外壁塗装の色見本とは?役割や種類をご紹介
例えば皆様が家具や服を購入する際、ネットで調べたものであっても実際にお店に出向き、実際の商品を手にとって色味などを確認してから購入されるのではないでしょうか?
高価なものになればなるほど、「自分の目で見てから購入を決めたい」というのがお客様心理です。
しかし外壁塗装は、「実際に〇〇という色で塗装された家を見てから〜」とはいきません。
高額な工事であるにも関わらず、仕上がりを自分の目で見てから工事の依頼をすることができない、それが外壁塗装です。
そんな時ぜひご活用いただきたいのが色見本です。
外壁塗装における色見本とは、塗料メーカーが販売している塗料のカラーバリエーションを収めたもので、一般的には、
01.皆様が色見本の中から好きな色を数点選ぶ
02.選んだ色を使ったカラーシミュレーションを行い、最終的な色を決める
03.最終的に決まった色で塗装する
という流れで塗装工事は進んでいきます。
色見本の種類は色々ありますが、どの色見本であっても目的は「外壁の色を選びやすくすること」「仕上がりをイメージをしやすくさせること」になります。
それでは、どんな色見本があるのか見ていきましょう。
色見本帳
色見本と聞いて多くの方が思い浮かべるのがこの色見本帳であり、実際に外壁塗装の現場では色決めの際によく利用されています。
非常に数多くの塗料の色が収められており、一度に様々な色を見ることができるのでわかりやすく便利です。
色見本帳は大きく分けると、
・各塗料メーカーが製作した色見本帳
・日本塗料工業会が製作した色見本帳
の2種類があります。
各塗料メーカーが製作した色見本帳の特徴として、年度ごとに発行されているので最新の流行色が掲載されています。
また、塗装業者がその塗料メーカーの色見本を持っているということは、塗装業者はその塗料を扱っているということです。
ですので、例えば気に入った色があった場合に「その色の塗料は扱ってないんです」といったことが起こりません。
注意点として、あくまでもその塗料メーカーが製造している塗料の色のみが掲載されているので、実在するすべての色が載っている訳ではありません。
他の色見本帳で見て気に入ったものがあっても取り扱っていないという場合もあるので、その際は同系色、もしくは別の色を選ぶことになります。
一方、日本塗料工業会が製作した色見本帳は、塗料メーカーの垣根を越えた日本全国共通の色見本です。
塗料メーカーの色見本帳より数多くのカラーバリエーションを取り揃え、色選びにとことんこだわりたいという方におすすめです。
注意点として、外壁や屋根には不向きな色、色褪せが目立ちやすい色なども掲載されているため、塗装業者に相談しながら色を選ぶ必要があります。
塗り板
塗り板とは、実際に使用する塗料で塗装された一枚ものの板で、皆様からすると仕上がりのイメージ・質感などが掴みやすい色見本です。
多くは塗料メーカーが製作したものが利用されていますが、塗装業者側で製作する場合もあります。
最初に色見本帳で大まかに色を選び、イメージが掴みやすい塗り板で最終確認をする、といった用途でもよく利用されています。
塗装業者が選んだ塗料の塗り板を持っている場合は良いのですが、持っていない場合は別途塗り板製作の費用が発生する場合もあるため注意しましょう。
カラーシミュレーション
カラーシミュレーションとは、実際の住まいの写真を使ってパソコン上で外壁や屋根の色を変える作業です。
実際の住まいの写真の色が変わるため、色見本帳や塗り板ではわからなかった建物全体の仕上がりがイメージしやすいです。
近似色で塗り替える場合はイメージもしやすいと思いますが、既存の色から大きく変更する場合などはなかなか仕上がりが想像できないものです。
その点カラーシミュレーションであれば、ツートンカラーなど思い切った色でも容易に試すことができるので、皆様からすれば一番仕上がりが想像しやすい・わかりやすいツールと言えます。
各塗料メーカーも、サイト上で簡易的なカラーシミュレーションを用意しています。
エスケー化研「住宅塗り替えシミュレーション」
関西ペイント「戸建て塗替シミュレーション」
日本ペイント「ハナコレクション」
注意点として、上記の塗料メーカーのカラーシミュレーションは、あくまでも実際の住まいではなく決められたパターンの中でしかシミュレーションができません。
また、パソコンのモニターによって色の見え方が違うので、最終的な色決めは色見本帳や塗り板を見ながら行った方が良いでしょう。
カラーシミュレーションを実施していない塗装業者も多く、割合で言えば実施していない塗装業者の方が多いです。
ペイントGOに掲載している塗装業者はすべてこのカラーシミュレーションを無料で実施しているので、気になった方はぜひお気軽に問い合わせください。
色見本で色を選ぶ際に注意したい2つのポイント
前項でご紹介したように、外壁塗装で色を選ぶ際に色見本はとても便利なツールです。
ただし、単純に色見本を見て好きな色を選んだだけでは、色選びにおいて失敗する恐れがあります。
ここでは、色見本で色を選ぶ際の注意点を解説します。
面積効果に注意する
皆様は、「色の面積効果」をご存知でしょうか?
外壁塗装における色の面積効果とは、塗装の面積が大きくなればなるほど同じ色であっても彩度・明度が上がって明るく見える現象です。
例として次の画像をご覧ください。
大きな四角形の方が若干明るく見えませんか?
しかし実は、この2つの四角形は全く同じ色で塗り潰されています。
この参考画像の四角形の大きさの違いはわずか4倍程度ですが、これが小さな色見本帳や塗り板と外壁一面に置き換えてみるとどうでしょう?
色の違いはもっと明確に表れます。
小さな色見本帳や塗り板だけで色を決めてしまえば、「こんなに明るい色だったかな?」「イメージしてたより派手に感じる…」など仕上がりに不満を抱く結果にもなりかねません。
色を決める際には塗装業者と相談の上、できる限り大きなサイズの色見本を用意してもらったり、可能であれば住まいの裏面など目立たない箇所で試し塗りをしてもらった方が良いでしょう。
色見本を見る場所に注意する
色見本を見る際はほとんどの場合において塗装業者の事務所、あるいは自宅屋内といった室内です。
屋外など日差しが強い場所で色見本を見るというシチュエーションは実際にはあまりありません。
ただし、「どこで色見本を見るか?」も注意していただきたいポイントです。
室内で色見本を見るということは、色見本に当たっている光源は「昼光色」「昼白色」といった色のついた蛍光灯になります。
「昼光色」や「昼白色」と光源が変われば色の見え方は変わってきますし、光源が屋外の太陽光になればさらに色の見え方が変わります。
この色の感じ方の違いは、室内・屋外という違いだけでなく、同じ屋外であっても晴れの日・曇りの日でも変わってきます。
どれだけ室内で気に入った色を見つけたとしても、実際に塗装をするのは屋外です。
色見本は室内だけでなく屋外でも必ず見るようにして、どのように見え方が変わるのかを確認するようにしましょう。
そうすることで、「もう少し色味を落とした方が良いかな」「白っぽく見えるからワントーン暗くした色にしよう」など気付くことができます。
色見本を活用した色選びの方法とは?
ここまで、色見本の種類や注意点を解説してきましたが、それでは具体的にどうやって色見本を活用すれば良いのでしょう?
まずは「どうしたいか?」のイメージを決める
まずは何より、「自分の家をどんな印象にしたいか?」をイメージすることが重要です。
最初から「日本塗料工業会の色見本の45-70Dという色にしよう」といったような詳細を決める必要はありません。
どんな印象にするかのイメージが湧かない内から色見本帳を見ても、選べる色が多すぎて逆に迷ってしまうでしょう。
思い描いたイメージを基に、色見本帳を見ながら「どの系統の色にするのか?」「その中で明るい色や落ち着いた色などどんな方向性にするか?」「外壁と屋根でどんな組み合わせにするか?」などを順に決めていきましょう。
近所で理想の色の建物がないか探索する
ある程度色の系統や方向性が決まったら、近所で理想の色使いをしている建物がないか探索してみましょう。
こういった提案をしてくれる塗装業者はあまりいませんが、色選びにおいて非常におすすめの方法です。
冒頭でもお伝えしたように、外壁塗装は仕上がりの実例を見ながら色を選ぶといったことができません。
そのため、実例を参考にするとなると、近所を探索して自分のイメージに近い建物を探すしかないのです。
もし理想に近いイメージの建物があれば、塗装業者に「あの家と同じような色使いで」と伝えてみましょう。
経験豊富な塗装業者であれば、「あの色は〇〇ですね」と的確に色を選んでくれます。
また、完全に自分のイメージ通りでなくても、「色はあの家と同じで良いけど、もう少しだけ落ち着いた色味にしたい」など希望を伝えるのも良いでしょう。
希望に合わせて塗装業者側で色を選んでくれるはずです。
塗り板でイメージを固める
ここまででおよその色のイメージが固まり、具体的にどの色にしようかある程度絞られていると思います。
次に、塗り板を用意してもらいましょう。
上述でも解説しましたが、、塗り板とは実際に使用する塗料で塗装された一枚ものの板です。
実際に塗料を使って塗装されているため、外壁に塗装した際の光の当たり方や艶、触った時の質感などが掴みやすくなります。
塗り板は塗料メーカーが用意し、サンプルとして塗装業者に渡している場合もありますが、選んだ色によっては塗装業者が該当する色の塗り板を持っていない場合もあります。
塗料メーカーから取り寄せる場合であっても、塗装業者に作成してもらう場合でも用意できるまでに若干日数がかかります。
さらに、塗装業者が作成する場合には別途費用が発生することもあるので注意しましょう。
カラーシミュレーションで全体のイメージを掴む
最後に、塗装業者にカラーシミュレーションを依頼して、全体のイメージを掴みましょう。
ただし、カラーシミュレーションはあくまでもイメージを掴むためのものであり、パソコンのモニターによって色の見え方が変わってくるので、あくまで参考として活用しましょう。
外壁塗装の色見本の活用法とは?まとめ
外壁塗装を行う際、ほとんどの方が色選びで悩まれます。
しかし、色見本をうまく活用することができれば、スムーズに色を決めることができるでしょう。
もちろん、こちらのページで解説したように色見本は決して万能なツールではありませんが、特徴や注意点をしっかりと把握した上でさらに塗装業者に相談しながら色選びを進めれば、きっと理想の色にたどり着くことができるはずです。
ぜひイメージ通りの外壁塗装を行うために、このページで解説した情報をご活用ください。