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金属製扉の塗装はDIYでもできる?
結論からお伝えすると、金属製の扉をDIYで塗装するのはおすすめしません。金属製にもアルミやステンレス、鋼板などの素材があり、素材によって施工方法や難易度が異なります。
とくにアルミ製は塗装が非常に難しく、業者によっては断られることもあります。アルミ製は強溶剤塗料で塗装しなくてはいけません。強溶剤塗料は、シンナーの臭いで毒性や臭気性が強い塗料です。
塗料が乾くのも早く溶解力も高いため、下地の塗料も溶かしてしまうなど、扱いが難しいため専門業者への依頼がおすすめです。
【素材別】金属製扉の種類
金属製の扉は特徴が異なるさまざまな種類が存在しています。ここでは、素材別の金属製扉の種類を紹介します。
金属製の素材は主に以下の5つの素材に分けられます。
- 鉄製
- アルミ製
- 鋼板(スチール)製
- ステンレス製
金属製の中でも塗装ができる扉とできない扉があります。塗装できる金属製の扉は、「鉄製」と「アルミ製」です。
ただし、アルミ製は「吹付け」と呼ばれる特殊な塗装方法になり、一般的な塗装方法だと塗膜が密着せずに数年で剥がれてしまいます。専門的な技術を要するため、施工できる業者が限られている現状があります。
鋼板(スチール)製はマンションやアパートなどでよく採用されている扉です。防音や防火性に優れていますが塗装はできません。
最後のステンレス製は錆びにくく高級感のある扉ですが、こちらも塗装はできません。
塗装できない扉のメンテナンスは、扉自体を交換するか、既存の扉の上から被せるカバー工法を用いたメンテナンスとなります。
金属製扉のメンテナンスのタイミング
金属製扉のメンテナンスのタイミングは、以下のとおりです。
- 20〜30年程度経過し、色あせなど見た目にも劣化している
- ドアノブや取っ手にガタツキが見られる
- 閉まりが悪くなっている
- ゴムパッキンが劣化している
- 防犯性が気になる
それぞれ解説します。
20〜30年程度経過し、色あせなど見た目にも劣化している
金属製扉の耐用年数は20〜30年程度と言われています。扉に紫外線があたる環境などは、日焼けや色あせの症状など、見た目で明らかに劣化している状況はメンテナンスが必要な時期です。
塗装ができる扉であれば、見た目の印象がよくなります。
ドアノブや取っ手にガタツキが見られる
ドアノブや取っ手などのガタツキや外れがあれば、メンテナンスのタイミングです。扉は毎日使う場所であれば、ドアノブや取っ手のネジが外れるなど不具合がでます。
ドアノブや取っ手の緩み程度であれば、ネジの交換や部分的な交換が可能です。
閉まりが悪くなっている
長い時間扉を使用していると自動で閉まらなくなる現象が起こります。この現象はドアクローザーと呼ばれており、油圧を制御してゆっくりと自動で閉める装置のことです。
ドアクローザーは扉の上部についている四角などの形をしていて、経年劣化によって油圧が正しく制御できなくなり自動で閉まらなくなることがあります。
また、地震などの影響によって扉や扉の枠が歪んで、閉まりが悪くなることもあります。
ゴムパッキンが劣化している
扉の周辺にはゴミや虫が入らないようゴムパッキンで隙間を埋めています。パッキンが劣化すると剥がれや隙間ができやすくなります。
防犯性が気になる
古い金属製の扉などは鍵の造りが単純なため安全性が低い扉が多くありました。安全性が気になる場合は最新式の鍵や電子キーなど防犯性に優れた扉への交換がおすすめです。
金属製扉のメンテナンス方法と業者に依頼した場合の費用相場
ここでは、金属製扉のメンテナンス方法について解説します。主なメンテナンスは以下のとおりです。
- 塗装
- カバー工法
- 扉の交換
- リメイクシートの貼り付け
それぞれ解説します。
塗装
ちょっとした傷や汚れなど、劣化の程度が大きくない場合は再塗装が可能です。金属製扉の塗装費用相場は、1枚あたり3〜10万円程度です。
サビや傷の程度が大きい場合はカバー工法や玄関ドア自体の交換となります。また、アルミ製の扉の場合、上の章でも解説しましたが、強溶剤塗料で「吹付け」という作業になるため作業費用も高くなり8万円以上が相場となっています。
カバー工法
塗装では改善が難しいけど、扉を交換するほどでない場合はカバー工法がおすすめです。カバー工法は、扉枠のみを残して既存の扉の上から新しい扉(アルミ製)を覆う(カバー)する方法のことです。
カバーには木目調や石目調などさまざまなデザインや色から、自分の好みに合わせて取り付けることができます。カバー工法の場合、扉が二重になるため防音や断熱性能の向上も期待できます。
カバー工法の費用は15〜45万円程度で、工期は1日程度で終了します。
扉の交換
見た目の色あせや剥がれ、建付けが悪くなった扉は交換となります。また、古い扉から防犯性の高い扉への変更もおすすめです。近年は防犯性だけでなく、気密性や断熱性に優れた扉が発売されています。
扉の交換は工事費込みで30〜45万円程度です。既存の扉枠が使えなかったり、機能性の高い扉へ変更する場合は、枠の交換費用など別途費用が発生するため高くなります。
リメイクシートの貼り付け
既存の扉の上からリメイクシートを貼り付ける方法もあります。シートを密着させるために、下地処理は必要ですがDIYでも施工は可能です。
断熱性や耐久性は劣りますが、コストを抑えたい、気分転換で変更してみたい人にはおすすめです。
リメイクシートの費用相場は、施工範囲やシートの種類にもよりますが、1枚あたり5〜15万円程度です。
金属製扉を塗装する際に使用する塗料
ここでは、金属製扉を塗装する際に使用する塗料の種類について解説します。
鉄製扉は油性系弱溶剤
鉄製の扉を塗装する場合、油性系弱溶剤を使用します。弱溶剤(じゃくようざい)とは、原油から不純物などを取り除き製造した溶剤のことで、塗料用シンナーと呼ばれます。
油性系塗料は粘度が高く壁などに塗装しにくいことがあります。塗料用シンナーを使うことで塗料を薄め、密着性を高めて塗りやすくします。
一般的に屋根や外壁などによく使用されている、ウレタン塗料やシリコン塗料などと呼ばれる塗料を使って、下塗りから中塗り、上塗りと3回塗りで仕上げます。
アルミ製扉は強溶剤
強溶剤(きょうようざい)は石炭やコークスなどの石炭から作られる燃料を使用して製造したものをいいます。トルエン・キシレンなどの芳香族炭素水素、エステルやケトンなどの強力な溶解力がある溶剤を使用しています。
ラッカーシンナーやウレタンシンナーなどの強いシンナーを使用しており、物を溶かす能力が強い溶剤になります。
金属製扉を塗装する施工手順と工期
ここでは、金属製扉を塗装する施工手順について解説します。
金属製扉の塗装にかかる日数は2〜4日程度です。扉の汚れやサビ落とし、傷の補修などがあればその分工期は伸びます。
金属製扉を塗装する工程は以下のとおりです。
- ケレン作業を含めた下地処理
- 下塗り(錆止め)
- 中塗り
- 上塗り
金属製扉も、外壁や屋根塗装などと同様に、下地処理を行い、下塗り>中塗り>上塗りの3回塗りが基本となります。使用する塗料によっては、下塗りがいらない塗料もあり、その場合、工事は少し短縮されます。
各塗装工程の間には乾燥時間も含まれているため、短くても2日、長くて4日程度かかります。
金属製扉の塗装をする際の注意点
ここでは、金属製扉の塗装をする際の注意点について解説します。注意点は以下の4つです。
- 扉の素材を確認してから塗装する
- 金属製扉のメンテナンス実績が豊富な業者に依頼する
- 相見積もりを複数の業者へ依頼する
- 外壁塗装・屋根塗装と一緒にすると費用を抑えられる
扉の素材を確認してから塗装する
金属製といっても、鉄製のほかにアルミ製や鋼板(スチール)製、ステンレス製などさまざまな素材が存在します。金属製以外にも木製の扉もあります。
木製や鉄製は塗装できますが、ほかの素材は特殊な塗料が必要だったり、塗装自体ができない扉もあります。間違った工事をされないためにも、どのような工事をするのか、工事前に確認するようにしましょう。
金属製扉のメンテナンス実績が豊富な業者に依頼する
扉が金属製であれば何でも塗装できるわけではありません。これまで解説したように、アルミ製の扉は吹付けと呼ばれる特殊な塗装工程でなければ、塗膜が密着せずに剥がれやすくなります。
扉の素材の特性を理解し、きっちりとした作業工程を踏める業者でなければ塗装は成功しません。実績がない業者の場合、間違った施工方法によって、すぐに剥がれてしまうなど不具合が起こる可能性があります。
塗装を依頼する際は、業者のホームページ内の施工実績を見てみたり、直接業者に問い合わせをしてみたりするなどの確認をしてから依頼するようにしましょう。
相見積もりを複数の業者へ依頼する
塗装を業者へ依頼する際は、必ず複数の業者から相見積もりを取るようにしましょう。相見積もりを取る理由は、金属製扉の塗装費用の相場を把握するためです。
塗装費用は使用する塗料や塗装範囲、扉の状態によっては補修費用なども上乗せされます。また、業者によっても出してくる価格は異なります。
業者によっては、多少費用を上乗せしても素人にはわからないだろうと足元を見てくる悪徳業者もいます。そのような業者に騙されないようにするためにも、価格を把握して適正価格で工事をしてほしいのです。
比較する業者は3社程度が比較しやすく、決めやすいのでおすすめです。
外壁塗装・屋根塗装と一緒にすると費用を抑えられる
扉以外にも、外壁塗装や屋根塗装などと一緒に工事をすることで、費用を抑えられる場合があります。一度で工事をすることで人件費や作業工賃などが抑えられます。
外壁や屋根塗装なども含めると支払う費用は高くなりますが、業者に依頼する手間や生活の制限なども一度で済むので、合わせて行いたい作業がある場合は一度業者へ相談してみるとよいでしょう。
まとめ
金属製扉をDIYで行うのはおすすめしません。鉄製の金属製扉の場合は外壁や屋根などに使用される一般的な塗料が使えますが、アルミ製の場合は強溶剤塗料を使用し、吹付けと呼ばれる方法で塗装しなければ密着しません。
塗装が難しく、業者でも断るところもあるほどです。そのため、DIYではなく、さまざまな金属製扉の塗装実績がある業者へ依頼することをおすすめします。
業者に依頼した場合のメンテナンス費用は以下のとおりです。
- 塗装:1枚あたり3〜10万円程度
- カバー工法:15〜45万円程度
- 扉の交換:30〜45万円程度
- リメイクシートの貼り付け:5〜15万円程度
金属製の扉の塗装実績がある業者を探す際は「ペイントGO」がおすすめです。ペイントGOは、優良な塗装業者を探せる検索サイトです。
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