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室内塗装はDIYでもできる?向いているケースと注意点
室内塗装は「自分でもできそう」と感じるリフォームのひとつですが、実際には作業範囲や劣化状況、ご自身の経験・技術力によって難易度が大きく異なります。
簡単そうに見えて、塗料選びや下地処理、養生の丁寧さが仕上がりを大きく左右するため、甘く見ていると「思っていたよりも大変だった」「塗った直後は良かったが、すぐにムラや剥がれが出た」という結果にもなりかねません。
まずは、DIYで挑戦しやすいケースと、業者依頼を検討すべきケースを具体的に見極めることが大切です。
DIYが向いているケース
壁一面だけのアクセント塗装
最近では、部屋全体ではなく「壁一面だけをアクセントカラーで塗る」インテリアが人気です。リビングの一面、寝室のベッド背面、玄関ホールなど、部分的な塗装であればDIYでも十分に対応可能です。範囲が狭ければ、道具の準備や作業時間も短く、失敗リスクも抑えられます。
小さな部屋(6畳程度)の塗り替え
トイレや洗面所、書斎などの小部屋は、面積が限られているためDIY初心者でも取り組みやすい範囲です。特に壁紙が剥がれていない状態で、塗装のみを行う場合は比較的簡単に仕上げることができます。
低予算で簡単に模様替えしたい
「引っ越しやリフォームにかける予算はないけど、部屋の雰囲気を変えたい」という場合には、DIYでの室内塗装が有効です。塗料代や道具代だけで、新品の壁に生まれ変わるため、費用対効果が高いリフォーム手法と言えます。
DIY経験があり、作業に慣れている
過去にDIYで家具の塗装や簡易的なリフォームを経験したことがある方なら、室内塗装も比較的スムーズに進められるでしょう。塗装に慣れている方であれば、下地処理や養生の重要性も理解しているため、綺麗に仕上げることができます。
DIYが難しいケース
広範囲(LDK全体・天井含む)を塗り替える
LDKや吹き抜け天井など、広範囲の塗装はDIY初心者には不向きです。 体力的にもかなりの負担となり、養生や塗装ムラを防ぐための作業精度が求められます。特に天井塗装は、腕が疲れやすく、塗料が垂れてしまうリスクもあります。
壁紙剥がしや下地補修が必要
室内塗装は単に「塗るだけ」ではなく、下地が整っていない場合は、壁紙の剥がしやパテ埋め、サンドペーパーでの研磨作業が必要になります。 この工程を怠ると、どんなに良い塗料を使っても剥がれやひび割れの原因となります。DIY初心者が適切に下地処理を行うのは、意外と難易度が高い部分です。
高所作業が伴う(吹き抜けなど)
2階吹き抜け部分の壁や、高い天井まで塗装する場合は、脚立や足場が必要になります。 落下の危険性や、安定した作業スペースの確保が難しいため、高所でのDIY塗装はおすすめできません。安全性を考えるならプロに任せるのが安心です。
仕上がりや耐久性にこだわりたい
DIY塗装の場合、プロのような均一な塗膜や、美しい艶感を出すのはなかなか難しいものです。「細部の仕上がりまでこだわりたい」「一度塗ったら10年以上は持たせたい」という方は、やはり業者に依頼した方が満足度の高い仕上がりが得られます。
まずは「狭い範囲」で試してみるのが失敗しにくい
DIYで室内塗装に挑戦する場合は、まずトイレや玄関ホール、子供部屋の一面など、小さなスペースからスタートするのが成功のポイントです。
いきなりリビング全体や天井塗装をDIYで行おうとすると、想像以上の労力と時間がかかり、途中で挫折してしまうケースが多いです。
「最初は小さく始めて、慣れてから範囲を広げる」ことで、失敗や後悔を防ぐことができます。
室内塗装をDIYするメリット・デメリット
室内塗装は、比較的取り組みやすいDIYリフォームとして人気があります。しかし、見た目の手軽さとは裏腹に、きちんとした知識や準備がなければ「やって後悔するDIY」となってしまうことも少なくありません。
ここでは、DIYで室内塗装を行う場合のメリットとデメリットを、実際に寄せられる失敗例も交えながら詳しく解説します。
DIYのメリット
費用を安く抑えられる
DIY最大の魅力は、何といっても「コスト削減効果」です。業者に依頼すると、6畳一部屋でも5万〜10万円程度かかることが多いですが、DIYなら塗料代・道具代を含めても1万円前後に収まることもあります。
「とにかく予算を抑えたい」「ちょっとした模様替えをしたい」という方にとっては、非常に経済的な選択肢となります。
自分のペースで作業できる
DIYの良さは「好きな時間に、好きなペースで作業できる」ことにもあります。仕事や家事の合間に少しずつ進めたり、休日に家族と一緒に楽しみながら塗装したりと、時間に縛られない自由なスタイルが魅力です。
自分好みのカラーに仕上げられる
DIYでは、カラーバリエーション豊富な塗料から好きな色を選び、自由なデザインや塗装パターンで部屋を仕上げることができます。 市販の壁紙シールでは表現できない質感や色合いを、自分自身の手で実現できるのは大きな楽しみとなるでしょう。
作業そのものが「体験」になる
「自分で壁を塗った」という体験は、住まいに対する愛着にもつながります。家族や子どもと一緒に塗装作業を行うことで、思い出作りとしてのDIY体験も得られる点は、業者施工では得られないDIYならではのメリットです。
DIYのデメリット・リスク
塗りムラや剥がれが起きやすい
DIYでよくある失敗が「塗りムラができてしまう」「乾燥後に剥がれてきた」というもの。これは、塗料の塗り重ねが均一でなかったり、下地処理が不十分だった場合に起こりやすい現象です。
見た目は簡単そうに見えても、プロのように綺麗な塗膜を作るには一定の技術が必要であり、初心者には意外と難しい部分です。
養生作業が雑だと仕上がりが台無しに
塗装で最も重要な工程のひとつが「養生」です。窓枠・床・巾木など、塗料が付着してはいけない部分をしっかりマスキングしないと、塗り終えた後に思わぬ場所に塗料がはみ出してしまい、見栄えを大きく損ねることになります。
塗料選びを間違えると健康被害のリスクも
室内塗装で使用する塗料は「低VOC(揮発性有機化合物)」「水性塗料」など、健康面に配慮されたものを選ぶ必要があります。誤って屋外用塗料やシンナー臭の強いものを選んでしまうと、頭痛や喉の痛みなど健康被害につながるリスクもあるため、知識がないままの塗料選びは危険です。
天井塗装などは重労働
特に天井面への塗装は、腕を上げ続けるため非常に疲れやすく、ムラが出やすい難所となります。また、天井塗料が顔や体に落ちてきやすいため、慣れていない方には精神的・肉体的にかなりの負担になることを覚悟する必要があります。
結果的に二重コストになるケースも
DIYで失敗した場合、「結局業者に依頼し直す羽目になった」というケースも多く見られます。一度塗った塗料を剥がしたり、下地からやり直す工事が必要となると、結果的に最初からプロに任せた方が安上がりだった…ということにもなりかねません。
DIY成功のカギは「丁寧な準備と無理をしない範囲の見極め」
DIYで満足な仕上がりを得るためには、以下の3点が特に重要です。
- 下地処理・養生を丁寧に行う
- 塗料選びは室内用・低VOCにこだわる
- 小さな範囲から始め、無理をしない
「塗る作業」よりも、下準備が仕上がりを左右することを理解し、手間を惜しまないことがDIY成功の近道です。
DIYに必要な道具と材料・作業の流れ
室内塗装をDIYで行う際には、事前準備が仕上がりの良し悪しを大きく左右します。必要な道具を揃え、正しい手順を踏んで作業することで、プロに近い仕上がりも目指せます。
ここでは、DIY塗装に必要な道具・材料と、その作業手順をわかりやすくご紹介します。
必要な道具・材料
水性塗料(低VOC・室内専用)
室内塗装では、シンナー臭が少なく安全性の高い水性塗料を選ぶのが基本です。特に低VOC(揮発性有機化合物)タイプを選ぶことで、室内の空気汚染や健康被害を防げます。 透湿性が高く、カビが発生しにくい塗料を選ぶのもポイントです。
シーラー(下地用)
シーラーは、塗料の密着力を高め、色ムラや剥がれを防ぐために欠かせない下地材です。古い壁紙や吸い込みの激しい壁面には特に重要で、シーラーを省くと、塗料が定着せずに早期剥がれを起こすリスクが高まります。
養生テープ・マスカー
塗装しない部分を保護するための養生テープやマスカー(養生シート付きテープ)は必須です。床や窓枠、巾木、コンセント周りなど、塗料の飛散やはみ出しが心配な部分は丁寧に養生しておきましょう。養生作業の丁寧さが、そのまま仕上がりの美しさに直結します。
ローラー・刷毛・塗料トレイ
広範囲を塗るためにはローラーが便利です。一方、細かい部分や隅などは刷毛を使って塗り分ける必要があります。塗料トレイも併せて準備し、作業効率を高めましょう。ローラーは毛足の短い「スモールローラー」が室内壁には扱いやすいです。
サンドペーパー・パテ(下地補修用)
壁面に傷や凹凸がある場合は、事前にパテ埋めやサンドペーパーで平滑に仕上げておく必要があります。この下地処理を怠ると、塗装後に凹凸が目立ち、仕上がりが雑に見えてしまいます。
脚立・カッター・雑巾
高い場所への塗装や養生作業には脚立が必要です。また、養生テープの切断にはカッターを、作業中の飛び散りや汚れを拭き取るために雑巾も用意しておくと安心です。
DIY作業の流れ
1. 家具の移動・養生
まずは、塗装する部屋の家具や家電を動かし、塗料が飛び散らないようにビニールシートなどでしっかり養生します。動かせない家具はマスカーやブルーシートで覆い、床にも必ず養生シートを敷きましょう。この養生作業を丁寧に行うことが、後悔しないDIY塗装の第一歩です。
2. 壁面の汚れ落とし・下地補修
壁面に付着したホコリや油汚れは、塗料の密着を阻害するため、必ず事前に拭き取ります。カビが生えている場合はカビ取り剤で除去し、凹凸や穴があればパテで埋めておきます。乾燥後、サンドペーパーで表面を滑らかに仕上げることで、塗装面が美しく整います。
3. シーラー(下塗り)塗布
下地が整ったら、シーラーを全体に塗布します。これは、上塗り塗料の定着を助け、ムラを防ぐために重要な工程です。 シーラーは吸い込みの激しい下地ほどしっかり塗り込む必要があり、乾燥時間も守ることが大切です。
4. 上塗り塗装(2回塗りが基本)
いよいよ本塗装です。ローラーを使って広範囲を塗り、細かい部分や端部は刷毛で丁寧に仕上げていきます。一度塗りだけではムラが出やすいため、最低でも2回塗りを行うのが基本です。2回目の塗装は、1回目が完全に乾いてから行うことで、発色や耐久性がぐっと向上します。
5. 乾燥・養生撤去・清掃
塗料が乾燥したら、養生を慎重に剥がし、最後に清掃をして完了です。養生を剥がす際に、塗料が引っ張られないようにカッターで切り込みを入れると綺麗に仕上がります。
室内塗装を業者に頼む場合のメリット・デメリット
室内塗装を自分で行うのか、業者に依頼するのか。判断に迷った際には、「仕上がりの質」「安全性」「コスト」など、複数の観点から比較することが大切です。
ここでは、業者に依頼する場合のメリット・デメリットを詳しく解説し、どんな方に向いているかを考えてみましょう。
業者に依頼するメリット
ムラのない美しい仕上がり
プロの職人が行う塗装は、やはり仕上がりの美しさが格段に違います。壁全体を均一な厚みで塗り重ね、隅々まで丁寧に仕上げてくれるため、DIYでは出せない高級感のある仕上がりが期待できます。
特に広いリビングや吹き抜け部分などは、ムラや塗り残しが目立ちやすいため、プロの技術が活きる部分です。
壁紙剥がしや下地処理もお任せできる
室内塗装の質は、「塗る前の下地処理」によって大きく左右されます。業者に依頼すれば、古い壁紙の剥がし作業や、ひび割れ・穴埋めなどの下地補修も一括で対応してくれるため、自分でやる手間や失敗リスクを減らせます。
塗料の臭いや健康被害(VOC)への配慮も万全
塗料にはVOC(揮発性有機化合物)と呼ばれる人体に有害な物質が含まれるものもありますが、プロの業者であれば安全性の高い塗料選びや、適切な換気対策をしっかり行ってくれます。 特に小さなお子様やペットがいる家庭では、専門知識を持った業者に任せることで、健康リスクを最小限に抑えることができます。
養生から後片付けまで全てプロが対応
塗装作業は「養生・下準備」が一番手間がかかる部分ですが、業者に依頼すれば床・家具・巾木などへの養生から、作業後の清掃・片付けまで全てお任せできます。
DIYでは時間も手間もかかる部分を、プロの手際で素早く、しかも確実に対応してくれる点は大きな魅力です。
施工後のアフターサポートも安心
信頼できる業者であれば、施工後のアフターサービスや保証制度も整っています。「塗装後すぐに剥がれてしまった」「施工箇所に不具合があった」という場合でも、無償で手直し対応してくれるなど、施工後も安心感が続きます。
業者に依頼するデメリット
DIYに比べ費用は高くなる
当然ですが、業者に依頼するとその分の施工費用がかかります。
6畳程度の部屋でも、5万〜15万円程度の費用が目安となり、DIYで塗料や道具を揃えるよりも高額になります。
「安く済ませたい」「できる限り出費を抑えたい」という場合には、DIYの方がコスト面でのメリットは大きいでしょう。
工事日程の調整が必要
業者に依頼する場合、自分のスケジュールだけではなく、業者側の作業スケジュールとも調整を取る必要があります。
「急ぎで今すぐ塗り替えたい」という場合には、希望通りのタイミングで工事ができない可能性もあります。特に繁忙期(春〜夏)は業者の予約が埋まりやすいため、早めの相談が必要です。
業者選びを間違えると失敗するリスクも
塗装業者にもピンからキリまであり、中には手抜き工事や不明瞭な見積もりを提示する悪質業者も存在します。
業者選びを間違えると、「高いお金を払ったのに仕上がりに満足できない」「アフターサービスがなかった」などのトラブルに繋がる恐れがあります。
業者選びの際は、施工実績や口コミ評価をしっかり確認し、複数社から見積もりを取るなど慎重に判断することが重要です。
どちらを選ぶべきか?自分に合った選択を
室内塗装は、仕上がりや耐久性・安全性を重視するならば業者に依頼するのが確実です。一方で、「楽しみながら部屋の雰囲気を変えたい」「少しでもコストを抑えたい」という場合には、DIYという選択肢も有効です。
ただし、DIYを選ぶ場合でも無理は禁物。最初は狭い範囲から挑戦し、「広範囲や高所作業、下地補修が必要な箇所は業者に任せる」という使い分けもおすすめです。
室内塗装を業者に頼む場合の費用相場
施工内容 | 費用相場 |
---|---|
壁塗装(1㎡あたり) | 1,500円〜3,000円 |
6畳の部屋(20〜30㎡程度) | 5万〜10万円 |
天井塗装 | +2〜5万円 |
壁紙剥がし・下地補修 | +数万円(劣化状況による) |
費用に差が出る要因としては、「塗料のグレード」「下地処理の有無」「面積と作業難易度」が大きく関わります。
見積もりを取る際は「内訳の明細がしっかり記載されているか」を必ず確認しましょう。
業者選びで失敗しないためのチェックポイント
室内塗装を業者に依頼する際は、ただ「近くの業者に頼む」だけでは失敗するリスクもあります。以下のポイントを必ずチェックし、信頼できる業者を見極めましょう。
室内塗装の実績が豊富か?
外壁塗装がメインの業者の場合、室内塗装の施工実績が少ないこともあります。「室内塗装専門の事例」や「施工写真」を確認することが大切です。
使う塗料(健康被害に配慮したもの)を説明してくれるか?
室内塗装では、塗料に含まれるVOC(揮発性有機化合物)による健康リスクも考慮しなければなりません。
信頼できる業者なら、「低VOC塗料を使っています」「この塗料は小さなお子様がいても安心です」といった説明を丁寧にしてくれるはずです。
見積書に「一式」表記がなく、明細が明確か?
見積書で「一式」ばかりが並ぶ場合は要注意です。
各工程ごとに「数量×単価」で細かく明記され、材料費・施工費・養生費などが分かる形になっている業者の方が、後からの追加費用トラブルを避けられます。
口コミや施工事例があるか?
Googleレビューや専門サイトの口コミ、公式サイトに掲載されている施工事例などもチェックしましょう。実際の利用者の声や、施工前後のビフォーアフターを見ることで、業者の仕事ぶりや信頼性がよく分かります。
アフターサポートや保証があるか?
施工後の不具合や剥がれ、色ムラが発生した際に「無償で手直し対応」してくれる保証制度があるかどうかも重要です。しっかりとしたアフターサービス体制が整っている業者を選ぶことで、施工後も安心して過ごせます。
カラーシミュレーションができるか?
室内塗装は色選びが非常に重要です。塗料サンプルやカラーシミュレーションを使って、事前に仕上がりイメージを提案してくれる業者であれば、完成後の「イメージと違った…」という後悔を防ぐことができます。
まとめ
室内塗装は確かにDIYでも挑戦できる作業です。ただ、ご自身の技術レベルや「どこまで仕上がりにこだわりたいか」によって、DIYと業者依頼の向き不向きが分かれてきます。コストを抑えながら作業を楽しみたい方はDIYが良いでしょう。一方で、美しい仕上がりや長期間の耐久性、そして健康面への配慮を大切にされる方には、専門業者への依頼をお勧めします。判断に迷われた場合は、まずは専門業者に相談して、アドバイスを受けてみるのも良い方法です。
「ペイントGO」では、お客様に安心してご利用いただけるよう、室内塗装に実績のある信頼性の高い優良業者を厳選してご紹介しております。施工事例や費用相場も確認できますので、後悔のない業者選びをされたい方は、ぜひ一度ご覧ください。