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コンクリート外壁の特徴
コンクリート外壁は、独特な質感やデザイン性から支持を集めており、多くの住宅で採用されています。近年では技術の発展により、さまざまな仕上げ方法やデザインが選べるようになり、さらに注目されています。環境への配慮やコストパフォーマンスの改善も進められており、今後ますます注目される外壁材となるでしょう。
コンクリート外壁のメリット
コンクリート外壁のメリットは、大きく分けて以下の4つです。
- 高い耐久性と耐火性
- 優れた気密性と遮音性
- 多彩なデザイン性と表現力
- 環境への配慮
コンクリート外壁は、風雨や紫外線による劣化に強く、長持ちする点が大きな魅力です。定期的なメンテナンスを行うことで、50年以上もその美しさを保つことができる上、燃えにくい素材であるため火災にも強いというメリットがあります。
また、コンクリートは隙間なく施工できるため、高い気密性を誇ります。外部からの空気の侵入を防ぎ、室内の温度・湿度を快適に保つことが可能です。この特性により、冷暖房効率の向上にもつながるほか、厚みのある素材であるため、音の侵入を防ぐ遮音効果も期待できます。
さらに、コンクリート外壁の魅力は、そのデザイン性の高さにもあります。たとえば、打ちっ放しコンクリートやモルタル、タイルなどの仕上げ方法を組み合わせたり、特殊な技術を用いたりすれば、より独創的なデザインを実現できます。
一方、コンクリートは製造過程で大量の二酸化炭素を排出すると言われてきました。しかし近年では、環境負荷低減に配慮したコンクリートの開発が進められています。たとえば、セメント量を削減したコンクリートなどが開発されており、環境に優しい住宅づくりに貢献しています。
コンクリート外壁のデメリット
コンクリート外壁は、多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここで紹介するデメリットは、次の3つです。
- コストがかかる
- 重量がある
- ひび割れしやすい
コンクリート外壁は、他の外壁材に比べてコストが高い傾向があります。特に、打ち放しコンクリートは、高度な技術が必要となるため費用が高くなります。
また、コンクリートは重量があるため、建物の構造に負担がかかります。地盤が弱い場合は、地盤改良工事が必要になるケースも少なくありません。
さらに、コンクリートは乾燥収縮によってひび割れが発生しやすい素材です。ひび割れは防水性を損なう原因となるため、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
コンクリート外壁は塗装可能!具体的な4つの塗装方法
コンクリート外壁は、耐久性や耐火性に優れている一方で、経年劣化によって色あせやひび割れなどが発生し、見た目が悪くなったり、防水性が低下したりすることがあります。そこで、塗装でコンクリート外壁を美しく蘇らせることが欠かせません。
塗装の具体的な方法は、以下の4つです。
- 弾性塗料
- 撥水剤
- カラークリヤー工法
- 再現工法
それぞれの方法について、簡単に見てみましょう。
①弾性塗料
弾性塗料は、コンクリートのひび割れに追従する柔軟性を持つ塗料です。ひび割れを隠蔽するだけでなく、防水性を高めて外壁を保護することができます。
なお、ひび割れの状態によっては、効果が十分に得られない場合も。また、外壁の表面を塗りつぶすので、コンクリートの質感が損なわれてしまいます。
②撥水剤
撥水剤は、コンクリート表面に水を弾く膜を形成する塗料です。雨水の浸入を防ぎ、汚れの付着を抑制することで、外壁を長持ちさせることができます。また、比較的低コストで施工できるのもメリットのひとつ。
一方で、防水効果は徐々に低下するため、定期的な塗り替えが必要となります。また、塗料は透明なので、ひび割れの補修跡が残ってしまうのがデメリットです。
③カラークリヤー工法
カラークリヤー工法は、コンクリート表面に透明な塗料を塗ることで、色をつけながら素材感を活かす方法です。防水性を高めた上で外壁を保護できるため、コンクリートの風合いをそのまま残したい場合におすすめです。
なお、外壁のひび割れがそのまま残ってしまう点や、比較的コストが高い点がデメリットとしてあげられるでしょう。
④再現工法
再現工法は、塗装でコンクリートの風合いを再現する方法です。新築のような美しい外観に仕上げることができます。また、ひび割れなどの補修もできるので、メンテナンスの効果はかなり得られるでしょう。
ただし、熟練した技術が必要となるため、コストが高く施工に時間がかかる点がデメリットとしてあげられます。
コンクリート外壁塗装の費用相場
コンクリート外壁塗装の費用相場は、1平方メートルあたり1,500~3,800円です。しかし、相場はあくまでも目安であり、実際の費用は以下の様々な要素によって変動します。
- 塗料の種類
- 外壁の面積
- 下地の状態
- 足場設置の有無
- 依頼する業者
ちなみに、費用相場は塗装方法によっても大きく変わります。
弾性塗料 | 2,000~4,000円/平方メートル |
撥水剤 | 1,500~3,000円/平方メートル |
カラークリヤー工法 | 2,500~3,500円/平方メートル |
再現工法 | 4,500~6,500円/平方メートル |
コンクリート外壁塗装は、費用がかかる工事ですが、定期的にメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばし、美観を保つことができます。塗装を検討している方は、上記の費用相場を参考に、予算を計画しましょう。
コンクリート外壁の塗装が必要なサイン
コンクリート外壁は耐久性の高い素材ですが、経年劣化によって様々な症状が現れます。これらの症状は、外壁の機能低下や美観の損失につながるだけでなく、建物の構造にも影響を与える可能性があります。
以下に、コンクリート外壁の塗装が必要なサインを4つ紹介します。
- ひび割れ
- カビやコケの繁殖
- サビの発生
- 膨れや剥離、欠損
上記のような症状が現れた場合は、早急に塗装業者に相談することをおすすめします。
①ひび割れ
コンクリート外壁は、乾燥収縮や地震などの影響によってひび割れが発生することがあります。ひび割れは、防水性を損なう原因となるため、早期に補修が必要です。
②カビやコケの繁殖
湿気の多い場所では、カビやコケが発生しやすいです。カビやコケは、外壁の見た目を損なうだけでなく、防水性を低下させる原因にもなります。
③サビの発生
鉄筋コンクリート造の場合、鉄筋が錆びて外壁にシミやひび割れが発生することがあります。放置すると、鉄筋の腐食やコンクリートの剥離につながるため、早急な補修が必要です。
④膨れや剥離、欠損
塗装膜が劣化すると、膨れや剥離、欠損が発生することがあります。これらの症状は、防水性を損なう原因となるだけでなく、外壁の美観を大きく損ねます。
コンクリート外壁塗装を業者に依頼するときのポイント
コンクリート外壁塗装は、建物の寿命を延ばし、美観を保つために重要なメンテナンスです。しかし、塗装は専門的な知識と技術が必要となるため、DIYで施工するのはおすすめできません。
そこで、コンクリート外壁塗装を業者に依頼するときのポイントを3つ紹介します。
- 実績を確認する
- 見積書を精査する
- アフターフォローの充実度を確認する
上記のポイントを参考に、信頼できる業者を選んで、納得いく仕上がりを実現しましょう。
ポイント①実績を確認する
塗装業者を選ぶ際には、コンクリート外壁塗装の実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。実績が少ない業者だと、施工に時間がかかったり、仕上がりが悪かったりする可能性があります。
実績を確認する方法は、業者のホームページを確認したり、過去のお客様からの口コミを参考にしたりすると良いでしょう。口コミを調べる場合は、インターネット上の口コミサイトやSNSなどを参考にしましょう。良い口コミだけでなく、悪い口コミも参考にすることで、業者の実態をより詳しく知ることができます。
また、実際に施工された現場を見学させてもらうのも効果的です。仕上がり具合や施工中の様子を自分の目で確認することで、業者の技術力や信頼性を判断できるでしょう。
ポイント②見積書を精査する
複数の業者から見積もりを取ったら、内容を精査しましょう。見積書には、以下の項目が記載されているかを確認してください。
- 塗装面積
- 使用する塗料の種類
- 下地処理の内容
- 工期
- 費用
- 支払い方法
特に、費用は項目ごとに詳細に記載されているか確認しましょう。内容が曖昧な見積書は、後から追加料金が発生する可能性があるため注意が必要です。
また、見積金額が妥当かどうかもチェックしましょう。業者によっては、相場よりも明らかに高額な金額を提示してくる場合もあります。費用相場を把握し、複数の見積もりを比較しながら金額の妥当性を見極めましょう。
ポイント③アフターフォローの充実度を確認する
塗装工事完了後も、外壁は劣化していきます。アフターフォローが充実している業者を選ぶことで、万が一不具合が発生した場合でも安心です。
アフターフォローの内容を確認する際は、保証期間や定期点検の内容をチェックしましょう。保証期間が長い業者や、定期点検を実施している業者を選べば、長期的に安心して依頼できます。
また、修理対応が柔軟であることも大切です。保証期間内であっても、地震や台風などの自然災害による損傷は保証されない場合があります。そのような場合でも、修理対応を行ってくれる業者を選ぶと安心です。
まとめ
今回は、コンクリート外壁の塗装方法や費用相場について詳しく解説しました。コンクリート外壁は耐久性に優れているものの、時間の経過とともに劣化症状が現れます。劣化症状を放置すると、建物の構造にも悪影響を及ぼしかねません。
劣化症状が見られたら、できるかぎり早めに塗装によるメンテナンスを行いましょう。塗装方法は、弾性塗料や撥水剤、カラークリヤー工法などの複数の方法があるため、目的や用途に応じて適切な方法を選びましょう。
コンクリート外壁の塗装を検討する際は、依頼する業者も慎重に選ぶことが必要不可欠です。業者を選ぶときは、実績や見積書の内容、アフターフォローの充実度などを慎重に見極めなければなりません。
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