外壁の劣化症状を放置するとどうなる?考えられる4つのリスク
外壁の劣化症状を放置すると、住まいにとって深刻な問題を引き起こす可能性があります。ここでは、考えられる4つのリスクについて詳しく説明します。
- 雨漏り
- 構造躯体の腐食
- シロアリの発生
- 健康被害
ひとつずつ見てみましょう。
①雨漏り
外壁の劣化が進むと、防水機能が低下し雨水が侵入しやすくなります。雨漏りが発生すると、天井や壁にシミやカビが発生し、さらには腐食が進む可能性があります。また、床や家具も被害を受け、断熱材の劣化や電気系統のショートなどを引き起こすかもしれません。雨漏りは放置すればするほど深刻な問題に発展し、早めの発見と対策が重要です。
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②構造躯体の腐食
外壁は、住まいの構造体を保護する重要な役割を果たしています。外壁が劣化すると、その防水性が低下し、雨水や湿気が建物内部に侵入する可能性が高まります。雨水や湿気の侵入は、構造体の腐食を引き起こし、建物の安全性に深刻な影響を与えかねません。
特に、構造躯体の腐食は、建物の耐久性や構造的な安定性に直接関わる重大な問題です。腐食が進行すると、柱や梁などの構造要素が弱体化し、建物全体の構造が危険にさらされる可能性があります。場合によっては、構造躯体の腐食が建物の倒壊につながるかもしれません。そのため、外壁の劣化は建物の安全性にとって深刻なリスクとなり、定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせません。
③シロアリの発生
外壁が劣化して内部に湿気が溜まると、シロアリの発生リスクが高まります。その結果、住まいの構造体に大きな損傷を与えるかもしれません。シロアリは湿った木材を好む特性をもっているため、内部の木材を侵食して構造体を弱体化させます。
シロアリの発生により、建物全体の耐久性や安全性が脅かされるだけでなく、修復や防除のための費用も増大してしまいます。したがって、外壁の劣化を放置することは、シロアリの発生を促進し、被害を拡大させる可能性があることを示唆しているため、早期発見と対処が重要です。
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④健康被害
健康被害として挙げられるリスクは多岐にわたります。たとえば、外壁に発生したカビや藻は、室内の空気品質を低下させ、微生物や有害な化学物質を拡散させる可能性があります。結果として、アレルギー反応や呼吸器疾患の発症リスクが増加するかもしれません。
特に、小さなお子様や高齢者などは、免疫系が未発達または弱っているため、健康被害を受けやすい傾向にあります。長期間にわたってカビや藻が存在する場合、これらの微生物が放出する有害な物質は、室内の空気中に蓄積し、家族全体の健康に影響を与える可能性があります。
また、呼吸器疾患やアレルギー反応が慢性化すると、日常生活や仕事への影響が大きくなり、医療費や生活コストが増大することも考えられます。そのため、健康被害を最小限に抑えるためには、外壁の定期的な点検とメンテナンスが必要不可欠です。
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外壁が劣化する原因とは?
そもそも、なぜ外壁は劣化するのでしょうか。外壁が劣化するのは、主に以下の原因が考えられます。
- 紫外線
- 雨風
- 温度変化
紫外線は外壁塗装の樹脂を直接的に照射し、分解させてしまいます。特に、南面の外壁は日当たりが良く、太陽の光が長時間直接当たるため、紫外線の影響をより強く受ける傾向があります。結果的に、塗膜が剥がれたり色あせたりすることがあります。
また、雨や風も外壁にさまざまなダメージを与える要因です。雨が降ると、外壁表面に水滴が当たり、その水滴が外壁塗装の表面を侵食することで、徐々に塗膜が劣化していきます。特に、豪雨や集中豪雨の場合、大量の水が外壁に当たり、水圧によって外壁塗装が剥がれることがあります。
さらに外壁は、昼夜の温度差や季節による温度変化に常にさらされています。太陽光が直接当たる昼間には外壁が熱せられ、夜間になると急激に冷えます。また、季節ごとの気温の変化も外壁に影響を与えかねません。このような温度変化により、外壁は伸縮するため、塗装に亀裂が生じる原因となります。特に、急激な温度変化や極端な気温の変化がある地域では、外壁の伸縮がより顕著に現れる傾向があります。
外壁の劣化症状の種類
外壁の劣化は、さまざまな症状を引き起こします。以下に、外壁の劣化症状の主な種類を挙げます。
- 色褪せ
- カビや苔の発生
- チョーキング
- コーキングの劣化
- 塗膜の剥がれ
- ひび割れ
- 錆の発生
それぞれの劣化症状について、簡単に見てみましょう。
①色褪せ
色褪せは、外壁の塗装が長期間にわたって太陽光や気候の影響を受けることで生じる現象です。具体的には、太陽光に含まれる紫外線が外壁表面に直接照射されることで、塗膜中の顔料が分解され、色が褪せていきます。
また、気候条件によっても色褪せが進行します。たとえば、高温多湿の地域では湿気による塗膜の劣化が進みやすく、色褪せが早く進行する傾向があります。同様に、雨風にさらされることで塗膜が摩耗しやすくなり、色褪せが進行することも考えられます。
②カビや苔の発生
カビや苔の発生は、湿気や雨水の影響を受けた外壁表面に見られる現象です。湿気の多い環境や雨水のかかる場所では、外壁表面で湿潤な状態が続き、カビや苔の繁殖に適した条件が整います。特に、日陰になりやすい場所や通気が悪い場所では、カビや苔の発生がより顕著に現れる傾向があるでしょう。
カビや苔が外壁表面に繁殖すると、外壁が劣化することはもちろん、美観を損ねてしまうリスクもあるので注意が必要です。
③チョーキング
チョーキングは、外壁の塗装表面から塗料が劣化し、粉状になって剥がれる現象を指します。外壁の塗膜が長期間にわたって太陽光や気候の影響を受けることで、塗料中の樹脂が分解されることに起因します。
チョーキングは、塗膜の劣化を示す兆候のひとつであり、外壁を指でなでると手に粉が付くことがあります。特に、明るい色の塗料や薄い色の塗料では、チョーキングがより目立ちやすくなります。チョーキングが進行すると、外壁の色合いが不均一になったり、外壁表面が粉塵で覆われるなどの問題が生じます。また、チョーキングが放置されると、外壁の保護機能が低下し、外壁材料が劣化しやすくなるため、定期的な外壁の点検とメンテナンスが重要です。
④コーキングの劣化
外壁はさまざまな部位が接合されており、その隙間を充填するためにコーキング材が使用されています。コーキング材は、外部からの雨水や湿気の侵入を防ぐ役割を果たしています。しかし、経年劣化や気候条件の変化などにより、コーキング材が劣化して柔軟性を失ったりひび割れたりすることがあります。その結果、コーキング材の密閉性が低下し、外部から雨水や湿気が入り込んでしまうかもしれません。
雨水や湿気が侵入してしまうと、建物内部の壁や天井に水漏れやシミ、カビの発生などの問題が引き起こされる可能性があります。また、コーキング材の劣化によって、外壁の材料自体も劣化しやすくなり、建物の耐久性にも影響を与えます。したがって、劣化が進んでいるコーキング材は早めに交換するなどの対策を行い、建物の防水性や耐久性を維持することが欠かせません。
⑤塗膜の剥がれ
塗膜剥がれは、外壁の塗膜が表面から剥がれ落ちる現象を指します。塗膜が剥がれると、外壁表面の下地が露出し、外部からの雨水や湿気、紫外線などの影響を受けやすくなります。特に、塗膜が剥がれた部分は、外壁自体も劣化しやすくなり、さらなる損傷につながりかねません。
また、塗膜の剥がれは施工不良や不適切な塗料の選定などが要因で引き起こされることもあります。塗膜の剥がれが放置されると、外壁の劣化が進行し、修復費用が増加するだけでなく、建物の外観や耐久性にも悪影響を与えるため、定期的な点検とメンテナンスが重要です。
⑥ひび割れ
ひび割れは、外壁材の伸縮や地盤の沈下などのさまざまな要因によって、外壁表面に亀裂やひび割れが生じることを指します。ひび割れが発生すると、外壁の表面に亀裂が入り、水や湿気が侵入することで、外壁材料の劣化が進行しやすくなります。
その結果、外壁の強度や防水性が低下し、建物全体の耐久性に影響を与える可能性があります。外壁のひび割れを放置すると、劣化が進行して建物全体の安定性や美観に深刻な影響を及ぼす恐れがあるため、定期的な点検とメンテナンスが必要不可欠です。
⑦錆の発生
外壁の劣化症状のひとつとして、金属製の外壁材や、金属製の釘やビスに錆が発生するケースも多々あります。錆は周辺の塗装を剥がし、劣化を進行させる原因にもなります。錆が発生すると、外壁の美観が損なわれるだけでなく、外壁の耐久性も低下してしまいます。そのため、錆の発生が見られた場合には、早急な対処が必要です。
外壁が劣化したときの適切な対処方法
外壁の劣化症状は、程度や場所によって適切な対処方法が異なります。以下では、代表的な3つの対処方法について詳しく解説します。
- 部分保守
- 塗装
- 重ね張りや張り替え
ひとつずつ見てみましょう。
①部分補修
外壁の一部が劣化している場合や、カビや苔の除去だけで済む場合には、部分補修が適切な対処方法となります。部分補修では、劣化した部分を切り取り、新しい材料を補填することで、外壁の強度や美観を維持することが可能です。全体の外壁を新しく張り替える必要がないため、費用や手間を節約できます。
なお、劣化が著しい場合には、部分補修だけでは不十分かもしれません。プロの業者に点検してもらい、適切な対処方法を選択してもらうことが重要です。
②塗装
外壁の塗装は、色褪せや塗膜の剥がれが全体的に見られる場合に適切な対処方法となります。塗装によって、雨水や紫外線から外壁表面を保護し、耐候性や耐久性を向上させることが可能です。また、塗装には防水性を向上させる効果もあります。
なお、外壁の塗装にはさまざまな種類の塗料があり、建物の材料や環境に応じて適切な塗料を選択することが欠かせません。また、塗装作業は専門的な技術と知識が必要なため、信頼できる業者に依頼することが重要です。その他、塗装の前に適切な下地処理や点検を行うことも、塗装の効果を最大限に引き出すために重要な要素です。
③重ね張りや張り替え
外壁全体が劣化しており、部分的な補修や塗装では解決しない場合には、重ね張りや張り替えが適切な対処方法として考えられます。重ね張りや張り替えによって、建物の外観が一新するだけでなく、耐久性や防水性が向上するため、建物全体の価値を高めることができます。
ただし、重ね張りや張り替えは高額な費用がかかる上、工事期間が長くなるため、慎重な検討が必要です。また、建物の外壁材料や構造、地域の気候条件などに応じて、最適な材料や工法を選択することも重要です。そのため、業者との十分な相談が必要不可欠となります。
【まとめ】
今回は、外壁の劣化症状やその対処方法について詳しく解説しました。外壁は、主に紫外線や雨風によって劣化症状を引き起こします。具体的には、色褪せやカビ・苔の発生、チョーキング現象などが劣化症状として挙げられます。また、劣化が進行すると、塗膜の剥がれやひび割れなどを引き起こすかもしれません。
外壁の劣化を放置すると、雨漏りの発生や構造躯体の腐食など、深刻な問題に発展してしまうため、被害を最小限に抑えるためにも早めの対処が重要となります。外壁の劣化に対する適切な対処方法には、部分補修や塗装、張り替えなどがあります。劣化症状や使用する外壁材などを考慮し、適切な対処方法を選びましょう。
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