外壁塗装の手抜き工事はなぜ起きる?
外壁塗装では、残念なことに手抜きをされるケースが多くあります。では、なぜ外壁塗装の手抜き工事は起きてしまうのでしょうか。考えられる理由は、以下の2つです。
- 発覚しづらい
- 下請け業者に丸投げしている
それぞれの理由について、簡単に見てみましょう。
理由①発覚しづらい
外壁塗装の手抜き工事が発覚しにくいのは、一般の目には簡単に見抜けないからです。外壁が美しく塗装されているように見えても、実際には下地処理が不適切だったり、塗料の塗布量が不足していたりする可能性があります。実際に、不適切な下地処理や塗布量はしばらくの間目に見えないため、すぐに気づくことが難しいでしょう。
しかし、時が経つにつれて、塗膜の剥がれやひび割れ、色あせなどが現れることで、手抜き工事が露呈されることがあります。そのため、外壁塗装を依頼する際には信頼できる業者を選ぶことや、工事内容や塗装材料について細かく確認することが重要です。また、定期的な点検やメンテナンスを行うことも、手抜き工事を早期に発見するための重要な手段となります。
理由②下請け業者に丸投げしている
大手塗装会社や建築会社が外壁塗装の工事を引き受ける場合、実際の作業は下請け業者に委託されます。しかし、この下請け業者による作業は時に問題を引き起こすことがあります。なぜなら、下請け業者は価格競争に巻き込まれ、コストを削減するために安価な材料を選択したり、手抜きの施工方法を選んだりすることがあるからです。その結果、品質の低下や耐久性の欠如といった問題が生じる可能性があります。
また、大手企業と下請け業者との間でのコミュニケーション不足や監督不足が、手抜き工事が行われるリスクを高める要因となります。下請け業者が独自の判断で作業する際には、元請け企業が正確なガイドラインを提示し、作業の進行状況を適切に監視することが必要です。
外壁塗装の手抜き事例10選
前述のとおり、外壁塗装の手抜き工事は発覚しづらいため、気づかないうちに被害に遭うケースが後を絶ちません。したがって、どのような手抜き事例があるのかを知っておくことで、未然にトラブルを回避することが重要です。
ここからは、実際に起こり得る手抜き事例についてみていきましょう。今回紹介する事例は、以下の10個です。
- 簡易的な足場を使う
- 養生が雑
- 高圧洗浄をしない
- 下地処理が十分でない
- コーキング処理が甘い
- 塗料を過度に薄めている
- 塗り回数が少ない
- 見積書に記載の塗料と別のものを使用している
- 悪天候でも施工を進める
- 縁切りをしていない
それぞれ簡単に解説していきます。
事例①簡易的な足場を使う
簡易的な足場を使用する場合、工事現場の安全性が十分に確保されない可能性があります。たとえば、適切な補強や安定性の確保がなされていない簡易的な足場は、高い場所で作業する際に危険を伴います。足場の組み立てや設置が不十分であれば、作業員が落下したり、足場が崩れたりする危険性も高まります。
また、簡易な足場では十分な作業スペースや安全な移動経路が確保されないこともあります。その結果、作業効率が低下し、事故や怪我のリスクが増大する可能性があります。したがって、安全基準を遵守せず、適切な足場を使用しない業者には注意が必要です。
事例②養生が雑
養生が雑な場合、建物の窓ガラスやドア、外壁の隣接部分などに塗料が飛散し、不要な汚れや付着物が生じてしまいます。また、植物や地面に塗料が付着すると、植物の成長を妨げたり、地面を汚したりする可能性もあります。さらに、塗料が周囲に飛び散ることで、通行人や近隣住民の不快感や被害を引き起こすこともあるでしょう。
事例③高圧洗浄をしない
外壁塗装において、高圧洗浄の作業は欠かせません。仮に高圧洗浄をしなかった場合、外壁の塗装面に汚れや古い塗膜が残ったままとなり、新しい塗料の密着性や耐久性に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、塗膜が剥がれやすくなるほか、不均一な塗り面や塗膜の剥離、さらには塗装面の劣化を引き起こすリスクが高まります。
したがって、適切な高圧洗浄を行わない業者は、外壁塗装工程の欠陥や耐久性の低下をもたらす恐れがあるため要注意です。
事例④下地処理が十分でない
下地処理が不十分である場合、外壁の表面にあるクラックや亀裂などの欠陥が修復されず、新しい塗料の密着性が低下します。つまり、外壁の表面の凹凸や傷が修復されないまま塗装が行われると、塗料が不均一に塗布される可能性があり、その結果、塗膜の耐久性が低下します。
また、表面の不均一性や凹凸が塗料の密着性を妨げ、塗膜が剥がれやすくなったり、浮き上がったりする可能性もあります。したがって、適切に下地処理を行わない業者に依頼してしまうと、塗装の効果や寿命が低下する恐れがあるので気をつけましょう。
事例⑤コーキング処理が甘い
通常、コーキングは外壁の隙間や窓枠、ドア枠などの接合部分に施され、外部環境からの浸水や風の侵入を防ぎ、建物内部の保温性や防湿性を高める役割を果たします。しかし、コーキング処理が不適切であると、隙間や接合部分から水や湿気が侵入し、建物内部の構造物が腐食する可能性があります。また、コーキングが不十分であると、外壁の塗膜の劣化や剥がれが進行する可能性もあります。
したがって、適切なコーキング処理は、外壁塗装工程において非常に重要であり、建物の耐久性や防水性を確保するために欠かせない工程です。不適切なコーキング処理によって、建物の品質や耐久性に悪影響が及ぶので、コーキング処理で手を抜く業者に依頼するのは避けましょう。
事例⑥塗料を過度に薄めている
通常、塗料は適切な比率で溶剤と混合され、塗装面に均一な塗膜を形成するために使用されます。しかし、塗料を過度に薄めると、塗料の粘度が低下し、塗膜が薄くなるだけでなく、密着力や耐久性も低下します。
つまり、塗料が薄められると、塗膜が塗装面にしっかりと密着せず、時間の経過とともに剥がれやすくなります。また、塗料が薄められると、塗膜の防水性や耐候性が低下し、雨や紫外線などによる影響を受けやすくなります。さらに、塗料が薄められると、塗膜の均一性が損なわれ、色調や光沢にばらつきが生じる可能性も。したがって、適切に塗料を扱わない業者には十分な注意を払う必要があります。
事例⑦塗り回数が少ない
外壁塗装は複数の塗り重ねを行うことで、適切な塗膜の厚みを確保し、建物を外部の環境から保護しています。しかし塗り回数が少ない場合、塗料の厚みが不足し、外壁の表面を十分に保護できません。その結果、雨や紫外線などの影響を受けやすくなり、外壁の劣化や色あせ、剥がれなどの問題が生じてしまいます。
また塗り回数が少ないと、塗膜の均一性や密着性も損なわれ、塗装面全体に不均一な色調や質感の変化が生じる可能性もあります。したがって、適切な塗り回数を守ることは、外壁塗装工程において極めて重要であり、耐久性や保護力を確保するために欠かせません。
事例⑧見積書に記載の塗料と別のものを使用している
見積書に記載された塗料とは異なる塗料を使用することで、予期しない問題が発生するかもしれません。たとえば、見積書に記載された塗料よりも品質が低い塗料を使用すると、塗膜の耐久性や防水性が不足し、外壁の劣化や変色、剥がれなどの問題が生じる可能性があります。
また、異なる塗料を使用することで、塗装面の質感や色調が予想外に変化することもあり、消費者が望んでいた外観や仕上がりとは異なる結果をもたらす可能性があります。したがって、見積書の内容を厳密に遵守し、決められた塗料が使用されているかを確認することは極めて重要です。
事例⑨悪天候でも施工を進める
悪天候下での施工は、塗料の品質や耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。たとえば、雨が降ると塗料が十分に乾かず、塗膜の形成や硬化が適切に行われません。その結果、塗装面の品質が低下し、塗膜が剥がれたり変色したりする恐れがあります。
同様に、強風の場合は塗料が均一に塗布されず、塗膜が薄くなる可能性があり、外壁の保護力や耐久性を低下させる要因となります。さらに、高温や低温などの極端な気象条件下での施工も、塗料の硬化や乾燥に影響を与え、外壁塗装の品質や持続性に悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、悪天候でも無理に施工を進めようとする業者には十分注意しましょう。
事例⑩縁切りをしていない
縁切りとは、塗料で固着した屋根瓦同士の境界を切り離す作業のことを指します。具体的に、縁切りが必要になるのは「スレート屋根」の場合です。
縁切り作業を怠ると、雨水が適切に排水されず、雨漏りの原因となる可能性があります。雨漏りのリスクを考慮しても、縁切りを怠るのは明らかな手抜きと言えるでしょう。
外壁塗装で手抜き工事をされてしまったら?具体的な対処法とは
「外壁塗装で手抜き工事をされてしまったら、どのような行動を取れば良いの?」と不安に思っている方も多いでしょう。ここからは、外壁塗装で手抜き工事をされてしまった場合の対処法について紹介します。
具体的な対処法は、次の2つです。
- やり直しを依頼する
- 外部機関に相談する
それぞれの方法を簡単に紹介します。
対処法①やり直しを依頼する
手抜き工事が行われた場合、まずは施工業者に直接問題を指摘し、適切な修正や再施工を依頼することが重要です。契約書や見積書などの書面に記載された内容と実際の施工内容が一致しない場合、契約違反として修正を求めることができます。
なお、施工業者と交渉する際には、具体的な問題点や改善すべき箇所を明確に伝えることが欠かせません。また、施工業者との交渉が難しい場合は、法的手段を検討することも視野に入れましょう。
対処法②外部機関に相談する
手抜き工事に関する問題が解決しない場合、消費者センターや住宅リフォーム紛争処理支援センター、弁護士などの外部機関に相談することもひとつの方法です。これらの機関は消費者の権利や法的保護を支援し、不当な施工やトラブルの解決を手助けしています。
相談時には、契約書や見積書、写真などの証拠を持参し、問題の具体的な内容を説明することが重要です。外部機関の助言や指導を受けながら適切な対処法を検討し、問題解決に向けた行動を取りましょう。
外壁塗装の手抜き工事による被害に遭わない方法
外壁塗装の手抜き工事にはさまざまな事例があり、万が一被害に遭ってしまったら状況に応じて対処しなければなりません。そのような事態を引き起こさないように、まずは被害に遭わない方法を理解し、トラブルを未然に防ぐことが重要です。
ここからは、外壁塗装の手抜き工事による被害に遭わない方法を具体的に見てみましょう。紹介する方法は、次の4つです。
- 業者の実績を調べる
- 業者の対応力を見極める
- 見積書の内容を精査する
- 相場を把握する
ひとつずつ見ていきましょう。
方法①業者の実績を調べる
信頼できる業者を選ぶためには、口コミやレビューといったさまざまな手段を駆使し、過去の実績や評判を詳しく調査することが必要不可欠です。他のお客様の評価や感想を参考にして、客観的な意見を取り入れましょう。
また、地元の建設業界での評判や信頼度も重要な要素です。地域社会において一定の評価を得ている業者は、信頼できる可能性が高いでしょう。
方法②業者の対応力を見極める
業者の信頼性や対応力を確かめるために、まずは見積もりを依頼しましょう。その際、業者が丁寧に点検してくれるかどうかや、質問に対して明確な説明があるかどうかを確認することが重要です。業者が的確に建物の状況を把握し、適切なアドバイスや提案を行ってくれるかどうかを注視しましょう。
また、業者とのコミュニケーションがスムーズであるかどうかも大切なポイントです。業者との円滑なコミュニケーションが図れるかどうかは、仕事の進行や問題解決において重要な要素となります。信頼できる業者は、顧客とのコミュニケーションを大切にし、丁寧な対応と誠実な姿勢を持っています。そのため、業者との対話ややり取りを通じて、対応力や姿勢を十分に確認することが欠かせません。
方法③見積書の内容を精査する
見積書には工程や材料、費用などの重要な情報が記載されているので、すべての情報が明確に記載されているかどうかを確認しましょう。特に、工程や材料の内容が具体的かつ詳細に記載されているかを注意深く確認してください。
適切な見積書は、業者の信頼性や施工内容を正確に判断する上で重要な情報源となります。したがって、見積書の内容を慎重に確認し、不明な点や疑問点があれば業者に問い合わせるなど、適切な対応を行うことが大切です。
方法④相場を把握する
外壁塗装の相場を把握することも、信頼できる業者を選ぶ上で大切です。相場を把握することで、高額な見積もりや不当な追加料金などを見抜くことができます。また、相場を理解すれば、同じ内容の施工であっても異なる業者から提示される見積もりの価格差を理解し、適切な価格設定かどうかを判断することが可能です。
そのため、複数の業者から見積もりを取得し、相場を比較することが必須といえます。相場を比較すれば、適正な価格設定かどうかを客観的に判断し、手抜き工事をしない適切な業者を選択できるでしょう。
まとめ
今回は、外壁塗装の手抜き事例と、手抜き工事による被害に遭わない方法を解説しました。外壁塗装の手抜き工事には、簡易的な足場を使ったり、塗料の取り扱いが不適切であったりするなど、さまざまな事例があります。
なお、手抜き工事はなかなか発見しづらく、あとから被害に気づくケースが後を絶ちません。したがって、あらかじめ手抜き事例を理解し、被害に遭わない方法をマスターしておくことが極めて重要です。
手抜き工事による被害に遭わないためには、依頼する業者の実績を調査したり、対応力を見極めたりすることが欠かせません。また、見積書の内容を細かく精査するのも効果的です。
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