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クリア塗装ってどんな塗装?
クリア塗装とは、名前の通り、透明な塗装のことを意味します。
新築の際に一生懸命選んだデザインの外壁を単色で塗りつぶしてしまうのは惜しいといった理由から、クリア塗装を選ばれる方も多いようです。 普段DIYをされる方はニスを使ったことがあると思います。
クリア塗装は、ニスのようなイメージです。外壁に白や茶色など新しい色を塗ってきれいにするのではなく、現在の外壁の雰囲気や色味をそのまま崩さずに外壁の耐久性を上げる塗料です。クリア塗装をすると、現在の外壁に艶が出て、外壁を美しく保つことができます。
クリア塗装が使われるケース
一昔前までは、モルタルのような塗り壁が主流でした。しかし近年ではサイディング外壁材を貼り付ける形の家が増えています。
サイディングは使っている色数が多かったり、凹凸が深かったりするためデザイン性が高く人気の外壁材。皆さんもレンガ調の外壁を見たことがあると思います。レンガ調の外壁もサイディング外壁のケースが多いです。実際、新築で最も多いのがサイディングです。
サイディング外壁は、メンテナンスの際に塗りつぶし塗装をしてしまうと色が単一になり、せっかく選んだデザインなのに意味がなくなってしまうといったことも。一方でクリアー塗装なら、サイディングのデザインを活かしたままメンテナンスすることが可能になります。
クリア塗装の耐用年数
クリア塗料は、既存のサイディングのデザインや色味、風味をそのまま活かしつつ外壁を保護することを目的とした塗料です。
これはどんな塗装にも言えることですが、塗膜の色褪せや劣化が進んでしまう前に塗り替えることが重要です。種類にもよりますが、一般的に塗膜の耐用年数は10年だと言われています。
しかし、外壁の劣化が進むとクリアー塗料では対応が難しくなってしまうため、7~8年程度で塗り替えをおこなうことをおすすめいたします。
クリア塗装のメリットとデメリット
クリア塗装のメリット
元のサイディングのデザインを活かせる
やはりクリア塗装の最大のメリットは、元のサイディング外壁のデザインを活かしたまま塗装が行えることです。
サイディングは様々なデザインがあり、今のデザインが気に入っている場合、上から塗りつぶしてしまいたくないという人にはぴったりです。
紫外線などから外壁を保護し長持ちさせる
クリア塗装を行うことで、紫外線や風雨などの劣化要因から外壁を保護することで、外壁の劣化を抑えて長持ちさせることができます。
塗膜が透明なクリア塗装でも、色付きの塗装と同じく保護効果があり、外壁を劣化させる各種の要因から守ることができます。
またクリア塗装にもシリコン樹脂やフッ素樹脂など色々な種類があり、選ぶ種類によっては現在のデザインを保ちながらさらに長期間外壁を保護することができます。
外壁に艶を出し、光沢感を選べる
クリア塗装を行うことで、外壁に艶(光沢)を出すことが可能です。
また艶を出す度合いも塗料によっては、7分艶、5分艶、3分艶、艶なしなどから選ぶことができます。
きれいな艶をだしたい、もしくはマットな質感がいいなどお好みによって選ぶことができます。
チョーキングが発生しない
チョーキングとは、外壁の劣化症状の一つです。壁を触った時に手に白い粉がついてしまったことはありませんか?この現象はチョーキングといって、劣化した塗料が粉となって浮き出てしまっているのです。
塗料に色をつけるには顔料を使用しますが、クリア塗装はこの顔料を含みません。
顔料は紫外線に当たることで劣化が進んでやがて粉状になって表面に出てきます。顔料を含まないクリア塗装はこのチョーキング現象を起こしにくくなっています。
下塗り不要のため、工程が比較的少なく済む
通常の色付き塗料では、下塗り、中塗り、上塗りの三回塗装が基本ですが、クリア塗装では中塗り、上塗りの二回塗装が基本となります。
そのため塗装+乾燥という工数が一回減る分、工期が短くなり、費用も安くなる可能性があります。
しかしフッ素など耐候性の高い塗料を選べばその分費用が高くなり、また下地の状態によっては下塗りが発生することもあるため、一概には言えません。
クリア塗装のデメリット
劣化が進みすぎた外壁には不向き
クリア塗装は、色で塗りつぶさないため、現在のデザインをそのまま活かせますが、その反面透明な分、補修後などがそのまま見えてしまいます。
また、チョーキングが発生している外壁にクリア塗装をしてしまうと、チョーキングの粉が塗料の中に閉じ込められてしまって美観を損ねるだけでなく、劣化が進行してしまうこともあります。
色付きの塗料よりも早めのメンテナンスが必要
外壁が透けて見えてしまうクリア塗装は、外壁の劣化が進んでいると施工できません。
そのため、外壁の劣化が進む前に塗り替えが必要です。たとえば色付き塗料による外壁塗装は、チョーキングが発生したり、色褪せやひび割れが起こってから行うことが多いですが、クリア塗装の場合はこのような劣化症状が起こる前に塗装が必要なため、色付き塗料よりもメンテナンスサイクルが早くなります。
クリア塗装に適していない外壁は?
これまでに説明の通り、クリア塗装は施工に適さない外壁があります。こちらではクリア塗装ができない外壁についてご紹介します。
特殊なコーティングが施されたサイディングボード
光触媒、無機、フッ素といったコーティングがされたサイディングボードは、特殊なコーティングがされているため、上からクリア塗料を塗っても剥がれてしまう可能性があります。
そのため、これらはクリア塗装ができない外壁材として覚えておきましょう。
最近では特殊コーティングされた外壁にクリア塗装するための下塗り材なども発売されています。しかしすべての外壁に施工できるわけではないため、業者にしっかりと状態を調査してもらうことが重要です。
チョーキングなど外壁の劣化が進んでしまっている場合
上でもご紹介したようにチョーキング現象が起きている外壁にはクリア塗装は適していません。
外壁にひび割れや風化などの劣化がある場合、一般的な外壁塗装ですとその箇所の補修を行った際に上から塗料で色を塗りつぶしてしまうので見栄えに問題はありません。
しかしクリア塗装の場合、塗料が透明なため補修の跡が塗装後も見えてしまうため、見栄えが悪くなってしまいます。
代表的なクリア塗料
クリア塗料の中でも、よく使われている代表的な塗料をご紹介します。
「UVプロテクトクリヤー」日本ペイント
シリコン系。高耐久性に優れ、防カビ・防藻性も備えています。
公式ページ:ピュアライドUVプロテクトSiクリヤー|日本ペイント株式会社
「プレミアムUVクリヤーSi」エスケー化研
シリコン系。親水性によって汚れが付きにくく、塗膜の劣化も抑制します。
公式ページ:プレミアムUVクリヤーSi|エスケー化研株式会社
「ロイヤルセラクリヤー」菊水化学工業
シリコン系。超低汚染性に優れ、高い親水性によってセルフクリーニング機能が向上。
公式ページ:ロイヤルセラクリヤー|菊水化学工業
製品ごとに、艶あり/艶なしなどの仕上がりの違いや、相性のよい下地材がありますので、業者とよく相談のうえ選ぶことが大切です。
クリア塗装のベストタイミングとは?見極めのポイントをチェック!
クリア塗装は、外壁がまだきれいな状態で行うことが非常に重要です。
塗装に適したタイミングを逃さないために、以下のポイントを目安にチェックしてみてください。
クリア塗装が可能な状態チェックポイント
- 外壁にツヤ(光沢)が残っている
- 手で触っても白い粉(チョーキング)が出ない
- ひび割れや剥がれがない
- 目立つ汚れやカビがない
- 補修跡などがほとんど見られない
これらの条件を満たしていれば、クリア塗装によるメンテナンスが可能な場合が多いです。
築7~8年以内に一度プロによる診断を受けることをおすすめします。劣化が進んでからでは、せっかくのデザイン性を守ることが難しくなってしまいます。
クリア塗装で失敗しないために―業者選びと契約時のポイント
クリア塗装は塗装できない外壁も多いため、外壁の状態や下地の種類を見極めたうえでの適切な診断と判断力が求められる施工です。そのため、業者選びはとても大切なポイントです。
信頼できる業者を見極めるチェックポイント
- 現地調査で現在の外壁の素材や状態、コーティング有無を丁寧に確認してくれる
- 塗料の種類や艶感、グレードについて具体的に説明してくれる
- クリア塗装が不向きな場合には代替案を提案してくれる
- これまでの施工事例が豊富
- 保証内容が明記されている(塗膜の剥がれ・変色などに対応)
これらを契約前にしっかり確認することで、施工後の「こんなはずじゃなかった…」を防ぐことができます。
クリア塗装は魅力的な選択肢ですが、適したタイミング・業者の知識と経験があってこそ、本来の効果を発揮します。
まとめ
クリア塗装は、サイディング外壁のデザイン性を保ちながら、美観と耐久性を両立できる魅力的な塗装方法です。
ただし、外壁の劣化が進んでからでは施工が難しくなるため、適切なタイミングでのメンテナンスが非常に重要です。また、すべての外壁に対応できるわけではないため、信頼できる業者による診断と提案を受けることが成功のカギとなります。
「今のデザインをそのまま残したい」「外壁を長持ちさせたい」とお考えの方は、ぜひ早めに専門業者にご相談ください。外壁の状態を確認したうえで、最適な塗装プランをご案内いたします。
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【クリア塗装を使用した施工事例】