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塗装工事の高圧洗浄とは
外壁塗装の高圧洗浄とは、塗装を行う前に高圧洗浄機を使って外壁に付着した汚れやコケ、古い塗膜を洗い流す作業のことです。高圧洗浄は、外壁塗装の仕上がりの良さだけでなく、塗装の耐久性を保つ重要な役割も期待できます。
高圧洗浄の必要性
外壁塗装において、高圧洗浄は非常に重要な作業のひとつです。高圧洗浄は、以下4つの理由から必要不可欠とされます。
- 汚れやコケの除去
- 古い塗膜の除去
- 塗装後における仕上がりの美しさ
- 塗装の劣化防止
それぞれの必要性について詳しく見てみましょう。
①汚れやコケの除去
外壁は常に外部環境の影響を受けており、風雨やホコリ、排気ガスなどさまざまな要因によって汚れが付着します。特に、日当たりが悪く湿気の多い場所では、コケや藻が発生しやすくなります。これらの汚れやコケが外壁表面に付着すると、不衛生なだけでなく塗装の密着性を低下させ、塗膜の剥がれや劣化を促進する要因ともなります。そのため、外壁塗装を行う際には、付着した汚れやコケをあらかじめ除去することが欠かせません。
高圧洗浄は、付着した汚れやコケを効果的に除去するための有力な手段となります。高圧の水流を使用して、外壁表面についた汚れやコケを洗い流し、表面を清潔な状態に戻すことが可能です。このプロセスによって、塗装を行う際の下地処理が十分に行われ、塗膜が外壁にしっかりと密着します。したがって、外壁塗装を行う際には、高圧洗浄を含む適切な下地処理が欠かせません。
②古い塗膜の除去
古い塗膜が外壁表面に残っていると、新しい塗装を施しても十分な密着性が得られず、塗装の劣化や剥離のリスクが高まります。そのため、古い塗膜が劣化している場合には、新しい塗装を施す前に古い塗膜をきちんと除去する必要があります。
古い塗膜の劣化状況に応じて、適切な方法で除去する必要があり、そのひとつが高圧洗浄です。高圧洗浄で古い塗膜を除去することにより、外壁表面が清潔になり、新しい塗装がしっかりと密着するでしょう。高圧洗浄は、美観を確保する上でも非常に重要な工程となります。
③塗装後における仕上がりの美しさ
高圧洗浄によって、外壁表面に付着した汚れや古い塗膜をきちんと除去することで、塗装後の仕上がりが美しく均一になります。なぜなら、汚れや古い塗膜があると、塗料が不均一に密着し、塗装面にムラや段差が生じる可能性が高まります。
また、塗料の耐久性や劣化速度も影響を受け、塗装の持続性が低下するかもしれません。そのため、塗装前に外壁表面を高圧洗浄して汚れや古い塗膜を除去し、適切な下地処理を行うことが、塗装後の美しい仕上がりと長期間にわたる耐久性を確保するために重要です。
④塗装の劣化防止
塗装の劣化を防止するには、高圧洗浄で外壁表面の汚れや古い塗膜を除去することが必要不可欠です。汚れや古い塗膜を除去しない場合、新しい塗装が十分に密着せず、劣化が早まる可能性があります。そのため、定期的な高圧洗浄による表面清掃が重要です。
高圧洗浄で汚れや古い塗膜を効果的に除去することにより、新しい塗装が均一に塗布され、しっかり外壁に密着します。結果として、塗装が外部の環境要因による劣化に対してより耐性を持ち、長期間美しい状態を保つことができるでしょう。
また、高圧洗浄によって外壁表面の汚れや古い塗膜が除去されることで、外壁材料自体も劣化しにくくなります。汚れや古い塗膜が残っている場合、外壁材料がそれらの影響を受けやすくなり、劣化が進行しやすくなります。しかし、高圧洗浄によって表面が清潔に保たれれば、外壁材料の劣化も防止され、外壁全体の耐久性が向上します。
したがって、塗装の劣化を防止するためには、定期的な高圧洗浄を行い、外壁表面を清潔に保つことが重要です。これにより、塗装の劣化を遅らせ、外壁の美観や耐久性を長期間にわたって維持することができます。
外壁塗装における高圧洗浄の費用相場
「高圧洗浄はだいたいいくらかかるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。外壁塗装における高圧洗浄の費用相場は、1㎡あたり100〜300円です。なお、外壁塗装における高圧洗浄の費用相場は、以下のさまざまな要因によって異なります。
- 塗装面積:外壁の面積が大きいほど、高圧洗浄にかかる時間や労力が増えるため、費用もそれに比例して増加します
- 外壁の状態:外壁に付着している汚れや古い塗膜の量や種類によって、高圧洗浄にかかる時間や必要な作業量が異なります。汚れや塗膜の厚さが多い場合、作業により時間と手間がかかるため、費用も高くなります
- 外壁の素材:サイディングなどの比較的汚れが落ちやすい素材は、費用が安くなります
- 業者:地域や塗装業者によって価格設定が異なるため、同じ作業内容でも費用相場が異なることがあります。都市部や需要が高い地域では、費用が高めに設定されることが一般的です
具体的な費用は、上記の要素によって大きく異なるため、塗装業者に見積もりを依頼し、実際の費用を確認することが重要です。
外壁塗装における高圧洗浄の注意点
高圧洗浄は外壁塗装において重要な工程ですが、いくつかの注意点があります。
- 高圧洗浄する前に養生が必要
- 窓を開けられない
- 洗濯物を干せない
- 近所トラブルの可能性がある
- 乾燥時間を確保する
それぞれの注意点を簡単に解説します。
注意点①高圧洗浄をする前に養生が必要
事前に養生する作業は、外壁塗装において特に重要です。高圧洗浄は、非常に強力な水流を使用するため、周囲の物や植物、窓ガラスなどが損傷を受けるかもしれません。特に、塗装を施す建物の周囲には、植木や花壇、駐車場などがあり、これらが高圧洗浄の水圧や水量によって損傷を受けるおそれがあります。
そのため植木や花壇には、ビニールシートや特殊な保護カバーを使用して覆い、水や塗料の飛沫から保護しましょう。また、窓ガラスや外部の建具には、適切な保護フィルムやテープを貼ることで損傷を防ぐことが可能です。
さらに、周辺の建物や車両なども高圧洗浄の影響を受ける可能性があるため、十分な距離を保ち、必要に応じてカバーを使用して保護する必要があります。徹底した養生作業によって、不用意な被害を最小限に抑え、外壁塗装作業を安全かつ効果的に行うことができるでしょう。
注意点②窓を開けられない
高圧洗浄中は、非常に強力な水圧が窓にかかるため、窓を開けることができません。水圧が強すぎると、窓の枠やガラスが損傷を受けるおそれがあります。そのため、作業前には窓を閉めておくか、作業が完了するまで窓を開けることを控える必要があります。
特に、二階以上の窓を開ける場合には、水圧が強く窓ガラスに当たる可能性が高いため注意が必要です。窓を開けてしまうと、水圧によって水が室内に侵入し、家具や床を濡らしてしまうおそれがあります。また、作業中に窓を開けることで、作業員や周囲の人々にも危険が及ぶ可能性がありますので避けるようにしましょう。
やむを得ず窓を開ける必要があれば、事前に窓の開閉に関する指示を確認し、必要に応じて窓を閉めたり、作業が完了するまで窓を開けないようにすることが重要です。
注意点③洗濯物を干せない
高圧洗浄作業中は、水が飛び散る可能性があるため、外に洗濯物を干すことができません。高圧洗浄によって強力な水圧が外壁にかかると、水が周囲に飛び散り、洗濯物が濡れてしまうおそれがあります。また、洗剤や化学物質が使われる場合、これらが洗濯物に付着してしまう可能性もあります。
そのため、作業前には洗濯物を室内に取り込むか、作業が完了するまで洗濯物を干すことを避ける必要があります。特に天気の良い日に外に洗濯物を干している場合、作業中に突然の高圧洗浄が行われると、洗濯物が水浸しになってしまう可能性が高くなります。これによって、洗濯物が汚れてしまったり、乾かすのに時間がかかったりする可能性があるので注意しましょう。
注意点④近所トラブルの可能性がある
高圧洗浄作業は、作業中に発生する騒音や水の飛び散りなどが近隣住民に不快感を与える可能性があります。特に、作業が建物の外壁や屋根などで行われる場合、近隣住民にとっては直接的に影響を及ぼす可能性が高くなります。
そのため、近隣住民とのトラブル防止には、高圧洗浄作業の周知と配慮が欠かせません。具体的には、近隣住民に対して作業の予定や内容、作業が発生する時間帯などをあらかじめ周知することが大切です。
また、作業中にはできる限り近隣住民の生活に配慮し、騒音や水の飛び散りを最小限に抑える努力が必要です。作業現場周辺には防音シートを設置したり、散水車を使用して水の飛び散りを抑えたりするなどの対策を行えば、近隣住民とのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
以上のような配慮を行うことで、高圧洗浄作業が円滑に進行し、近隣住民とのトラブルが発生するリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
注意点⑤乾燥時間を確保する
乾燥時間の確保は、外壁塗装作業において非常に重要な要素です。高圧洗浄後、外壁表面が十分に乾燥することなく塗装を行うと、塗料が適切に硬化せず、塗膜の強度や耐候性が不十分になるおそれがあります。そして、塗膜の耐久性も低下し、本来の塗装の効果を得られなくなるかもしれません。
したがって、高圧洗浄後には十分な乾燥時間を確保することが重要です。乾燥時間は、気候条件や外壁表面の素材、使用する塗料の種類などによって異なりますが、一般的には数時間から数日間かかる場合があります。湿度が高い場合や気温が低い場合は、乾燥にさらに時間を要するので、特に注意が必要です。
なお、業者によっては、早急に塗装を行うことで工期を短縮するケースもありますが、乾燥時間を適切に確保しないと、塗装の品質が低下し、将来的なメンテナンスや修復が必要になる可能性が高まります。したがって、乾燥時間をしっかり確保し、慎重な作業が行われているかを見極めることも欠かせません。
通常の高圧洗浄とバイオ洗浄の違い
高圧洗浄は、大きく分けて通常の高圧洗浄とバイオ洗浄の2種類があります。通常の高圧洗浄は、高圧の水流を使用して表面の汚れや付着物を除去する方法です。通常は水のみを使用し、場合によっては洗剤を添加して汚れを浮かせることもあります。通常の高圧洗浄は効果的で、比較的短時間で大きな面積を清掃することが可能です。主に建物の外壁や床、舗装などの清掃に使用されます。
一方、バイオ洗浄は、洗浄液と高圧洗浄の組み合わせで汚れを落とす方法のことを指します。洗浄液には、カビやコケなどの菌類を殺菌・除去する成分が含まれています。バイオ洗浄により、通常の高圧洗浄よりも優れた洗浄効果が得られます。また、バイオ洗浄は環境にやさしい方法としても知られており、化学的な洗剤を使用しないため、周囲の生態系に影響を与える心配が少ないとされています。
バイオ洗浄は外壁や屋根、デッキなどの表面や、汚染が著しい場所に効果的です。また、表面の清掃だけでなく、長期的な汚れの再発を防ぐ効果もあります。ただし、通常の高圧洗浄よりも手間と時間がかかるケースが多いため、予算を考慮する必要があります。
外壁塗装の高圧洗浄は業者選びが肝心
外壁塗装における高圧洗浄は、業者選びが極めて重要となります。その理由は、以下のとおりです。
- 高圧洗浄は専門知識と技術が必要
- 業者の技術によって仕上がりが左右される
- 悪質な業者によるトラブルも発生している
とはいえ、「たくさんの業者からどの業者を選べば良いのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。業者を選ぶときは、次のポイントを意識しましょう。
- 複数の業者から見積もりを取る
- 実績や経験を確認する
- 料金だけでなく、保証内容も確認する
- 担当者とのコミュニケーションをしっかりと取る
特に、複数の業者から見積もりを取ることは非常に重要です。最低でも3社から見積もりを取り、見積もりの内容を詳しく確認しましょう。また、ホームページや口コミなどを参考に、業者の実績や経験もあらかじめ調べておくと安心です。
悪質な業者は、見積金額が極端に安かったり、契約を急かしてきたりします。また、見積もりの内容に対する説明が不十分なケースもあります。悪質な業者に騙されないようにするためにも、見積書や契約書にはしっかり目を通し、不明点は必ず確認するようにしましょう。
まとめ
今回は、外壁塗装における高圧洗浄の必要性について詳しく解説しました。高圧洗浄は、外壁表面に付着した汚れや古い塗膜を除去し、新しい塗膜の密着性を高める役割を果たします。したがって、高圧洗浄は外壁塗装の仕上がりや耐久性において、極めて重要な作業と言えるでしょう。
なお、高圧洗浄は徹底した養生作業や近隣への配慮が欠かせません。また、業者の技術によって仕上がりが左右されるため、どの業者を選ぶのかも重要な要素となります。
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