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防塵塗装(塗り床)とは、ホコリの飛散を防ぐ塗装
粉塵塗装とは、コンクリートなどの床面からホコリが舞い散るのを防ぐ塗装のことです。主に倉庫や製造工場など粉塵が発生しやすい場所に施工される塗料です。防塵塗装は塗り床ともいいますが、建物の外壁に使われることもあり防塵の役割だけでなく、傷が付きにくくする役割もあります。
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防塵塗装(塗り床)が使用される場所
防塵塗装(塗り床)は、わずかなホコリでも品質に影響を及ぼす粉塵対策を必要とする場所に多く採用されています。
主な場所としては、食品系や精密機器の製造工場、倉庫、病院、学校、オフィスなどです。また、駐車場や一般道路、建物の外壁などにも使用され、幅広い場所で活躍しています。
とくに、駐車場や道路などは車の出入りが多い場所です。重量のある車でも出し入れする際も塗膜が剥がれないよう強靭な塗膜、耐摩耗性を必要とします。
粉塵塗料(塗り床)の種類
粉塵塗料(塗り床)の種類は以下の3つに分けられます。
- エポキシ樹脂
- ウレタン樹脂
- アクリル樹脂
それぞれ解説します。
エポキシ樹脂
粉塵塗料(塗り床)の中で安価に施工でき、よく使用されているのがエポキシ樹脂です。エポキシ樹脂はコンクリートの約5倍もの耐摩耗性を持ち、フォークリフトなどの重機にも耐えられる衝撃性を兼ね備えた塗料です。
安価ながら、耐薬品性や耐油性にも優れ、工場や病院など幅広い場所で採用されています。ただし、耐熱性が60℃までしかない耐熱仕様ではない塗料もあるため、高温を扱う施設では向かない場合もあるため注意が必要です。
また、湿度が60%を超える環境下や気温が0℃以下の場所では使用できないため、併せて注意が必要です。
ウレタン樹脂
ウレタン樹脂はエポキシ樹脂よりも高価ですが、強度が高く、耐久性や衝撃に強い特徴があります。加えて、耐熱性に優れています。
ウレタン樹脂は弾力性があるため、ひび割れが起きにくい塗料です。重機の移動や、重量のある作業機器の設置にも耐えられる強さを持っているため、印刷工場や薬品工場、食品工場などで採用が多い塗料です。
ただし、ウレタン樹脂は汚れやすく、下地処理が不十分だと剥がれやすいデメリットがあります。
アクリル樹脂
アクリル樹脂はもっとも高価で、一番性能が高い塗料です。耐久性についてはエポキシ樹脂の約5倍あると言われ、とくに摩擦や絶縁、薬品に強い特徴があります。
アクリル樹脂は施工性にも優れており、施工から1時間程度で硬化するため施工当日から使用することも可能です。デメリットは、傷がつきやすいことや高温下では膨れが起きやすいことです。
アクリル樹脂は病院の手術室や薬品工場、精密機器を扱うクリーンルームや食品関係の工場でよく使用されています。
防塵塗装(塗り床)のメリット
防塵塗装(塗り床)のメリットは以下の6つです。
- 掃除が楽になる
- ホコリの混入を防げる
- 床が長持ちする
- 塗り分けが可能
- 乾燥が早い
- 安全性が向上する
それぞれ解説します。
掃除が楽になる
防塵塗装することで、床に塵が溜まりにくくなります。防塵塗装はツルツルとした手触りになり、軽く拭き取ることができるので清掃が楽になります。
ホコリの混入を防げる
防塵塗装することで、ホコリの混入を防げます。特に食品関係や薬品関係の倉庫や工場の場合、品質管理をするうえでホコリは天敵です。食品製造工場や薬品工場では必須の塗装といえます。
床が長持ちする
塵が蓄積すると床を削ってしまい、劣化が早くなってしまいます。防塵塗料は塵が舞い散るのを防ぐ塗料です。塵を抑制する効果によって、床が長持ちし、ひび割れなどの劣化を防ぎ長持ちします。
塗り分けが可能
防塵塗装は同じエリアで塗り分けが可能です。作業ごとにエリアを明確に分けることができます。色による視覚効果はひと目で分かるため作業性の向上につながります。
乾燥が早い
防塵塗料は短時間で乾燥します。乾燥工程が短時間で終わると工期自体も短くできるので、費用の節約にもなります。
安全性が向上する
防塵塗装(塗り床)は、滑り止め効果が期待できます。倉庫や工場などは床がコンクリートになっていることが多く、ホコリで滑って転倒すると大怪我をするリスクがあります。転倒は倉庫や工場などでもっとも多い労災事故の一つです。
防塵塗装(塗り床)のデメリット
防塵塗装(塗り床)のデメリットは以下の2つです。
- 塗装に手間がかかる
- 使用できる色が限られる
それぞれ解説します。
塗装に手間がかかる
防塵塗装は塗り分けは可能ですが、一度塗装した上から重ね塗りはできません。新しく塗装する際は、既存の塗料を一度すべて撤去してから塗り直す必要があるため、手間がかかるのがデメリットです。
使用できる色が限られる
防塵塗装は使用できる色が限られています。グリーンやグレーなどが中心となり、赤やオレンジなど明るめの色はありません。特注で色をつくることは可能ですが、費用が割高になってしまいます。
防塵塗装(塗り床)の費用相場と工事期間
ここでは、防塵塗装(塗り床)の費用相場と工事期間について解説します。
防塵塗装の費用相場と工事期間は以下のとおりです。
エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は塗膜の厚さによって費用は異なります。0.2〜0.3mmの薄膜と0.8〜6mmの厚膜があり、費用相場は1平方メートルあたり4,000〜13,300円となっています。
薄膜は費用が安く工期も短くできますが、その分耐久性は劣ります。摩耗性や衝撃性を重視したい箇所、そうでない箇所と塗り分けて費用を抑えるのがおすすめです。
ウレタン樹脂
ウレタン樹脂の費用相場は、1平方メートルあたり4,000〜17,000円程度です。ウレタン樹脂は下地処理の出来に左右されますが、耐衝撃性や耐熱・耐薬品性に優れ、ほかのエポキシ樹脂やアクリル樹脂に比べてコストパフォーマンスに優れています。
アクリル樹脂
アクリル樹脂の費用相場は1平方メートルあたり8,000〜22,000円です。ほかの2種類に比べてコストパフォーマンスは悪いですが、耐久性がエポキシ樹脂の5倍、厚みがあるにもかかわらず乾燥時間が1時間程度などなど、機能性や作業性に優れています。
工事期間
防塵塗装(塗り床)の工事期間は1〜3日程度です。重量のある機器などを載せなければ4〜6時間程度で歩ける程度には硬化します。重い重機などを載せない、すぐに使用したいと考えている場合は、アクリル樹脂がおすすめです。
防塵塗装(塗り床)を施工するうえでの注意点
防塵塗装(塗り床)を施工するうえでの注意点は以下のとおりです。
- 防塵塗装(塗り床)の現場調査をしっかり行う業者へ依頼する
- 下地処理は丁寧に行う
- 換気に気をつける
- 工事期間の調整ができる柔軟性を持ち合わせた業者か
- 倉庫や工場の防塵塗装の施工実績がある業者に依頼する
それぞれ解説します。
防塵塗装(塗り床)の現場調査をしっかり行う業者へ依頼する
防塵塗装(塗り床)を長持ちさせて、安全に作業を行ってもらうためには現場調査が非常に重要です。現場調査をしっかりと行わないとすぐに剥がれてしまったり、現場作業員の事故につながる危険性もあります。
現場調査は、油汚れなど現在の床の状態やコンクリートの下地の状態などの確認が必要です。工場や倉庫内での防塵状況、重量物の配置状況、重機の稼働状況、薬品の保管状況など使用環境の把握が重要です。
上記の状況を踏まえて最適な防塵塗料を提案してもらうことで、防塵塗装工事の成功につながります。
下地処理は丁寧に行う
防塵塗装に関わらず、塗装工事を行ううえで下地処理はとても重要です。下地処理を怠ると塗料が密着せず、すぐに剥がれるなどの不具合を起こします。
床の油汚れなどの除去、コンクリートの下地づくりなど塗装工程よりも重要といっても過言ではありません。下地をしっかりつくることで長期間ホコリを防ぎ、強い防塵塗装(塗り床)が期待できます。
換気に気をつける
溶剤系の防塵塗料は油性のため、シンナーを使い溶かします。換気をしっかりと行わないとめまいや頭痛を引き起こすことがあります。
塗装場所の換気は十分に行い、送風機などで強制的に空気を循環してもらうなど、換気対策をしっかりとしてもらうようにしましょう。
工事期間の調整ができる柔軟性を持ち合わせた業者か
防塵塗装の工期は1〜3日程度です。アクリル樹脂塗料の場合は1時間程度で乾燥します。しかし、作業範囲が広くなればなるほど工期を要します。
作業時間に影響がある場合は、休日や夜間作業にしてもらうなど、工事時間を柔軟に対応してもらえる業者を選ぶようにしましょう。
倉庫や工場の防塵塗装の施工実績がある業者に依頼する
防塵塗装が施工できる場所は、製造工場や倉庫、病院、学校、オフィス、駐車場などさまざまです。その場所ごとに下地の状態や環境などが異なります。
作業環境によって耐油性や耐薬品性など、求められる条件も異なります。それぞれの環境下において最適な塗料を選ばないと防塵塗料の耐久性に大きく影響します。各条件に合う最適な塗料を提案してくれる業者を選ぶようにしましょう。
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まとめ
今回は、防塵塗装(「塗り床」ともいいます)のメリットやデメリット、費用相場について解説しました。
防塵塗装とは、ホコリや塵の飛散を防ぐ塗塗装です。食品製造工場や薬品工場など品質管理に影響を及ぼす恐れがある場所で使用されています。
防塵塗装をするメリットは以下のとおりです。
- 掃除が楽になる
- ホコリの混入を防げる
- 床が長持ちする
- 塗り分けが可能
- 乾燥が早い
- 安全性が向上する
また、防塵塗装のデメリットは以下です。
- 塗装に手間がかかる
- 使用できる色が限られる
防塵塗装を長持ちさせ、安全に作業をしてもらうためには現場の防塵の状況や下地のコンクリートの状態、汚れの状況など詳細に使用環境の調査が必要です。調査が不十分だと間違った塗料を使用されたり、すぐに剥がれたりといった不具合を招く恐れがあります。
また、防塵塗料は下地処理の出来が仕上がりに大きく影響します。塗り替えの場合は、重ね塗りができないため、一度すべて撤去してから再度塗装する必要があります。
防塵塗装工事を成功させるためには、防塵塗装の施工実績が豊富な業者へ依頼することが大切です。防塵塗装の施工実績が豊富な業者を探すなら「ペイントGO」がおすすめです。
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