見積書の内容を確認する重要性
細かい見積書が信頼を生む理由
次は、見積もりのお話をさせて頂きます。
見積書の項目が、細かすぎたらめんどくさく思われる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、しかし、塗装する場所によって塗料の使い分けをしています。例えば、
【外壁】エスケー化研 プレミアムシリコン
【軒天】日本ペイント ケンエース
【母屋下塗り】エスケー化研 木部用下塗材
【母屋中塗り・上塗り】エスケー化研 クリーンマイルドシリコン
【雨戸下塗り】エスケー化研 マイルドボーセイ
【雨戸中塗り・上塗り】エスケー化研 クリーンマイルドシリコン
等々。
まだまだありますが、当店では、それぞれ塗装する場所ごとに、どこのメーカーのどの塗料を使うのか、そしてそれは平米いくらか?メートルいくらか?を、見積書にしっかりと書かせていただいております。
塗料名が記載されていない場合の危険性
これが大雑把だったり、塗料名すら書いていなかったりしたら、何の塗料を使われるのかわかりません。塗料ごとに仕入れ値も違いますし、施工料金も変わります。また期待耐用年数もそれぞれ違うので、どの場所に、どの塗料を使うのかを細かく書いてあるべきですが、それらが書かれていなければ、どこにどんな塗料を使うのか、業者のやりたい放題になってしまいます。
なので、見積書の項目が細かく書かれていなければ、私がお客様の立場であればとても怖いので、そういう業者は断ります。
また、当店で施工させて頂くお客様には、塗料を現場に持ち込ませ頂いた段階で、お客様立ち合いの元、見積書に書いてある塗料が間違いなくそこにあるのかを確認していただいております。
実は、この詐欺もすごく多いです。一般の方は塗料の事は尚更わからない、という方が多いので、見積書には良い塗料を使うと書いてあっても、実際に使われる塗料はグレードの低い塗料という事も多いです。
なので、見積書にしっかりと細かく書かれている事は大事ですし、そこに書かれている塗料が本当に用意されているか?使われるか?を確認する事もとても大事なのです。
業者を疑い続けるのは違うと言いましたが、確認できる事は確認する。それは当たり前のことだと思います。
商談時に見るべき業者の特徴
手抜き工事を隠す常套句
最後になりますが、商談の時の業者の見るべきところについてお話します。
まず、どこのどの業者も、必ず、
「うちは手抜きは絶対にしません」
と言います。これは必ず言います。そして、必ず何かしらの手抜きをされているのが現状です。何も言わなければ、そして何も知らなければ、100%される手抜きもあるにも関わらず、業者は必ずそう言います。なので、はっきり言ってみんなうそつきです。
だから、塗り替えを考えでおられる方も、上で述べた手抜きの手口11選については、知っていた方が絶対に良いのです。仮に、こちらの記事の内容を業者に伝えたとしても、いくらでも手抜きはできてしまいますが、知らないよりは知っていた方がいい事ばかりです。
こんな業者には要注意
そして、こんな業者には気をつけた方がいい、という事は、私からは2点あります。
1値引きに応じる業者
一つは、簡単に値引きする業者です。
安ければ嬉しい。安ければ安いだけ良い、と思う気持ちはとてもよくわかります。
しかし、値引きをすると、その金額でどこまでやれるのか?と改めて計算し直す必要があるはずですし、仮に業者が最初から、「ここまでなら値引きしてもいい」と考えていたとしても、業者としては、しっかりやったとしたら利益を削るわけですからすごく悩むはずですし、お客様とのやり取りも増えるはずです。それを、簡単に値引きできてしまう業者は、私から言わせれば全く信用できません。
ちなみに、私は今、値引きのことを、「しっかりやったとしたら利益を削る」と言いました。そして、「手抜きとは、それはすなわち業者の利益であり詐欺である」とも話してきました。
手抜きの手口11選のどれも、それらの手抜きをすればいくらでも利益を上げられることばかりです。そして、耐久性も悪くなります。すぐに値引きに応じる業者は、はたしてどこまで信用できるのでしょうか。
私は一度出させて頂いたお見積もりからは、値引きは一切しておりません。「よその業者はこれだけの金額でやってくれるけど、おたくももう少し安くしてくれない?」と言われても、一切しません。それは欲深いからではなく、「必ずどこよりもしっかりした塗装をする」という自信でもありますが、何よりそれが私の意思表示であり、宣言であるからです。
「どこよりも良い塗装をして、どこよりもきれいで長持ちする塗装をする。一切の手抜きをしない」
という私の意思表示が、値引きは一切しないという事です。
2「手抜きは絶対にしない」という業者
また、中には、当店の半値近くの料金を提示している所もありましたが、当店がその金額でやったとしたら、利益が出ないどころか大赤字です。なぜそんな金額でできるのかと言ったら、言うまでもなく、手抜きをするからできる事です。そして、そんな業者であっても必ず言うでしょう。
「うちは手抜きは絶対にしません」
と。
それが本当であれば、ボランティアでなければできません。安ければ安いだけいいという方がいらっしゃるのもわかりますが、それでちゃんとした塗装をしてもらおうというのは、はっきり言って無理です。
なので、私から言わせれば、すぐに値引きに応じる業者は、塗ってしまえばわからない塗装の仕事において、全く信用できません。
しかし、逆に、高ければ良いのかと言えば、それもまた違います。大手ハウスメーカーの件もそうですし、料金がいくら高くても、結局はやる職人がどのようなやり方で育ってきたのか?その職人がどれだけ倫理観があって、信念があるのか?にかかっています。外壁塗装は、どこの業者がやるかというよりも、誰がやるか?です。それにつきます。
おわりに
以上、
「いち塗装職人である私からの視点」と、「お客様の立場であったならば」という視点から、
「良い塗装業者の選び方はあるのか?」
というテーマについてお話させて頂きました。
この記事は、塗装業界の暗黙の手抜きも含めて、塗装業社が一般の方に知られたら嫌な事もたくさんお話させて頂きました。塗装をお考えの一般の方も、知っていた方がいい事ばかりの内容になっています。
しかし、それでもやはり最終的には、
「良い塗装業者かどうかは、選んだ人の運次第」
です。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。