすることもありません。保証やアフターフォローがある業者を選べば、何か不具合があった際も安心です。
高品質やアフターフォローがある業者を選ぶ際は、「ペイントGO」がおすすめです。ペイントGOは掲載するにあたっての厳しい審査基準にクリアした優良業者のみ掲載されています。
個人情報の入力は不要で、塗装費用のシミュレーションも可能です。簡単な操作でお住まいの地域の優良業者をすぐに見つけられます。「塀や擁壁を高品質な塗装ができる業者へ依頼したい」という方は、ぜひ活用してみてください。