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断熱塗料と遮熱塗料の違いとは?
外壁塗装や屋根塗装を検討していると、「遮熱塗料」と「断熱塗料」という言葉を目にすることがあるでしょう。
どちらも“温熱環境を快適に保つための塗料”という点では共通していますが、働き方(作用の仕組み)には大きな違いがあります。
遮熱塗料は、太陽光のうち熱の大部分を占める近赤外線を反射することで、外壁や屋根が熱を吸収するのを防ぐタイプの塗料です。
その結果、表面温度の上昇を抑えることができ、屋内に熱が伝わる量を減らす効果があります。
一方、断熱塗料は塗膜に含まれる中空バルーン(空気の層)やセラミック微粒子などの構造によって、熱の移動を妨げる性能を持っています。
外からの熱を室内に伝えにくくし、同時に室内の暖かさを外へ逃がしにくくするため、夏は涼しく、冬は暖かくという断熱効果が期待できるのです。
つまり、「外壁や屋根自体を熱くさせないように働く」のが遮熱塗料、「外部と内部の熱の出入りを遮断するように働く」のが断熱塗料というわけです。
機能イメージでわかる!両者の違い
それぞれの塗料の特徴を、身近なものでイメージすると理解しやすくなります。
遮熱塗料は日傘のような存在
- 太陽光を反射し、直射日光の熱から表面を守る
- 表面温度を抑えることに特化している
断熱塗料は魔法瓶のような存在
- 熱を通しにくい層を形成し、内部の温度変化を抑える
- 冷暖房効率の向上や省エネ効果が期待できる
このように、どちらも「快適な室温を保つ」というゴールは同じでも、そのアプローチはまったく異なるのです。
どちらが優れている?ではなく目的に合っているかが大切
「結局どちらが良いのか?」と悩まれる方も多いですが、遮熱と断熱は“性能の高さ”ではなく用途や目的の違いで選ぶものです。
たとえば、真夏の屋根表面の温度上昇が厳しい地域では遮熱塗料が有効ですし、寒暖差が大きい地域や1年中室内温度を一定に保ちたい場合には断熱塗料の方が適しています。
最近では、両者の機能をあわせ持つ「遮熱+断熱」のハイブリッド塗料も登場していますが、費用は高めになる傾向があります。
そのため、立地・気候・家の断熱性能・予算などを総合的に考え、適切な塗料を選ぶことが重要なのです。
遮熱塗料の特徴と効果
遮熱塗料は、太陽光に含まれる熱エネルギー(近赤外線)を効率よく反射する性能を持つ機能性塗料です。
太陽が照りつける屋根や外壁は、夏場になると非常に高温になり、住宅の中まで熱が伝わってしまいます。
とくに屋根表面では、黒や濃い色の屋根材で70〜80℃近くに達することもあると言われています。
しかし遮熱塗料を使えば、この表面温度を10℃〜20℃程度低下させることが可能です。
これは、屋内への熱の侵入量を大きく軽減することにつながり、冷房効率の向上・省エネ・CO₂排出削減といった環境面での効果も期待できるのです。
遮熱塗料の主なメリット
遮熱塗料を選ぶことで、次のような利点が得られます。
冷房負荷の軽減により、電気代の節約につながる
室温の上昇を抑えることで、エアコンの稼働時間が短くなり、結果的に月々の光熱費が下がる効果が期待できます。
屋根材や外壁材の温度ストレスが減少し、劣化を抑制
材料の熱膨張と収縮によるひび割れや塗膜の劣化スピードを遅らせるため、長期的なメンテナンスコストの削減にも貢献します。
軽量な塗膜で施工性が良く、塗り替えしやすい
遮熱塗料の多くは比較的塗膜が薄く、既存の外壁や屋根への負担が少ないため、幅広い住宅で採用しやすいのも特徴です。
遮熱塗料のデメリットと注意点
一方で、遮熱塗料にはいくつかの制約や限界もあるため、あらかじめ理解しておくことが大切です。
冬場の保温効果は期待できない
遮熱塗料はあくまで「熱を反射する」機能に特化しているため、冬は室内の熱が外へ逃げるのを防ぐ機能はほとんどありません。寒冷地には不向きとされる場合もあります。
色によって効果に差が出やすい
遮熱効果は、白や薄いグレー、ベージュなどの明るい色ほど高く、黒や濃色系では効果が薄れる傾向にあります。意匠性を優先する場合、選べる色に限りがある可能性も。
日射の当たらない北側や高層階の壁面には効果が出にくい
遮熱性能は日光を反射して効果を発揮するため、日陰になる箇所ではそもそも性能を活かしきれないこともあるのです。
断熱塗料の特徴と効果
断熱塗料とは、熱伝導を抑えることに特化した機能性塗料です。
塗膜に含まれる中空ビーズやセラミック微粒子が、熱の伝わりを防ぐバリアのような役割を果たします。
この構造により、外気の熱が建物内部に伝わりにくくなるだけでなく、室内の暖かさも外へ逃げにくくなるのです。
つまり、断熱塗料は夏と冬の両方で快適さを保ってくれる、オールシーズン型の高性能塗料なのです。
断熱塗料のメリット
断熱塗料の代表的なメリットには、以下のようなポイントがあります。
夏は太陽の熱が室内に伝わりにくく、涼しさをキープ
遮熱機能とあわせて、室内への熱侵入を多層的に防げるため、冷房の効きがよくなります。
冬は暖房の熱を逃がさず、暖かさを維持しやすい
外壁や屋根からの放熱を抑える効果があるため、暖房コストの削減にもつながるのです。
断熱材の補助的役割として、内外からの温度変化を緩和
建物そのものの断熱性能を底上げする働きがあるため、築年数が経った家でも快適性をアップできます。
結露の抑制効果も期待できる
壁の温度差が小さくなるため、室内側の結露リスクが減り、カビやクロスの傷みの予防にもつながります。
断熱塗料のデメリットと注意点
一方で、断熱塗料には以下のような短所や注意点もあります。
塗料の価格・施工費用が遮熱塗料よりも高め
材料コストが高いことや、塗膜が厚くなりがちな施工性の違いから、全体として費用がやや割高になる傾向があります。
塗膜が厚く、下地の状態に左右されやすい
古い外壁や劣化した面に塗布する場合は、しっかりとした下地処理が必要不可欠です。
施工不良があると、断熱性能だけでなく耐久性にも悪影響を及ぼす可能性があります。
表面温度の即効性では遮熱塗料に劣る
遮熱塗料のように「屋根の温度が10℃下がる」ような劇的な効果は感じにくく、体感温度やエネルギー効率でじわじわと差が出るタイプの塗料です。

どちらを選べばよい?比較と選び方のポイント
断熱と遮熱の違いから選ぶ
両者の主な違いは「作用の仕方」です。
遮熱塗料は太陽光を反射して外壁を熱くしないことに特化しており、断熱塗料は熱そのものを通しにくくする役割を担います。
遮熱塗料は「表面温度の上昇を防ぐ」
断熱塗料は「外気温の影響を室内に伝えにくくする」
この違いを理解したうえで、環境や目的に合わせて選ぶのがポイントです。
立地や建物の特徴で選ぶなら
遮熱塗料が向いているケース
- 強い日差しが直接当たる屋根・壁
- 真夏の室温上昇が気になる地域(関東〜西日本)
- 冷房費を下げたい住宅・施設
断熱塗料が向いているケース
- 冬の寒さも厳しい地域(東北・北海道)
- 一年中快適な室内温度を維持したい
- 築年数が長く、外壁材の劣化が気になる
外壁塗装に導入する際の注意点
下地処理や適正塗装が必要不可欠
機能性塗料は、ただ塗るだけで効果を発揮するわけではありません。
とくに断熱塗料は塗膜が厚くなるため、下地にひび割れや浮きがあると密着不良や早期劣化につながることがあります。
また、遮熱塗料においては「塗装色」が仕上がりに大きく影響します。
黒や濃色では遮熱効果が下がるため、効果を重視するなら白〜淡色を選ぶことが前提です。
高機能だからこそ、実績ある業者選びが重要
断熱塗料や遮熱塗料の性能は確かですが、正しい施工方法を守らなければ本来の効果は得られません。
そのため、施工経験が豊富で、塗料の特性を理解している専門業者に依頼することが大切です。
遮熱・断熱塗料の代表的な製品例
※以下は代表的な製品例であり、各メーカーによって性能や耐久年数は異なります。
| 種類 | 製品名例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 遮熱塗料 | クールタイト(エスケー化研) | 高日射反射率で屋根向き |
| 遮熱塗料 | サーモアイ(日本ペイント) | カラーラインナップが豊富 |
| 断熱塗料 | ガイナ(日進産業) | 宇宙技術から生まれた高性能断熱塗料 |
| 断熱塗料 | キルコ(シンマテリアル) | 高断熱+低汚染性を備えた機能塗料 |
まとめ
断熱塗料と遮熱塗料は、どちらも室内の快適性を高め、省エネに貢献する機能性塗料ですが、その仕組みや効果には大きな違いがあります。
遮熱塗料は「太陽の熱を跳ね返す」ことで夏の暑さを軽減するのに優れており、屋根や日当たりの強い外壁に効果を発揮します。
一方、断熱塗料は「熱を通さない」構造で、夏だけでなく冬の保温効果も期待できる通年型の塗料なのです。
選び方のポイントは、地域の気候や家の構造、冷暖房の使用状況などに応じて、「何に一番悩んでいるか」「どんな効果を重視するか」を見極めること。
コストだけで判断せず、長期的な快適性と経済性のバランスで選ぶことが大切です。
どちらを選ぶか迷ったときは、経験豊富なプロに相談してみましょう。
ペイントGOでは、機能性塗料に詳しい塗装業者を多数ご紹介しています。
「我が家に最適な塗料はどっち?」という方は、ぜひペイントGOの掲載業者にお気軽にご相談ください。
Q&A
Q. 遮熱塗料と断熱塗料は一緒に使えますか?
A. はい、可能です。遮熱+断熱の両効果を備えたハイブリッド塗料もあります。ただし費用はやや高めになります。
Q. 遮熱塗料の効果は冬にもありますか?
A. 遮熱塗料は熱を「遮る」特性上、冬場は逆に室内の熱も逃げやすくなる可能性があります。冬も暖かく保ちたいなら断熱塗料が適しています。
Q. 断熱塗料は本当に電気代を下げられますか?
A. 冷暖房の効率が上がるため、電気代削減につながるケースも多いです。ただし、建物の断熱性能や家電使用状況によって差があります。
































