外壁塗装と防水工事、なぜセットで考えると得なのか
足場代が1回で済む
外壁塗装の費用を分解すると、意外と「足場代」が大きなウェイトを占めていることに気づきます。総費用の15〜20%、30坪の住宅であれば15〜25万円程度が足場だけにかかるコストです。
防水工事も、ベランダや屋上の高い場所を施工するためには足場が必要になります。外壁塗装と別々に発注すれば、足場代が2回分かかる。それだけで余計に数十万円が飛んでいきます。
「バルコニーの防水は2〜3年後でいいか」と後回しにしている方にこそ、この話は聞いてほしいのです。今のタイミングで一緒にやれば、将来また足場を組む費用がそっくりなくなります。
工期をまとめて終わらせるメリット
工事期間中は、近隣への挨拶、養生シートによる窓の閉塞、業者の出入り、騒音など、生活に少なからず影響が出ます。
外壁塗装だけで2週間前後。防水工事を別途発注すると、そこにさらに数日〜1週間の工期が加わります。
同時施工なら、それが1セットで終わります。天候による工期延長のリスクも1回分で済む。生活への影響を最小限に抑えたいなら、まとめて依頼するのが得策です。
建物全体の防水性能を一度に底上げできる
外壁塗装をすれば防水もばっちり、と思っている方が多いのですが、これには誤解があります。
外壁塗装が守るのはあくまで「外壁の面」です。ベランダの床、屋上、笠木(手すり壁の天端)といった水が溜まる・集まる場所は、塗装だけでは守れないのです。
「外壁をきれいに塗り替えたのに、しばらくして雨漏りが発生した」という話は珍しくありません。原因の多くは、外壁ではなくベランダや笠木からの浸水です。外壁と防水をセットで考えることで、建物全体を水から守る「完全な防御ライン」ができあがります。
外壁塗装と一緒に施工できる防水箇所
「防水工事」と一口に言っても、対象箇所はいくつかあります。外壁塗装のタイミングでまとめて点検・施工できる箇所を、ひとつずつ確認しておきましょう。
ベランダ・バルコニーの防水

最もよく一緒に依頼されるのが、ベランダやバルコニーの床面防水です。
足場を共有できるため、別々に施工するより大幅にコストが抑えられます。主な工法はウレタン防水とFRP防水の2種類。ウレタン防水の耐用年数はおおむね10〜15年で、シリコン系塗料を使った外壁塗装の耐用年数(製品・環境によって異なりますが、おおむね10〜15年が目安)と合いやすく、メンテナンスサイクルを揃えやすいのです。
ただし、防水層の状態によっては「全面やり直し」ではなく「トップコートの塗り替えだけ」で対処できる場合もあります。費用をできるだけ抑えたいなら、現状の劣化具合をプロに診てもらうことが先決です。
屋上・陸屋根の防水

マンションのルーフバルコニーや、勾配のない平らな屋根(陸屋根)を持つ戸建てでは、屋上防水が特に重要です。
平らな屋根は雨水が流れにくく、防水層の劣化が建物全体に直接影響しやすい構造になっています。放置すると屋根裏や天井への浸水につながり、構造材まで傷む危険があります。
外壁塗装のタイミングで屋上も点検・施工しておけば、コストと工期を大きく節約できます。ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水など、建物の状態によって最適な工法を選ぶことになります。
シーリング(コーキング)の打ち替え

サイディング外壁には、板材の継ぎ目や窓の周囲に「シーリング(コーキング)」と呼ばれるゴム状の充填材が入っています。これが劣化すると、隙間から雨水が外壁の内部に侵入し、気づかないうちに構造材を腐食させていきます。
外壁塗装と同時にシーリングを打ち替えることは、実は防水対策の中でもコストパフォーマンスが最も高い工事のひとつです。足場を使わなければ施工できない箇所も多いので、塗装のタイミングを逃すと次の機会まで後回しになりやすい。
なお、「打ち替え」は既存のシーリングを撤去して新しく充填する方法、「増し打ち」は既存の上から重ねる方法です。耐久性の面では打ち替えが推奨されますが、費用を抑えたい場合や下地の状態によっては増し打ちが適切なこともあります。現場を見た上で業者に判断を仰ぐことをお勧めします。
屋根塗装・屋根防水

外壁塗装と同時に屋根塗装も依頼するケースは非常に多く、足場を共有できるため合理的です。
スレート屋根(コロニアル屋根)の場合は、塗装後に「縁切り」という処理が必要になります。塗料が重なって屋根材の隙間が塞がれると、雨水の逃げ道がなくなって内部に溜まってしまうからです。この処理を省略する業者もいるので、見積もりの際に工程として明記されているかどうか確認しておきましょう。
同時施工をすべき劣化サイン
「今すぐ防水もやるべきか、それとも次の機会でいいか」。この判断は、実際に現場を見ないと確定できない部分もありますが、自分で気づけるサインもあります。
今すぐ確認すべき劣化のポイント
以下の症状があれば、外壁塗装のタイミングで防水工事も同時に進めることを強く考えてください。
・ベランダの床にひび割れ・膨れ・剥がれがある
・窓周りやサッシのシーリングがひび割れている、またはやせて隙間が見える
・外壁にひび割れ(クラック)が目立ってきた
・室内の壁や天井にシミ・カビが出ている(すでに浸水している可能性があります)
・前回の防水工事から8〜10年以上が経過している
これらのどれか一つでも当てはまるなら、「まだ大丈夫」と判断するのは早計かもしれません。
見落としがちな劣化のサイン
表面がきれいに見えても、内部では劣化が進んでいるケースがあります。これが防水工事の厄介なところです。
たとえば、ベランダの排水溝周りに汚れや苔が溜まっている状態は、水はけが悪くなっているサインです。水が長時間ベランダに滞留することで、防水層への負担が増し続けています。
窓サッシの周囲のシーリングは、外から見えにくい角度にあることが多く、劣化に気づくのが遅れやすい箇所です。内側から見て窓の隅に水が滲んでいたり、窓枠にカビが生えていたりするなら要注意です。
訪問販売業者に「今すぐやらないと大変なことになる」と急かされた場合は、一度立ち止まってください。セカンドオピニオンとして別の業者に診断を依頼することで、本当に必要な工事と不要な工事を冷静に見極められます。
築年数を目安にしたメンテナンスのタイミング
劣化サインが出る前から、築年数を目安に計画的に動くことも重要です。
築10年前後:多くの家で初回の外壁塗装のタイミングを迎えます。この時期はシーリングの打ち替えと、ベランダのトップコート確認も合わせて行いましょう。
築15〜20年:防水層の全面やり直しを検討する時期です。外壁塗装と同時施工が最も費用的に合理的で、この機会を逃すと次の足場まで待つことになります。
築20年超:外壁・防水・シーリングを総合的に見直す大規模リフォームの段階です。一度専門業者に全体的な診断を依頼することをお勧めします。
同時施工の費用目安

「結局いくらかかるのか」は、最も気になるポイントでしょう。あくまで目安として参考にしてください。
外壁塗装+ベランダ防水の費用イメージ
30坪程度の住宅で、シリコン系塗料を使った外壁塗装と、ウレタン密着工法によるベランダ防水(10〜20㎡)を同時施工する場合の目安は以下の通りです。なお、費用は立地・建物形状・使用材料によって変動します。あくまで参考値としてご覧ください。
・外壁塗装(足場込み):80〜110万円程度
・ベランダ防水(ウレタン密着工法):10〜20万円程度
・同時施工の合計目安:90〜130万円程度
別々に発注した場合、ベランダ防水の際に足場代(15〜22万円程度)が再度かかります。同時施工との差額は、条件によっては20万円前後になることもあるのです。
防水工法ごとの費用の目安
防水工事の費用は、工法と施工面積によって大きく変わります。以下は一般的な単価の目安です。
・ウレタン防水(密着工法):3,000〜5,000円/㎡
・ウレタン防水(通気緩衝工法):5,000〜8,000円/㎡
・FRP防水:4,000〜8,000円/㎡
・シーリング打ち替え:700〜900円/m程度
通気緩衝工法はコストが上がりますが、下地に湿気が籠もりやすい築古の建物では、密着工法より長持ちするケースが多いです。コストだけで選ばず、現場の状態に合った工法を選ぶことが肝心です。
費用対効果で見た同時施工の優位性
防水を後回しにして雨漏りが発生した場合、話は大きく変わります。
雨漏りが室内まで達し、天井や壁、床下の構造材に影響が出ると、修繕費用が数百万円規模になることも珍しくありません。防水工事は「費用」ではなく「建物を守るための投資」と考えることが、長い目で見たコスト最小化につながります。
30年間のライフサイクルコストで比較すると、定期的に防水メンテナンスを行ってきた建物と放置してきた建物では、最終的な修繕総額に大きな差が開きます。
業者選びで失敗しないために
外壁塗装と防水工事をセットで依頼する場合、業者選びが仕上がりと保証に直結します。
外壁塗装・防水工事を両方自社で対応できるか
塗装専門の業者に防水工事もお願いしようとすると、防水部分だけ別の下請け業者が入るケースがあります。これは一概に悪いことではありませんが、施工の品質管理や責任の所在が曖昧になりやすいというリスクがあります。
自社施工管理で塗装・防水どちらも対応できる業者なら、診断から施工・アフターフォローまでを一貫して任せられます。何か問題が起きたときも、「うちはその工事をやっていないので」という言い訳が通らない分、対応が明確です。
ペイントGOに登録している業者は自社施工管理の職人直営店のみに限定されているため、外壁と防水をまとめて相談する際の窓口として活用できます。
見積もりで確認すべき5つのポイント
見積もりを受け取ったら、以下の点を必ず確認してください。
①防水工事の工法が明記されているか
「ベランダ防水工事一式」だけでは何をするのかわかりません。ウレタン密着工法か通気緩衝工法か、FRP防水か、具体的な工法名と材料の品番が記載されているかを確認しましょう。
②シーリングは打ち替えか増し打ちか
打ち替えと増し打ちでは費用も耐久性も異なります。施工範囲はどこまでか、サッシ周りも含まれているかも確認が必要です。
③足場代が共通扱いになっているか
外壁塗装と防水工事の見積もりが別々の場合、それぞれに足場代が計上されていないか注意してください。
④トップコート塗り替えだけで済む段階かどうか
防水層がまだ健全な状態であれば、全面やり直しは不要でトップコートの塗り替えだけで対処できることがあります。状態の見極めをせずに「全面やり直し」を提案してくる業者には注意が必要です。
⑤工事保険(賠償責任保険)に加入しているか
工事中の事故や損害に備えた保険に加入している業者かどうかを確認しましょう。加入していない業者は、万が一の際に補償がなくなります。
保証内容と期間の確認
外壁塗装と防水工事では、保証の内容が異なることがあります。それぞれについて保証期間と対象範囲を確認しておくことが大切です。
防水工事は施工後に「膨れ」や「剥がれ」が出やすい工事でもあります。5年・10年の保証がついていても、対象が施工不良のみで材料劣化は対象外という場合もあるので注意が必要です。
定期点検を自発的に提案してくれる業者かどうかも、信頼性を見極めるひとつの指標になります。施工して終わりではなく、建物のコンディションを長期的に見守ってくれる姿勢があるかどうかは、業者との関係性において非常に大切なことです。
外壁と防水をまとめて守ることが、家を長持ちさせる近道
改めて整理すると、外壁塗装と防水工事を同時に進める理由は3つです。
①足場代が1回分で済んでコストが節約できる
②生活への影響を1セットにまとめられる
③建物全体の防水性能を一度に底上げできる
「外壁だけ塗り替えればいい」という考えは、実は建物の半分しか守っていないことになります。ベランダ・シーリング・屋根・笠木といった箇所は、外壁塗装だけでは守れない水の侵入経路です。
「今は特に雨漏りもないし大丈夫」と感じている方こそ、外壁塗装のタイミングで一度プロに全体を診てもらうことをお勧めしたいのです。問題が出てから動くより、出る前に手を打つほうが、費用も精神的な負担もはるかに軽く済みます。
ペイントGOでは、自社施工管理の職人直営店に外壁・防水をまとめて相談できる見積もりシミュレーションを気軽にお試しいただけます。ぜひ一度、プロの目で建物全体を診断してもらってください。
































