目次
スレート屋根を塗装するメリット
スレート屋根を塗装するメリットは以下のとおりです。
- 美観を維持できる
- イメージチェンジできる
- 防水機能が備わる
- ほかのメンテナンスに比べて安価
それぞれ解説します。
美観を維持できる
スレート屋根をを塗装するメリットは、建物の美観を維持できることです。屋根は常に紫外線や雨風にさらされており、年数が経過すると色あせや汚れ、カビやコケなどが目立つようになります。常にきれいな外観を維持したい目的であれば、塗装はメリットといえます。
イメージチェンジできる
外観を塗装することで美観を維持できるだけでなく、色を塗り替えることでイメージチェンジもできます。自分好みの色にすることで気分も上がり、長く大切に住んでいこうという気持ちにもなります。
防水機能が備わる
屋根塗装は防水機能を向上させることができます。塗装をしなくても屋根材としての基本性能に影響はありません。しかし、屋根に塗装することで、紫外線や雨からより長く建物を守ることができます。
ほかのメンテナンスに比べて安価
塗装のみの工事であれば、カバー工法や葺き替え工事に比べて安価に済みます。後述しますが、塗装費用の目安としては16〜50万円程度です。カバー工法や葺き替え工事などの大規模なリフォームとなると100〜220万円程度かかることを考えれば安価に済ませられる工事です。
ただし、費用は塗装面積によって異なることや、下地材や防水シートなどが劣化していないことが条件となります。
スレート屋根を塗装するデメリット
スレート屋根を塗装するデメリットは以下のとおりです。
- 劣化が酷い場合や雨漏りは塗装では対応できない
- 適切な塗料や正しい施工をしないと塗膜の剥がれの原因となる
- 縁切り不足による雨漏りのリスクがある
- アスベスト飛散のリスクがある
それぞれ解説します。
劣化が酷い場合や雨漏りは塗装では対応できない
色あせや汚れ、カビまたはコケ程度であれば再塗装で対応できます。しかし、屋根材以外の下地材や防水シートも劣化している場合や、雨漏りしている場合は塗装では対応できません。
雨漏りしている場合は、屋根全体を交換する葺き替え工事になります。雨漏りしていない場合はカバー工法でも対応できます。
適切な塗料や正しい施工をしないと塗膜の剥がれの原因となる
スレートに合った塗料を使用することや、正しい施工をしないと塗膜が剥がれやすくなる場合があります。適切な調色や希釈、塗布量を行うことはもちろん、屋根の汚れや下地処理を怠らないことが重要です。乾燥も含めて正しい施工をする必要があります。
縁切り不足による雨漏りのリスクがある
縁切り(えんぎり)とは、塗装でふさがれた屋根材と屋根材の隙間をあけ、雨水の通り道を確保する作業のことです。スレート屋根を塗装した場合の必須となる作業です。
カッターやヘラなどや、タスペーサーと呼ばれる専用のクリップを使います。屋根材同士が重なる部分の塗装を切る作業をしないと、雨水の逃げ道がなくなり雨漏りにつながる恐れがあります。
タスペーサーの詳しい内容については、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
参考:「スレート屋根塗装で必須の「縁切り(タスペーサー)」とは?」
アスベスト飛散のリスクがある
古いスレート屋根の場合、アスベストを含んでいる場合があります。アスベストを含んでいるからといってすぐに飛散するわけではありません。スレートの屋根材はもともと割れやすい素材でもあり、再塗装の工事の際に踏み込んで割れてしまう恐れがあります。
アスベストの繊維が空気中に浮遊し、吸い込んでしまうことで肺がんや肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫などの健康被害を起こす恐れがあります。
スレート屋根のメンテナンスのタイミングと方法
スレート屋根をメンテナンスする場合、以下のような症状が現れたら再塗装やカバー工法などの工事をするタイミングとなります。
- スレート屋根に色あせや汚れ、カビ、コケが発生している
- スレート屋根の塗装が剥がれている
- チョーキング現象が見られる
- スレート屋根がひび割れや浮き、反っている箇所がある
- スレート屋根で建ててから30年以上経過している
屋根が汚れていたり、色あせているようであれば再塗装で対応できます。また、チョーキング現象やカビやコケも同様です。ただし、下地材や防水シートが劣化していないことが前提です。
スレート屋根がひび割れていたり、浮き・反っている箇所があるようであれば、部分的な交換やカバー工法によるメンテナンス対応となります。
国土交通省の調査によると、スレート屋根の耐用年数は30〜40年程度です。築30年に近づいていたり、超えているようであれば、屋根材の寿命です。屋根全体を交換する葺き替え工事によるリフォームを検討しましょう。雨漏りしているのであれば、同様に葺き替え工事になります。
参考:国土交通省「期待耐用年数の導入及び内外装・設備の更新による価値向上について」
スレート屋根のメンテナンスの費用相場
スレート屋根をメンテナンスする際、塗装・カバー工法・葺き替えの3つがあります。それぞれの費用相場について解説します。
塗装
スレート屋根を塗装する場合、カバー工法や葺き替え工事に比べて工事費用が安く済んだり、短期間で済んだりするのがメリットです。
ただし、使用する塗料や塗装面積が広い場合には高額になる場合もあります。主な塗料と費用目安は以下のとおりです。
ウレタン塗装:1,700〜2,200円/平方メートル
シリコン塗料:2,000〜3,000円/平方メートル
フッ素塗料:3,800〜4,800円/平方メートル
遮熱塗料:4,200〜5,000円/平方メートル
上記費用は一般的な住宅の広さである30坪程度を目安としています。上記以外にも足場代が別途15〜20万円程度かかり、塗装面積や業者によっても費用は異なります。
カバー工法・葺き替え工事
カバー工法は、すでにある屋根材はそのままで、新しい屋根材を上から被せる(カバーする)工事になります。葺き替え工事に比べて既存屋根の撤去費用や廃棄費用がかからない分安く抑えられるのがメリットです。
また、屋根材が二重になるため、遮音性や断熱性も向上します。ただし、屋根が重くなる分、耐久性が下がります。雨漏りしている場合はカバー工法では解決できないため、屋根を全面新しくする葺き替え工事が必要です。
カバー工法は、100〜140万円程度かかります。葺き替え工事は、既存屋根の撤去費用や廃棄費用も含めて180〜220万円程度です。いずれも30坪程度を目安としています。
スレート屋根の塗装工事にかかる費用を安くする方法
スレート屋根を塗装する際、すこしでも費用を抑えたいと考える人は多いはずです。塗装工事費用を抑えられる方法としては以下があります。
- 火災保険を活用する
- 自治体の補助金を活用する
- 屋根塗装とほかのメンテナンスを一緒に行う
それぞれ解説します。
火災保険を活用する
台風や強風などの飛来物が原因で屋根が傷ついて再塗装が必要となった場合、火災保険が適用になる場合があります。保険会社の損害鑑定人によって認められた場合は、保険金が下ります。
注意点としては、免責金額が設定されている場合は、免責設定額よりも修理費用が上回らなければ保険金が下りません。火災保険が適用になる条件などは、ご自身が加入している保険会社へ問い合わせてみるとよいでしょう。
自治体の補助金を活用する
自治体によっては屋根の断熱性や遮熱性を高めるリフォーム工事や、アスベスト除去などの工事をする場合、補助金が申請できる場合があります。
補助金の申請にはさまざまな条件があり、住民票があり居住していることや住民税の滞納がないことが条件となります。補助金が申請できるかどうかは、お住いの自治体に確認してみることをおすすめします。
屋根塗装とほかのメンテナンスを一緒に行う
屋根塗装と外壁塗装、棟板金の交換など、ほかのメンテナンス工事を一緒にすることで足場の設置が一度で済むため工事費用を抑えられる場合があります。
足場の設置費用は15〜20万円程度かかり、建物の広さがある場合はさらに費用がかかります。少しでも費用を抑えたいと考えているのであれば、ほかのメンテナンス工事と一緒にすることをおすすめします。
スレート屋根を塗装する際の注意点
スレート屋根を塗装する際の注意点は以下のとおりです。
- 塗装に適さないスレート屋根がある
- アスベスト繊維を吸引する可能性があるためDIYでは行わない
- 定期的にメンテナンスすることが重要
- 屋根塗装は専門業者へ依頼する
それぞれ解説します。
塗装に適さないスレート屋根がある
アスベストの屋根材は天然の繊維状の鉱物からできています。アスベストの繊維は細かく、摩擦や温度変化にも強い特性を持っており、長くスレートの屋根材として使われてきました。
しかし、アスベストの使用が禁止となって以降に製造された、アスベストを含んでいないスレート屋根は強度に問題があるものでした。早い段階で屋根材の割れや表面の剥がれが起きやすい問題点があり、塗装してもすぐに剥離してしまうため、塗装ができない、塗装しても意味がない屋根材として認知されてしまいました。
塗装に適さないスレート屋根の代表例として、「パミール」「コロニアルNEO」「セキスイかわらU」「アーバニー」などがあります。
アスベスト繊維を吸引する可能性があるためDIYでは行わない
アスベストに含まれる繊維は肺がんや肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫などの発がん性が認められています。
そのため、健康被害を引き起こす恐れがあるため、2004年ごろまでのスレート屋根を使用している場合は、スレート屋根の塗装はDIYでは行わないようにしましょう。また、屋根の上に登っての作業は、転落の危険性があるためDIYでの作業はおすすめしません。
定期的にメンテナンスすることが重要
スレート屋根は割れやすい屋根材です。年数が経つと割れやすくなり、飛来物や工事の際に踏んで割れることもあります。欠けや割れを放置してしまうと、屋根材の下にある防水シートや下地材も傷めることになり、雨漏りが起こりやすくなります。
スレート屋根の耐用年数は30〜40年程度ではありますが、置かれている環境によっては早い年数で劣化することもあります。耐用年数が長いからと安心せずに、5〜10年ごとに点検やメンテナンスすることで、長期間品質を維持できます。
屋根塗装は専門業者へ依頼する
スレート屋根を塗装する場合、屋根塗装の実績の豊富な専門業者へ依頼することが重要です。屋根のカバー工法や葺き替え工事もできる業者であれば、アスベストの扱いに関する知識も豊富です。
専門業者以外だと、屋根材に適した塗料を選んでいなかったり、間違った工事をされてしまう恐れがあります。口コミや屋根塗装業者を見つけられる比較サイト、検索サイトなどで探すのがよいでしょう。
まとめ
今回は、スレート屋根を塗装するメリット・デメリットについて解説しました。スレート屋根を塗装するメリットは以下のとおりです。
- 美観を維持できる
- イメージチェンジできる
- 防水機能が備わる
- ほかのメンテナンスに比べて安価
デメリットは以下になります。
- 劣化が酷い場合や雨漏りは塗装では対応できない
- 適切な塗料や正しい施工をしないと塗膜の剥がれの原因となる
- 縁切り不足による雨漏りのリスクがある
- アスベスト飛散のリスクがある
屋根の劣化状態として、色あせや汚れ、カビ・コケの発生、チョーキング現象であれば再塗装が可能です。スレート屋根にひび割れや欠け、反りなどがある状態ではカバー工法などのメンテナンスになります。雨漏りがある場合は、屋根を交換する必要があるため葺き替え工事となります。
スレート屋根はパミールやコロニアルNEOなど塗装に適さない屋根や、アスベストを含んでいた場合は健康被害の影響もあるため、専門知識を有する屋根塗装や屋根工事の実績のある業者へ依頼することが大切です。
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