大手ハウスメーカーの実態
次は、大手ハウスメーカーの現場の実態についてお話させて頂きます。
ちなみに、大手ハウスメーカーと、街の塗装業者は、お互いにライバル同士なので、お客様(になるかもしれない方)に対しては、お互いにお互いの事を悪く言い合っています。
大手ハウスメーカーが街の塗装業者を悪く言う文言の一例はこんな感じです。1この記事に述べられている内容は筆者の経験に基づいており、全ての大手ハウスメーカーに該当するものではありません。
よく使われる文言の一例と意見
1「こちらは誰もが知る大手ハウスメーカーであり、信用も実績もある。それに比べて街の塗装業者は、名前も信用も実績もわかりづらい。」
> その通りでしょう。反論の余地もありません。素直に参りました。大手ハウスメーカーとの知名度の差は、アリと地球くらいの差です。大手ハウスメーカーの外壁塗装の質に関しては、嘘偽りだらけの実績ですが、数についてはその通りでしょう。
2「街の塗装業者はいつ潰れるかわからないから、仮に保証があったとしても潰れてしまえば保証もしてくれない。もし潰れていなかったとしても、不具合を指摘したら逃げる業者がいる。」
> ほとんど反論の余地はできないと思います。一つあるとすれば、「街の塗装業者はもし潰れていなかったとしても不具合を指摘したら逃げる業者がいる。」に関しては、どの口が言っているんだ?と言いたいです。不具合を指摘しても、なんだかんだと逃げているメーカーの話は、何度も聞いています。
3「(塗装が剥がれた写真を見せて)当社の顧客の方が、街の塗装業者に頼んだら、こんな不具合が出た例がある。」
> その写真が、「街の塗装業者が工事をした後の不具合」と言い切るのであれば、それはどちら様の現場の写真なのか、また、それはどこの塗装業者が工事をしたのかを、本来はしっかりと証拠を示す必要があるはずです。
そこまで言い切るのであれば、どちら様の現場なのか?また、その工事をしたのはどこの塗装業者なのか?をプライバシーの保護等関係なく、証拠を示すべきでしょう。もちろん、そこまでは言えないのはわかります。
「それはプライバシー保護の観点から、、」
と、もっともらしい事を言うでしょう。であれば、最初から証拠も出せないそんな事を言うべきではありません。それらの証拠を示すことができないのであれば、その写真の内容が事実なのか、ウソなのかも、それも証明できません。知名度だけを武器に、いくらでも、何とでも言えます。
それならば、私も大手ハウスメーカーの、数々の手抜き工事の現場と、また、メーカーの工事後の数々の不具合も目の当たりにしてきています。この、なんの証拠も示す事無く、写真だけ見せて、
「知名度の無い街の塗装業者がやる塗装は、こんな不具合が起きる例がある」
というのは、メーカーの知名度だけを生かして、証拠を示す事もなく、街の塗装業者を必要以上に貶める、汚いやり方だと思います。
たしかに、手抜き工事をする業者は、塗装業界にはとても多いです。しかし、それはむしろ、大手ハウスメーカーの方が断然に多いです。これからその事についてもお話します。
4「手抜きを一切していない証拠として、各工程の写真を〇〇枚以上(100〜300枚以上)撮ってお客様にお見せして報告する。」
> これは大手ハウスメーカーに限らず、今はスマホで写真を撮れる時代なので、どこのどの業者も、そしてどの現場であっても、写真を撮ってお客様にお見せする事が一般的となっています。もちろん、当店もしています。
しかし、業者の中には、特に大手ハウスメーカーに多いのですが、写真を100枚以上撮って、「これだけたくさん撮っています。だから手抜きなどしているはずがありません」と言う業者がいます。
しかし、これはあり得ません。なぜなら、私は何百枚も写真を撮らさせる大手ハウスメーカーの現場で、たくさんの手抜き工事を手伝ってきてしまったからです。
一番多い例は、その写真のところだけ3回塗った写真を撮って、写真以外の他のところは1回だったり2回しか塗らなかったりと、いくらでもやらされてきました。事実、大手ハウスメーカーの現場での手抜きは、これが一番多かったです。2この記事における手抜き工事の具体例は筆者の個人的な経験に基づくものであり、全ての現場や業者に当てはまるものではありません。
それと、写真を撮るその行為は、職人が自分のポケットからスマホを取り出して、自分で自分の作業風景を撮る事なのと、足場からスマホが落ちないようにと余計な神経も使うのとで、いくら少なくても、1枚写真を撮るのに30秒はかかります。
これを、必要以上に100枚も200枚も300枚も撮らされて、
「これだけ作業風景の写真を撮っています。だから手抜きなどしているはずがありません」
とは全くなりません。写真を撮ることそのものは、とても大事な事です。その写真が、多ければ多いほどいい、とも思うかもしれません。何も知らない人は。
しかし、大手であればあるほど、工期にはうるさい事と、その工期もとても短いです。そんな工期が短い中で、写真に費やす時間と手間は、とても痛いです。そんな時間があるならば、他の作業を進められます。その大事な作業時間を潰しているのが、大手ハウスメーカーに多い、「多すぎる写真撮影」です。
何度も言うように、写真は大事です。今の時代、写真を撮らない事は通りません。しかし、異常な枚数の写真を撮らされて、
「これだけの数の作業風景の写真を撮っています。だから手抜きなどしているはずがありません」
は大ウソですし、逆に写真が多ければ多いほど、手抜きをされる確率が無駄に高まります。実際、大手ハウスメーカーの下請けの職人は、みんながみんな、この多過ぎる写真撮影にはウンザリしています。ウンザリしていながらもちゃんとやっていればいいのですが、その撮影に費やした時間の分を埋めるが如く、更に手抜きをしていました。
お客様に写真をお見せする意味合いが、作業風景のアピール、工程ごとの報告であるならばわかりますが、「作業風景の写真を撮っているから手抜きをしていない」とは決してなりません。
塗装の手抜きをしていないという証明は、職人を定点カメラで動画で撮っていなければ、証明する事は絶対にできません。
5「弊社の職人には、人としても腕も、とても信頼できる職人しかいません。契約もしっかりしています。」
> 大手ハウスメーカーも営業なので、良い事しか言わないのはいいとして、しかしウソはいけません。
私は、メーカーから下請けの時も言われていましたし、請けてもいない、ただの応援要請でも、お客様に対して、このように言うようにとメーカーの営業から言われていました。
「お客様には、昔から頼まれている職人だと言って下さい」と。メーカーと契約書を交わした事も一度もありません。下請けの更に下請けになると、そんな契約は100%しません。
中には、大手ハウスメーカーと契約書を交わしている塗装業者もいますが、契約などしていない業者もとても多いです。
また、私もそうでしたし、大手ハウスメーカーの下請け業者は、驚くほど低い金額で工事を請け負っています。
下請け塗装業者にも相場があり、2階建ての一般的な大きさのお家で、屋根と外壁の塗装で、職人に支払われる金額は、手間請けで35〜60万円以下です。もっと安い場合もあります。そして、お客様が大手ハウスメーカーに支払われている金額は、安くて200万円前後、高いと350万円以上でしょう。
※(手間請け=塗料だけはメーカーが用意し、その他の水洗い、養生、塗装、その他あらゆる作業は職人が負うこと)
しかし、私はこの構図は悪いとは思いません。
自分で仕事を取れない、取ろうともしない=広告費も人件費も何もかけていないのですから、仕事を人から頂くのだから安く使われて当然ですし、使う側の大手ハウスメーカー側は、広告費の他にもあらゆる経費が莫大にかかっているのですから、お客様からは高く料金を取って、下請けには安く任せて当然です。
しかし、それでちゃんとした工事をやってくれるかどうかは、全く別です。
説明しなくてもわかると思いますが、安く使われているその塗装業者にも生活があり、また、いくらでもバレない手抜きの手口があるのが塗装業界です。
「この手抜きをすればこれだけ利益が出る」
といくらでもできる中で、ちゃんとやったとしら利益出るか?出ないか?ギリギリのところで、中には赤字になるような金額の現場で、どれだけちゃんとした塗装を、手抜きをしない塗装をやってくれるのでしょう。自分の生活よりも、ボランティア精神の方が強い人も中にはいるかもしれません。
大手ハウスメーカー=有名で誰もが知ってる=しっかりした塗装をしてくれる
と、なっているのかどうかは、ここまで読んで下さった方が判断して頂ければと思います。
と、こんなところでしょう。
大手ハウスメーカーの『顧客囲い込み』戦略とは?
最後に、大手ハウスメーカーでお家を建てられた方は、当然ですが、メーカーからは「見込み客」とみなされています。大手ハウスメーカーに限らず、街の工務店であっても同じでしょう。
メーカーは、自社でお家を建てられた顧客に対して、10年前後で塗装をする事も見越していますし、その他、顧客のお家の工事は、何もかもをまた自社で取るようにと、顧客を、
「ガッチリとキャッチ!」
して離しません。それは、メーカーで建てられた顧客からは、そのお家の事に関しては、顧客の生涯に渡って、あらゆる全ての工事を受注するようにする手法です。言葉に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、しかしそれは、まぎれもなく洗脳です。3ここで述べられている「洗脳」とは、大手ハウスメーカーのブランドイメージや顧客維持の戦略を批判的に表現したものであり、一般的な心理学的用語としての意味とは異なる可能性があります。
私が、大手ハウスメーカーのお家の方とお話をしても、その洗脳はなかなか解けないどころか、一度も解いた事がありません。上記の内容をお話しても、メーカーを信じて決して疑いません。むしろ、私がウソをついているようにまで言われた事もありました。これは、大手ハウスメーカーが本当にすごいと思います。知名度があるメーカーと、街の小さな塗装業者なので、当たり前と言えば当たり前ですが。
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