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冬に外壁塗装が不向きと思われている原因とは?
多くの塗装業者、また塗装に関する情報サイトで「外壁塗装は冬がおすすめです!」と言っているところはまずないと思います。
そのため、「本格的に寒くなる12月〜2月の冬場は塗装に不向き」といったイメージをお持ちの方も多くいらっしゃいます。
冬に外壁塗装が勧められないのは、冬特有の「気温・降雪・霜」の3つがその理由として挙げられます。
気温が低いと作業効率が低下する
皆様もご承知のように、塗装は塗料を外壁面に塗って乾燥させるといった作業で、当然乾燥待ちの時間が発生します。
さらに外壁塗装では、一般的に下塗り・中塗り・上塗りと塗装→乾燥の工程を3回必要とします。
しかし、施工時の気温が低いと塗料の伸びが悪くなり、さらに乾燥の時間が長くなります。
塗料の伸びが悪いと塗り残しや塗装ムラの原因となり、一箇所にかける作業時間が長くなりがちなので、どうしても作業効率が低下します。
また、どれだけスムーズに塗装できたとしても、前工程の塗料が完全に乾燥しないと次の工程に移ることができません。
もし前工程の塗料が乾ききらない内に次の工程の塗装を進めてしまうと、仕上がりにムラができたり脆弱な塗膜となってわずか数年で塗膜剥がれや浮きが発生したりと施工不良を引き起こします。
そのため、冬の外壁塗装ではいつも以上に塗料の乾燥には注意を払わないといけないのです。
降雪時は塗装を中断しないといけない
これは降雪に限らず雨天も同様ですが、乾燥しきっていない塗面に水分が当たってしまうと、塗料に水分が混ざってしまいます。
そうなると仕上がりに色ムラができたり、塗料が必要以上に希釈されてしまい本来の性能を発揮できず施工不良を引き起こします。
また作業面でも、足場や屋根の上に雪が積もってしまえば転落の危険性があるため、作業を中断せざるを得ません。
霜が乾くまでは塗装できない
冬の朝は霜が降りていることが多く、日が登ってから数時間は外壁や屋根が濡れていることも多いです。
しかし、濡れている箇所へは塗装ができません。
雨天・降雪時と同じで、水分が残っている面に塗装してしまえば塗膜の剥がれや浮きなどの施工不良を引き起こします。
そのため、冬場は霜によって発生した水分の乾燥を待たなくてはならず、春や夏など暖かい季節と比べると作業効率が落ちたりスケジュールがズレたりすることがあるのです。
冬に外壁塗装はできるの?できないの?
前項で、冬に外壁塗装が不向きと思われている原因を解説しました。
ここまで聞くと、「やっぱり冬に外壁塗装はできないんじゃ…」と思われる方もいらっしゃると思いますが、条件さえしっかりと守れば冬場であっても外壁塗装は可能です。
各塗料メーカーは、
・気温5℃以下、湿度85%以上
この条件下での塗装工事はストップするよう推奨しています。
気温5℃以下では、塗料が乾燥しにくくなり硬化しなくなってしまいます。
同様に、湿度85%以上でも空気中の水分が多いので塗料が乾燥しにくくなるのです。
逆に言えば、この条件さえしっかり守れば冬場であっても外壁塗装を行うことは可能です。
もちろん降雪や霜にも注意しないといけませんが、水分の付着に注意を払うのは湿度の高い梅雨〜夏場、ゲリラ豪雨・台風が発生しやすい夏〜秋についても同じです。
その日の天候・湿度をしっかりとチェックしながら条件を守れば、冬場であっても他の季節と変わりない施工品質で塗装工事を進めることができるのです。
その他の季節についてはこちらの記事でまとめていますので、併せてぜひご一読ください。
気温-5℃以下では外壁塗装はできない
上述で解説したように、気温5℃以下・湿度85%以上の気候条件さえ避ければ外壁塗装を行うことは可能です。
しかし、これは日本の中でも北海道など限られたエリアになりますが、気温がマイナス5度を下回る環境下では塗装することができません。
なぜなら、塗料は液状であるため気温がマイナス5度以下になると凍ってしまい、塗装したとしても外壁や屋根にしっかり塗膜が密着しなくなるのです。
また、水性塗料は真水を希釈材としますが、寒すぎると希釈用の水も凍ってしまい塗料の品質に悪影響を及ぼします。
このことから、国土交通省も「気温がマイナス5度を下回る環境下では原則塗装工事は行わないこと」と呼びかけています。
また、北海道や東北の一部地域など豪雪地帯では、積雪エリア内での塗装工事を冬場は請けていない外壁塗装業者もいます。
冬に外壁塗装をするメリットについて
ここまでお読みいただくと、あまり冬に外壁塗装を行うメリットを感じなかったのではないでしょうか?
しかし、冬に外壁塗装を行うことにもちゃんとメリットがあります。
晴天が多く空気も乾燥しているので塗料が乾きやすい
皆様もご存知のように、冬場は一年の内で最も空気が乾燥している季節です。
そして、一部の豪雪エリアを除き、全国的には晴れの日が多い季節でもあります。
塗料の乾燥にはある程度の温度と乾いた空気が必要になりますが、冬場は空気が乾燥しているため塗料の乾燥に適しています。
気温は低くなりがちですが、塗装の条件である気温5℃以下にならなければ問題ありません。
一方、気温が高く梅雨や夏場は雨が降ると湿度が80%を超えることも多く、その場合は塗装工事は進めない方が良いでしょう。
気温こそ低いものの空気が乾燥している冬は、乾燥に時間こそかかりますが塗料の乾燥には向いた季節だと言えます。
塗装工事のスケジュールが組みやすい
上述で、冬場は全国的に晴れの日が多い季節だとお伝えしました。
気温が低く乾燥にこそ時間がかかりますが、梅雨や台風シーズン、ゲリラ豪雨の多い夏に比べると塗装工事のスケジュールが組み立てやすい季節です。
もちろん他の季節と同様に雨天や降雪に注意を払わないといけませんが、突発的な台風やゲリラ豪雨と比べると天気予報で予測しやすいため、工期が大きくズレることは少ないです。
また、塗装工事期間中は窓には養生が貼られるため、基本的には閉め切ることになります。
夏場であればエアコンを使用しないと耐えられないほど暑くなりますが、冬場であれば閉め切っていても問題ありません。
その意味で、工事期間中であっても比較的過ごしやすい季節と言えるでしょう。
塗装工事の費用で割引を受けられる場合も
「冬場は外壁塗装に不向きな季節」と思われている方が多いということは、同時に冬場に外壁塗装を依頼する人が少ないということです。
また、外壁塗装を検討されている方であっても、年末年始の忙しい時期は避ける傾向があります。
つまり、外壁塗装業者にとって冬は閑散期なのです。
そのため、塗装業者にもよりますが思わぬ割引をしてくれたりする場合があります。
冬場に外壁塗装を行うと工期が長くなるなどデメリットもありますが、「工期が長いくらいは別に構わない」という方は、冬に外壁塗装を検討されても良いかもしれません。
冬に外壁塗装をするデメリットについて
もちろん冬に外壁塗装を行うにあたってデメリットも存在します。
塗装工事の期間が長くなりやすい
冬は他の季節と比べて日没が早い季節です。
そのため、夏場と比べるとどうしても日中の作業時間が減ってしまうため、工事期間が長くなりやすいです。
夏場であれば19時頃に日没ですが冬場は17時には暗くなり、片付けの時間などを考慮すると1日あたり1時間以上作業時間が短くなるのです。
また、上述のように外壁や屋根に霜が降りている場合は霜の乾燥を待つ時間も発生するため、塗装作業に充てる時間がどうしても夏場より短くなります。
そのため、冬場は夏場と比べると工期が3〜4日ほど延びる傾向にあります。
一方で、17時を過ぎて周りが暗くなってからも作業を続ける塗装業者が稀にいます。
皆様からすると「こんなに暗い中で頑張ってくれてる」と思われるかもしれませんが、それは間違いです。
暗い中での作業はちゃんと目視で手元を確認できないため、塗り残しや塗りムラが起こる原因となり、結果的に施工不良に繋がります。
長時間頑張ってくれている職人へのお気遣いは職人にとってもありがたいですが、作業が困難な中で無理に作業を進めるのは決して良い仕上がりには繋がらないと覚えておきましょう。
地域によって外壁塗装工事自体を請けていない
北海道や東北の一部地域といった冬場は気温が氷点下まで下がる、あるいは豪雪エリアでは、外壁塗装業者が冬季は工事自体を請けていない場合があります。
これは上述で説明したように、
・気温5℃以下では塗装をしない方がいい
・気温-5℃以下では外壁塗装はできない
・塗料に雨や雪など水分がつかないようにする
といった外壁塗装を行う上での条件が守れない恐れがあるからです。
これはごく一部のエリアに限った話なので、ほとんどの方は気にしなくても良いデメリットかもしれませんが、夏と違い冬は気候によって外壁塗装自体ができない場合があります。
冬の外壁塗装で注意しておきたいポイント
前項で、冬に外壁塗装をするメリット・デメリットをお伝えしました。
メリット・デメリットの両方で大きく関わってくるのは、やはり冬特有の気候であり、注意すべきポイントもまさにそこです。
ここでは、冬に外壁塗装を行う際に注意しておきたいポイントを解説します。
地元の「自社施工」の塗装業者を選ぶ
これは冬に外壁塗装を行う際だけの注意点ではなく、どの季節においても言えることですが、外壁塗装では業者選びがその仕上がりの成否を7割近く決める重要な要素となります。
そして冬の外壁塗装では、この業者選びが特に重要となります。
肝心なのは、「地元の気候を熟知した地元の塗装業者」を選ぶことです。
優良な塗装業者はただ単に塗装技術が優れているだけでなく、気候を考慮した施工管理を行っています。
冬の気温の低さをはじめ、降雪や霜など塗装に悪影響を及ぼすものをしっかり事前に予測し、状況に合わせて無理なく工事を進めてくれるのです。
これは、地元のことをよく知っている地元の塗装業者を選ぶ何よりのメリットです。
ここで注意すべきポイントは、「自社施工であるかどうか?」です。
CMや広告などで見かけるような知名度のある大手ハウスメーカーに依頼した場合、ほとんどの場合で皆様からのご依頼は下請け業者に丸投げされています。
実際に施工する業者は地元の塗装業者である場合が多いですが、元請けはそうではありません。
地元の気候や特性など知らない営業マン・担当者が「〇月〇日までに工事を終わらせるように」と、現場の状況も知らないまま指示だけ出します。
そうなると下請け業者は元請けの言うことを聞くしかないため、多少の降雪や霜が乾ききってない内に塗装を進めるといった無理な工事を進めるしかなくなります。
上述のように、塗料に水分が混ざってしまえば、数年で塗膜剥がれや浮きが起こるなど施工不良の原因となります。
地元で活躍する自社施工の職人直営店であれば、気候を考慮しながら塗料が最大限のパフォーマンスを発揮できるような適正な塗装工事を行ってくれるでしょう。
ペイントGOに登録の塗装業者は、地元で活躍する自社施工の職人直営店ばかりです。
ぜひ、ペイントGOで安心して工事を任せることができる塗装業者をお探しください。
塗装工事当日の天候に注意する
上述で解説したように、外壁塗装は気温5℃以下・湿度85%以上という気候条件では工事を進めることができません。
加えて、雨天や降雪時も作業はできません。
もちろん優良塗装業者であれば、皆様が気にされなくても業者側で予報をチェックし、雨天や降雪に対処してくれるでしょう。
皆様が気にすべきは、そんな塗装に適さない気候の中で塗装業者が無理に工事を進めていないかどうかを確認することです。
ただでさえ霜などで塗装面に水分が付着しやすく、現場管理も慎重にならざるを得ないのが冬場です。
塗装業者が雨天や降雪、気温5℃以下・湿度85%以上といった環境下で工事を進めていないかチェックしてみましょう。
塗装工事のスケジュールに注意する
冬は空気こそ乾燥していますが気温が低い日が続くため、塗料が乾燥するのに時間がかかってしまいます。
そのため、どうしても夏場より工期が延びてしまうでしょう。
塗料の乾燥待ち以外にも、降雪や霜による水分の乾燥待ちなど予想外の工事待ちが発生するかもしれません。
「〇月〇日までに工事が終わってほしい」という希望があっても、予定通りに工事が進まないこともあるので、業者選びの段階から余裕を持って早めに動くことが大切です。
特に北海道や東北の一部地域など豪雪エリアでは、冬季は塗装工事自体を請けていない塗装業者もいるので、事前に確認しておきましょう。
冬に外壁塗装はできる?まとめ
外壁塗装はどんな季節であっても天候との戦いです。
冬は気温の低さや降雪に目が行きがちですが、梅雨〜夏場なら雨天や湿度、台風やゲリラ豪雨に注意を払わねばならず、「冬だけが特別外壁塗装に不向き」ということは決してありません。
冬であってもいくつかの条件さえしっかり守れば外壁塗装は可能です。
「いつ外壁塗装をやるか?」も大切ですが、同様に「どの塗装業者に工事を頼むか?」も非常に大切なポイントです。
ぜひペイントGOで本当に信頼できる優良塗装業者を見つけて、満足のいく外壁塗装を実現させてください。