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ファイン4Fセラミックってどんな塗料?
「ファイン4Fセラミック」は、国内の大手塗料メーカー「日本ペイント」が製造・販売している塗料です。
分類としてはフッ素塗料に該当し、価格は高いものの、高耐久・高機能な塗料です。
2005年に販売されて以来、塗装業者やお客様からも高い評価を得ている実績あるフッ素塗料です。
実際、ペイントGOに登録している塗装業者でも使用している職人は多く、評価も高いです。
ファイン4Fセラミックにはどんな特徴があるのか、下記で順に見ていきましょう。
ファイン4Fセラミックの特徴について
まずは最大の特徴とも言える成分についてご紹介します。
ファイン4Fセラミックの分類名は「ターペン可溶2液超低汚染形4フッ化フッ素セラミック変性樹脂塗料」。
どういう意味でしょうか?一つずつわかりやすくご説明いたします。
ターペン可溶とは?
聞きなれない「ターペン可溶」とは、「弱溶剤系」の別称です。
塗料は、水性系・弱溶剤系・強溶剤系に分かれており、水性系はシンナー臭を発せず人体や環境に優しい塗料ですが、塗料の耐久性は溶剤系に劣ります。
現在では水性系の性能向上に各メーカーが努めた結果、耐久性のある水性系も多く発売されており、築年数10~20年程度の外壁には水性系が使用されることも一般的になりました。
強溶剤系は強いシンナー臭がしますが、耐久性は高く、橋梁やタワーなど再塗装が難しい箇所に用いられます。
弱溶剤系(ターペン可溶形塗料)は水性系と強溶剤系の二つの中間に位置し、水性塗料よりも高い耐久性を持ちます。
ちなみにターペンとは灯油に近い成分である石油炭化水素によって組成されたシンナーのことを指します。
「2液」とは?
塗料は、グレードに関係なく「1液」と「2液」の二種類があり、「1液」タイプは混ぜる必要がなくそのまま使用できる塗料を指します。
「2液」は硬化剤と混ぜ合わせることで使用できるタイプの塗料であることを意味します。
「2液」タイプは塗料缶を開けてそのまま使える「1液」と比較すると、硬化剤を入れて固まるまでの時間が難しいことや攪拌の具合など経験と知識が求められます。その分2液タイプは1液タイプよりも耐久性に優れ、より多くの素材に塗装可能です。
「超低汚染」とは?
こちらは読んで字のごとく、塗装した外壁や屋根が汚れに強いことを指します。
外壁や屋根には経年劣化によって雨じみや埃が付着して汚れてきますが、雨が降ると汚れと塗装面の隙間に雨が入り込んで汚れを洗い流す仕組みによって汚れを定着させないようになっています。
「4フッ化フッ素」とは?
それまでは3Fタイプと呼ばれる3フッ化フッ素樹脂が主流でした。
塗料の成分を最小の分子の集まり(単量体・モノマー)まで分解した際に、2つの炭素に対して3つのフッ素と一つの塩素が結合していますが、炭素と塩素原子の結合は紫外線に弱いという弱点がありました。
これを防ぐために改良を重ねて塩素の代わりにもう一つのフッ素原子と炭素原子を結合させることに成功し、炭素と結合するのは紫外線に強いフッ素のみという構造をもつ4フッ化フッ素が誕生しました。
画像出典:ファイン4Fセラミックパンフレット
「ファイン4Fセラミック」はこの4フッ化フッ素構造をもっているため紫外線に強い分子結合をもち、耐久性が向上しています。
「セラミック変性樹脂」
「ファイン4Fセラミック」はフッ素樹脂だけでなく、そこに無機系のセラミック変性樹脂を混ぜています。
つまりフッ素樹脂+無機系樹脂が含まれた塗料であり、無機は紫外線よる劣化に強いため、高い耐候性を実現しています。
耐用年数について
ファイン4Fセラミックの耐用年数は15年~20年とされています。
通常のフッ素塗料は、上記でもご紹介したように、フッ素・炭素・塩素にて構成されています。
このうち、炭素と塩素の結合が紫外線に弱く塗膜を劣化させる原因になっていました。
「ファイン4Fセラミック」は塩素ではなくすべてフッ素が炭素と結合し、さらにセラミックという無機成分も含むため通常のフッ素塗料よりも強い耐候性を持っています。
紫外線照射による促進耐候性試験でも紫外線への高い耐候性が実証されています。
様々な外壁材に対応
外壁材によってどんな塗料が向いているかということは重要であり、下地にふさわしくない塗料を塗装してしまうと劣化の原因にもなります。
ファイン4Fセラミックは、一般的なサイディング・モルタル・ALC・コンクリートといった外壁材の他に、アルミや鉄、ステンレスといった金属の他に、硬質塩化ビニール、FRPなどにも対応しており、幅広い外壁材に塗装が可能です。
フッ素塗料にも関わらず高い弾性
ファイン4Fセラミックは、「高弾性硬化剤」を使用した場合、高弾性適性が付与されます。
従来のフッ素塗料や無機を混ぜた塗料は弾性が低くなるのが一般的です。弾性の低い塗料は下地への追従性が低く、ひび割れが起こりやすいという欠点があります。
しかしファイン4Fセラミックに高弾性硬化剤を使用すれば、高い弾性をもつため、ひび割れにも追従し、クラックのあるような外壁にも塗装可能になります。
ファイン4Fセラミックの価格相場は?
ファイン4Fセラミック価格相場は、3,000円〜4,200円です(3回塗りの合計単価)。
シリコン塗料の費用相場は1,800~3,000円/m²、ラジカル制御型塗料の費用相場は2,000~3,000円/m²ですので、やはり耐久性が優れる分だけ1㎡あたりの単価も高くなっています。
従来フッ素塗料は高い耐久性の分、非常に高価な塗料でした。
そのため、橋梁やタワーなど再塗装を何度もするのが困難な大きな建築物でしか使用されていませんでした。
しかし、ファイン4Fセラミックは従来のフッ素塗料と比べて3割程度も安い価格で販売がスタートしました。
このことによってフッ素塗料が戸建ての外壁にも広く使用されるようになりました。フッ素塗料が戸建ての外壁塗装で選択肢になるようになった背景には、主にファイン4Fセラミックの影響があるといわれています。
ファイン4Fセラミックは、戸建て住宅用のフッ素塗料の代名詞とも言える存在なのです。
ファイン4Fセラミックの基本情報
メーカー 日本ペイント 塗料名 ファイン4Fセラミック 一般名称 ターペン可溶2液超低汚染形4フッ化フッ素セラミック変性樹脂塗料 単価 3,000〜4,200円 樹脂 フッ素樹脂 水性/溶剤 弱溶剤系 1液/2液 2液 期待耐用年数 15年~20年 素材 モルタル、コンクリート、ALC、サイディングボード、押出成形セメント板、けい酸カルシウム板、スレート、鉄、アルミ、溶融亜鉛めっき、クロメート処理亜鉛めっき、ステンレス、硬質塩ビ、FRP、PC板 適用下地 セメント素地(コンクリート・モルタル)、金属(鉄面・ステンレス・アルミ)硬質塩ビ、FRPなど JIS JIS A 6909、JIS K 5658、JIS K 5659 機能 高耐候性、低汚染、透湿性、ひび割れ追従性、防藻、防かび、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆ つや つや有り、7分つや有り、5分つや有り、3分つや有り
ペイントGOの塗装業者によるファイン4Fセラミックの評判
良い評判
- メンテナンスのトータルコストを考えればファイン4Fセラミックが一番だと思う
- 実際に使ったお客様からもちがいいと評判が良い
- 対応してる外壁材が多いのはありがたい
- 高耐久かつ高機能で、これまで不具合などが発生したことはありません
悪い評判
- お客様にはつや消しを希望の方もいるためつや消し選べたら良かったと思う
- 施工中はどうしても臭気が出るのでお客様に気を遣う
- シリコンに比べてやはり高額になるので気軽におすすめできない
ファイン4Fセラミックの施工実績
ファイン4Fセラミックを実際に使用した施工実績をご紹介いたします。
大阪府狭山市にて行った外壁塗装工事
今回のご依頼ですが、現状は雨漏りなど大きな被害は発生しておらず、定期的な塗り替えとして外壁塗装のご依頼をいただきました。
実際に、外壁は白いこともあり汚れや傷みが若干目立っていましたが、大きな劣化症状は出ていなかったため、非常に適切な塗り替えタイミングだと言えます。
今回、外壁用塗料には日本ペイントの「ファイン4Fセラミック」を使用しました。
元々は白い外壁のお住まいでしたが、落ち着いたブルーグレーの外観へと生まれ変わりました。
こちらの施工実績の詳細は下記をご覧ください。
藤沢市西富にて行った外壁塗装工事
藤沢市西富にて外壁塗装を行った様子をご紹介します。
こちらの現場では、ジョリパット部分の大きなひび割れが各所に見られました。
しっかりと補修してから塗装を行います。
ひび割れを補修を行った後に、下塗りの工程に入ります。弊社では下塗りを二回おこなって下地を安定させるこだわりの4度塗りを行っています。
下塗りの後に中塗りと上塗りで仕上げ塗料を二回塗って仕上げます。
仕上げ塗料は、お客様の長持ちする塗料を、とのご希望からファイン4Fセラミックをおすすめいたしました。
弊社は日本ペイントの特約正規代理店であるため、日本ペイントの塗料を優先的に仕入れることが可能です。
こちらが施工後の様子です。アクセント部分となるガルバリウム鋼板部分にもアクセント塗装を行いました。
こちらの施工実績の詳細は下記をご覧ください。
ファイン4Fセラミックの特徴や評判 まとめ
今回は、ペイントGOに登録している塗装業者の中でも評判が良いフッ素塗料「ファイン4Fセラミック」について解説してきました。
ファイン4Fセラミックはフッ素塗料でシリコン塗料やラジカル塗料と比べてグレードが高くなるため一回の塗装料金は割高になってしまいますが、その分塗り替えの階数を減らしてくれます。
もともとフッ素塗料が橋やタワーなど何度も塗り替えのできない場所に塗装されていたことを考慮すると、一度塗装すると次の塗装への期間が長くなり、トータルでのメンテンナンスコスト減らしてくれます。
幅広い外壁材に対応し、低汚染性によって外壁材でも長期にわたって美観を維持してくれますが、特にもともと外壁材そのものの耐用性の長いALCやコンクリートとの相性が良く、外壁材のパフォーマンスを最大限引き出してくれるでしょう。
2005年に発売されているためフッ素塗料としての実績も長く、信頼できるフッ素塗料です。
また塗装後の満足度も非常に高いのがこちらのファイン4Fセラミックです。
メンテナンスの回数を減らしたい、外壁にかけるトータルコストを抑えたいという方におすすめの塗料です。
外壁塗装にフッ素塗料の使用を検討されている方には、ぜひ候補に入れていただきたい塗料です。