目次
カウンター塗装とは?
カウンター塗装とは、キッチンカウンターや洗面カウンター、テーブル天板などの表面を塗装し直すことで、見た目を美しく整え、劣化を防ぐメンテナンス方法です。
以下のような症状が気になったら、塗装メンテナンスのタイミングです。
- 表面の色あせ・艶の消失
- 水染みや油染み
- 小傷・擦り傷が目立つ
- 塗膜の剥がれやめくれ
新しく交換するよりも費用を抑えながら、まるで新品のような見た目にリフレッシュできるのがカウンター塗装の魅力。最近では「DIYで挑戦する方」や「業者に頼んでトータルコーディネートする方」も増えてきています。
カウンター塗装はDIYでもできる?
「カウンターなら小さな面積だし、DIYでも簡単に塗れそう」と思う方は多いかもしれません。確かに、市販の塗料や道具を使ってDIYでカウンター塗装を行うことは可能です。しかし、素材の種類や現在の劣化状況によって、DIY向きのケースとプロに依頼した方が良いケースが明確に分かれます。
特に、カウンターは日常的に手が触れる場所であり、水や油、摩擦といったダメージを受けやすい環境です。仕上がりの美しさや耐久性にこだわるなら、慎重に判断する必要があります。
DIYが向いているケース
以下のような場合であれば、DIYでも比較的簡単にカウンター塗装にチャレンジできます。
小さなカウンターやテーブル天板
玄関カウンターや小型のカフェテーブルなど、面積が狭く、作業しやすい高さにあるものはDIYに適しています。作業量が少ないため、初心者でも取り組みやすいです。
部分的な剥がれや小傷を補修したい場合
全面塗装ではなく、部分的な補修が目的ならDIYでも十分対応できます。小さなキズや剥がれを補修して塗装することで、見た目の改善が期待できます。
木製カウンター(無垢材・集成材)で、過去に塗装経験がある方
木製カウンターは、DIYでの塗装が比較的しやすい素材です。特に無垢材や集成材は塗料の乗りが良く、塗装の知識があればDIYでもきれいに仕上げることができます。
DIYが難しいケース
一方で、次のようなケースはDIYで対応するのが難しく、失敗のリスクが高まります。
キッチンなど水回りで防水性が必要な場合
キッチンカウンターや洗面カウンターなど、水濡れが頻繁に起こる場所では、塗装後の耐水性が非常に重要です。DIYでは下地処理や塗料の選定が不十分になりがちで、せっかく塗装しても短期間で剥がれやシミが発生するリスクがあります。
広範囲の塗装(カウンター全面塗り替え)
L型やアイランド型のキッチンカウンターなど、広い面積を塗装する場合はDIYだと作業時間がかかり、ムラや塗り残しが出やすくなります。塗料が乾燥する前に全体を均一に仕上げるための技術とスピードが必要になります。
メラミン化粧板・人工大理石など特殊素材の場合
これらの素材は表面が非常に硬く、一般的な塗料では密着しにくい性質があります。DIYで塗装する場合は専用のプライマー(密着剤)や特殊塗料が必要になり、知識がないまま作業するとすぐに剥がれてしまうこともあります。
下地が傷んでいて補修が必要な場合
表面だけでなく、カウンターの下地が腐食していたり、反り・浮きが発生している場合はDIYでは対処できません。補修技術が必要なため、プロの手を借りるのが賢明です。
特に水回りにあるカウンターは、目に見えない「内部の劣化」も考慮しなければなりません。表面だけきれいにしても、下地の状態が悪ければすぐに剥がれてしまいます。そのため、DIYで対応する場合は、小さな範囲や軽度の補修に限定するのが無難です。
DIYでカウンター塗装するメリット・デメリット
DIYのメリット
費用が抑えられる
業者に依頼すると5万円〜10万円程度かかることが多いカウンター塗装も、DIYなら材料費だけで数千円〜1万円程度で抑えることができます。予算に限りがある方や、手軽にリフレッシュしたい方には大きなメリットです。
好きなデザイン・カラーに挑戦できる
自分好みの色を自由に選べるのもDIYの魅力。既製品にはないニュアンスカラーやエイジング塗装など、個性的なデザインを楽しむことができます。
自分のペースで作業できる
業者に依頼するとスケジュール調整が必要ですが、DIYなら休日や空き時間を使ってマイペースに進められます。「楽しみながらリフォームしたい」という方にとって、DIYはやりがいのある作業です。
DIYのデメリット・リスク
塗装の剥がれ・ムラ・塗り残しが起きやすい
特に天板は摩擦や水濡れの影響を受けやすいため、塗料の厚みや塗りムラに注意しないと、仕上がりに大きな差が出ます。プロのような均一な塗膜に仕上げるのは難易度が高いと言えるでしょう。
塗料選びを間違えると水染みや傷が付きやすくなる
室内用の塗料や安価な塗料を選んでしまうと、防水性や耐久性が不足し、すぐに水染みができたり剥がれてしまうリスクがあります。用途に適した塗料選びはDIYでも最重要ポイントです。
下地処理が不十分だと塗料が密着せず、すぐに劣化
塗装前の下地処理(研磨・脱脂・清掃)が甘いと、どんな高級塗料を使ってもすぐに剥がれてしまいます。実はこの下地処理がDIY最大のハードルであり、面倒な作業でもあります。
乾燥時間・作業時間が長く、生活への影響が出ることも
カウンターは日常的に使う場所なので、乾燥中は使えなくなります。特にキッチンの場合、乾燥時間が数日かかると家事動線に支障が出ることもあります。
DIYに必要な道具と塗装手順
カウンター塗装をDIYで行う場合、使用する塗料や道具選びが仕上がりに大きく影響します。特に、カウンターはキッチンやリビングなど生活空間の中心にあるため、塗装が剥がれたりムラができると目立ってしまいます。事前にしっかり準備をして、失敗しないための段取りを押さえておきましょう。
必要な道具・材料
サンドペーパー・サンダー(下地研磨用)
表面の古い塗膜や細かいキズを整えるために必須です。面積が広い場合は電動サンダーがあると作業効率が上がります。
中性洗剤・脱脂剤(油分・汚れ除去用)
塗装前の脱脂作業は非常に重要です。カウンターには料理や手の油分が付着しているため、丁寧に拭き上げることで塗料の密着性が大きく変わります。
養生テープ・マスカー(保護用)
壁面や床、シンク周りなど、塗料が付着しては困る部分をしっかり養生します。ここを怠ると、思わぬトラブルに繋がります。
ウレタン塗料・水性塗料(素材に適したもの)
木製カウンターなら水性ウレタン塗料がおすすめ。耐水性・耐久性に優れ、比較的扱いやすいです。メラミン素材の場合は専用の下塗り剤が必要です。
下塗り用プライマー(密着力アップ)
素材に合ったプライマーを使うことで、塗料の剥がれ防止につながります。特に非吸収性の素材(人工大理石や化粧板)はプライマーが必須です。
ハケ・ローラー・塗料トレイ
細かい部分はハケ、大きな面はローラーで塗り分けるとムラが出にくくなります。ローラーは目の細かいもの(スモールローラー)が向いています。
クリア塗装用のトップコート(耐久性UP)
最後にクリアコートで仕上げることで、艶感が出るだけでなく、防水性や耐摩耗性も向上します。
DIY塗装の流れ
カウンターの清掃・脱脂(油分・汚れ除去)
表面のホコリや油汚れを徹底的に除去します。中性洗剤で拭き取った後、脱脂剤で最終仕上げをするのがベストです。
表面を研磨し、古い塗膜を剥がす
サンドペーパー(#240〜#400程度)で全体を均一に研磨します。古い塗膜が残っていると、新しい塗料が剥がれやすくなるため、しっかり削り落としましょう。
養生をしっかり行う
周囲に塗料が飛ばないように、養生テープとマスカーで丁寧に保護します。ここを手抜きすると、作業後の掃除が大変になります。
下塗り(プライマー塗布)→ 乾燥
素材に適したプライマーを均一に塗布し、メーカー指定の乾燥時間を守ります。この工程が密着性を左右します。
上塗り(2回塗りが基本・乾燥時間をしっかり確保)
上塗りは2回が基本です。1回目が乾燥してから2回目を塗ることで、ムラのない綺麗な仕上がりになります。乾燥時間は塗料によりますが、数時間〜半日程度を目安に。
クリア塗装で仕上げ(耐久性・防水性を強化)
最後にトップコート(クリア塗装)を重ねて塗布します。艶感を出したい場合はグロス系、マットに仕上げたい場合はつや消しタイプを選びましょう。
養生撤去・乾燥・仕上がりチェック
塗料が完全に乾燥した後、養生を剥がして最終チェック。ムラや塗り残しがないか確認し、気になる箇所があればタッチアップ(部分塗り)で補修します。
乾燥時間をしっかり取ることが、剥がれにくく長持ちする塗装に仕上げるコツです。焦らずじっくり進めましょう。
業者に依頼する場合のメリット・デメリット
業者に依頼するメリット
プロならではの美しい仕上がりと耐久性
専用の機材や塗装技術を持つプロに依頼することで、塗膜の厚みが均一で見た目も美しく仕上がります。素人では難しい細部まで丁寧に仕上げてくれるのが大きな魅力です。
水回り(キッチン・洗面)でも安心の防水施工
防水性や耐薬品性の高い塗料選び、適切な下地処理により、キッチンカウンターでも長持ちする仕上がりが期待できます。
下地補修や特殊素材にも対応
剥がれや浮きがある場合でも、業者なら下地補修から対応可能です。メラミン化粧板や人工大理石など、DIYでは対応が難しい素材もプロなら安心です。
作業後の清掃・片付けまで全てお任せ
養生・施工・清掃まで全て一括で行ってくれるため、面倒な後片付けも不要です。
カラー提案や施工保証などアフターサポートも充実
プロのアドバイスでインテリアとの調和を考えたカラー選定ができるほか、施工保証がある業者なら万が一のトラブルにも安心して対応してもらえます。
業者に依頼するデメリット
DIYに比べて費用が高くなる
カウンター塗装の費用相場は5万〜15万円前後(素材や施工範囲による)。DIYと比べるとコストはかかりますが、仕上がりや耐久性を考えると納得の価格と言えます。
工期やスケジュール調整が必要
業者とのスケジュール調整が必要になり、場合によっては数日間使えない期間が発生します。
業者選びを間違えると満足度が下がる可能性も
価格だけで選んでしまうと、手抜き施工や説明不足などのトラブルに繋がるリスクもあります。実績・口コミをしっかり確認することが大切です。
カウンター塗装を業者に頼む場合の費用相場
カウンター塗装を業者に依頼する場合、施工内容やカウンターの素材・状態によって費用は大きく変わります。特に「どこまで補修が必要か」「どんな仕上がりを求めるか」によって金額に差が出るため、相場感をしっかり把握したうえで検討することが大切です。
1㎡あたり:8,000円〜15,000円
面積が小さい場合でも、材料費・人件費・養生費がかかるため、最低でもこの範囲の単価を目安に考えましょう。
キッチンカウンター全体で5万〜10万円前後
一般的なL型キッチンやカウンターであれば、標準的な塗装でこの範囲が相場です。ただし、サイズが大きい、もしくは劣化が進んでいる場合は追加費用が発生することがあります。
下地補修や特殊塗装(エイジング仕上げなど)は追加費用が発生
反りやひび割れなどの下地補修が必要な場合、2万〜5万円程度の補修費用が追加されることがあります。また、エイジング塗装や特殊なデザイン塗装を希望する場合は、通常塗装よりも手間がかかるため割高になることが多いです。
足場や養生範囲によっても費用は変動
高所にあるカウンターや周囲の家具が多い場合、養生作業に時間とコストがかかるため、見積もり額が上がることがあります。特にキッチンは養生箇所が多くなる傾向にあるため、養生費が見積もりに含まれているかも要確認です。
見積もりで確認すべきポイント
業者に見積もりを依頼する際には、以下の点がしっかり記載されているかをチェックしましょう。
- 塗装範囲(㎡数)が明記されているか
- 使用する塗料のメーカー名・品番が記載されているか
- 下地処理の内容(研磨・脱脂・補修など)が具体的に書かれているか
- 養生費・施工費・材料費の内訳が明確か
- 「一式」表記が多くないか
安易に「一式」でまとめられている見積もりは、後から追加料金が発生するリスクがあるため注意が必要です。
カウンター塗装の業者選びで失敗しないチェックポイント
カウンター塗装を業者に依頼する際、「どこに頼むか」が仕上がりを大きく左右します。価格だけで判断せず、以下のポイントをしっかり確認することが大切です。
カウンター塗装や木部塗装の実績が豊富か?
塗装業者にも得意分野があります。外壁や屋根塗装がメインの業者に依頼するよりも、室内木部や家具塗装の実績が多い業者を選ぶことで、細かな仕上がりの差が出ます。施工事例を見せてもらう、SNSで写真を確認するなどして、技術レベルをチェックしましょう。
使う塗料の種類や特性をきちんと説明してくれるか?
「この塗料を使います」と言うだけでなく、なぜその塗料を選ぶのか、耐久性・防水性・メンテナンス性について説明してくれるかどうかも重要です。素人にも分かりやすく説明してくれる業者は、誠実で技術に自信がある証拠です。
見積書が「一式」表記ではなく、明細が細かく記載されているか?
見積もりに「塗装工事 一式」などの曖昧な表記が多い場合、後からトラブルになる可能性があります。塗装範囲・工程・使用材料・補修費用まで、しっかり内訳が明記されている業者を選びましょう。
口コミや施工事例が多く、対応が丁寧か?
Googleマップの口コミや、業者のHP・SNSでの施工事例は信頼性を判断する材料になります。対応が親切・丁寧だったか、仕上がりに満足しているかをチェックすることで、失敗を防げます。
アフターサービスや保証制度が整っているか?
施工後の剥がれや不具合にきちんと対応してくれる業者かどうかも確認しましょう。1年〜3年程度の施工保証を設けている業者であれば、安心して任せることができます。
まとめ
カウンター塗装は、ご自身でDIYに挑戦することもできますが、素材や劣化の程度によっては専門家に任せた方が安心な場合もあります。小さな補修や簡単な作業であればDIYでも十分可能ですが、水回りの作業や広い範囲、きれいな仕上がりを重視される場合は、やはりプロの技術を借りることをおすすめします。業者選びでは、これまでの施工実績、見積書の詳細な内容、そして万が一の時のための保証内容をしっかり確認することが成功への鍵となります。
「どの業者に頼めばよいのか分からない」「失敗は避けたい」というお悩みをお持ちの方は、ぜひ塗装業者専門ポータル【ペイントGO】をご活用ください。