自社施工と下請け施工の違いとは?外壁塗装業者の選び方

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自社施工と下請け施工の違いとは?外壁塗装業者の選び方

この記事は約6分で読むことができます。

外壁塗装を検討していると、見積書や提案内容に「塗装一式」「自社施工」などの表記を見かけることがあると思います。

この「自社施工」という言葉、なんとなく安心できそうですが、実はとても重要な意味を持っています。

「どの業者に依頼しても、職人が塗ってくれるなら同じでしょ?」と思っていませんか?

しかし、自社施工か下請け施工かによって、仕上がりの品質やトラブルのリスク、さらには総費用にも大きな違いが生まれるのです。

この記事では、外壁塗装を検討している方に向けて、

・自社施工と下請け施工の具体的な違い
・それぞれのメリット・デメリット
・業者を見極めるチェックポイント

をわかりやすく解説していきます。

初めての塗装工事で後悔しないために、ぜひ参考にしてください。

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自社施工とは?まずは基本を理解しよう

(画像引用:千葉県の塗装業者『クリーンペイント』様

「自社施工」とは?

自社施工とは、塗装の打ち合わせから実際の作業までを、すべてその会社の社員(職人)が行う形態のことを指します。

つまり、営業担当者も職人も、その会社に所属しているという状態です。

現場に来る職人の顔が見える、会社の看板を背負って責任をもって工事にあたる、という安心感があるのが自社施工の特徴です。

よくある誤解:「元請け」と「自社施工」は違う?

業者によっては「当社が責任を持って管理しています」と言いつつ、実際には下請けの職人に作業を丸投げしているケースもあります。

このような場合、「元請け施工」ではありますが、自社施工とは呼べません。

つまり、「施工管理」だけを自社で行っていても、実際に塗る人(職人)が自社社員でなければ、自社施工ではないというわけです。

下請け施工とは?知られざる現場の実態

「下請け施工」とは?

下請け施工とは、元請け業者が仕事を受け、実際の作業を別の塗装会社や職人に依頼する形態です。

とくに大手リフォーム会社やハウスメーカーは、ほぼすべてこの形を取っています。

窓口となる営業会社があり、そこが契約を取りまとめ、工事は別会社が担当するという仕組みです。

下請け施工の何が問題なのか?

必ずしも「悪い」とは言えませんが、以下のようなリスクがあることを知っておく必要があります。

  • 中間マージンが発生するため、費用が割高になりやすい
  • 下請けの質にバラつきがあり、当たり外れが大きい
  • 現場でのトラブル時に責任の所在があいまいになる

元請けと下請けの連携がうまくいかないと、「話が伝わっていない」「工事内容が違う」などのトラブルに発展することも珍しくありません。

自社施工のメリット・デメリット

メリット① コストパフォーマンスに優れる

中間マージンが発生しないため、同じ工事内容でも総額が抑えられやすいのが自社施工の強みなのです。

予算には限りがあるけれど、できるだけ品質の良い塗装をしたいという方にとって、非常に相性の良い選択と言えるでしょう。

ただし、異常に低価格を提示する自社施工店には注意が必要です。

材料費を抑えすぎたり、工程を省略したりするケースもあるため、金額だけで判断するのは避けた方が安全です。

メリット②現場対応がスムーズで誠実

営業担当と職人との距離が近いため、要望が伝わりやすく、判断も早いのが自社施工の良さです。

「ここをもう少し丁寧に仕上げてほしい」などの細かなリクエストにも柔軟に応じてもらえる傾向があります。

ただし、小規模な自社施工店では、繁忙期に日程が埋まりやすいという弱点もあります。

施工を急ぎたい方は、早めの相談が必要でしょう。

メリット③責任の所在が明確で安心

施工からアフターケアまで一社完結のため、問題が起きた時の対応が非常に早いというメリットがあります。

元請け業者や下請け業者の“たらい回し”のようなトラブルも起きにくいのです。

ただし、個人店の場合は保証書の内容が曖昧だったり、保証制度が整備されていないケースもあります。

契約前に「保証年数」「保証範囲」「無償対応の条件」を必ず確認しておきましょう。

デメリット①業者によって品質の差が大きい

自社施工と言っても、技術力は業者ごとに大きく異なるのです。

口コミや施工実績の確認を怠ると、「安いけれど雑な施工だった」という事態になりかねません。

外壁塗装は10年単位で残る工事なので、価格よりも実績・技術を重視すべきでしょう。

デメリット②人員の少なさがスケジュールに影響することも

小規模運営の自社施工店では、担当職人が限られているため、繁忙期や天候不良が続く時期には施工が後ろ倒しになる場合があります。

「決まった日に確実に終わらせてほしい」という店舗系や引っ越し前の工事には、日程調整の余裕が必要です。

デメリット③特殊工事に対応できないケースもある

防水工事、サイディング補修、板金処理などの専門性が高い工事は、自社施工であっても対応が難しい場合があります。

外壁塗装だけでなく総合的なメンテナンスをしたいなら、塗装+防水+補修にも対応できる複合スキルのある業者かを確認する必要があります。

デメリット④会社規模が小さい場合のアフターリスク

数年後に連絡したら会社がなくなっていたというケースもゼロではありません。

特に個人店や若い会社の場合、アフターケアの継続性を保証する体制があるかどうかは必ず確認しましょう。

下請け施工のメリット・デメリット

メリット①施工体制に余裕があり工期が早い

大手の元請け会社が複数の協力業者(下請け)を抱えている場合、職人の手配がスムーズで、工期も短縮されやすいのが特徴です。

繁忙期であっても他の施工班を手配するなどの柔軟な対応ができるため、「なるべく早く工事を終わらせたい」方にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。

ただし、スケジュール重視で現場を詰め込みすぎると、仕上がりが雑になるリスクもあるため、工事の質には注意が必要です。

メリット②営業対応が丁寧で相談しやすい

下請け施工の場合、窓口対応は営業専門のスタッフが行うことが一般的です。

説明がわかりやすく、マナーやコミュニケーションが丁寧な営業担当が多いため、

「いきなり職人さんに相談するのは気が引ける」という方には安心できる環境かもしれません。

ただし、施工するのは営業ではなく下請け業者であるため、伝達ミスや認識のズレが起こるリスクも同時に孕んでいます。

メリット③大手会社の看板による安心感がある

ハウスメーカーや大手リフォーム会社など、知名度の高い会社が元請けとなるケースが多いため、信頼感を得やすいのが下請け施工のメリットのひとつです。

「会社が大きい=安心感」という心理的なメリットは、実際の契約時に大きく働くこともあるでしょう。

ただし、実際の施工品質は“会社の名前”ではなく、現場の職人次第で決まります。ブランド名だけで判断しないことが大切です。

デメリット①中間マージンが発生し費用が割高に

下請け施工では、元請け会社が利益を確保したうえで施工を依頼するため、

どうしても中間コストが上乗せされてしまいます。

つまり、実際に手を動かす職人に支払われる金額よりも、施主が支払う金額の方がはるかに高くなる構造なのです。

その結果、「見積もりは高いのに、職人の対応が不親切」「仕上がりが雑」といったケースも少なくありません。

デメリット②現場対応力が乏しく柔軟性に欠ける

営業と職人が分業されている体制では、現場での判断・対応が遅れる傾向があります。

たとえば、現場で発見された問題に対して、「一度営業に確認してからでないと対応できません」といった場面が発生しやすく、施主側のストレス要因になりかねません。

また、現場に来る職人が「一度も下見をしていない初対面の人」だったというケースもあり、信頼関係の構築が難しくなる一因にもなります。

デメリット③責任の所在があいまいになりやすい

元請けと下請けが別会社である以上、トラブル発生時に“責任の押し付け合い”になるリスクがあります。

たとえば、施工後に不具合が起きたとしても「下請け業者の責任です」と元請けが対応を渋るケースや、

「営業担当が退職して話が通じない」など、一貫したアフターフォローが期待できないこともあるのです。

契約時に保証の範囲や責任分担をしっかり明文化していないと、対応のたらい回しに遭う可能性もあります。

デメリット④職人の技術レベルに差が出やすい

下請け職人の技術や意識は、元請けがコントロールしきれない部分も多く、ばらつきがあるのが現実です。

「当たりの職人」が来れば問題ないかもしれませんが、逆に技術やマナーが不十分な職人が担当になるリスクも否めません。

職人の選定基準や研修制度などが整備されていない会社の場合、「誰が来るかわからない」という不安定さがどうしてもつきまといます。

デメリット⑤保証やアフター対応が複雑化しやすい

自社施工とは異なり、下請け施工ではアフターケアが分断されていることがよくあります。

たとえば、保証書は元請け名義でも、実際の補修工事を依頼するには下請けの都合を待たなければならない…

こうした“連携の遅さ”や“責任の所在の分散”が、施主にとって大きな負担になりかねません。

特にトラブルが起きた際に、一貫した対応が望めないのは下請け施工の大きなデメリットといえるでしょう。

「うちは自社施工です」と言う業者を見分けるには?

言葉だけに惑わされないで。確認すべき具体的なポイントとは?

「うちは自社施工です」と宣伝する業者は多いですが、実際に職人が自社に在籍しているとは限らない場合があります。

名ばかりの「自社施工」か、本当に一貫して責任を持って施工しているのかを見極めるには、以下の点を確認するとよいでしょう。

1つ目は、施工実績の紹介に職人の顔や名前が出ているかどうかです。

社員職人が在籍している会社では、「〇〇が担当しました」といった情報が記載されていることが多く、責任感をもって施工している姿勢がうかがえます。

2つ目は、契約時の説明で施工スタッフの所属を明言しているかどうか

「実際に塗るのはどんな人ですか?」と聞いたときに、「うちの職人が伺います」と明確に答えられる業者は信頼できます。

3つ目は、アフター対応まで一貫して自社で行うかどうかです。

保証対応や定期点検などを「下請けではなく当社が行います」と言い切れる業者は、本物の自社施工と考えてよいでしょう。

見積書で判断できる!業者の透明性チェックポイント

見積書は業者の“誠実さ”を映す鏡です

外壁塗装や屋根工事の見積書は、単なる金額の一覧ではありません。

その業者がどのような姿勢で施工に向き合っているのか――その本質が垣間見える「鏡」のような存在です。

特に「自社施工なのか、下請け依頼なのか」の判断にもつながるため、項目ごとに丁寧にチェックすることがとても重要になります。

「一式」表記ばかりでは、詳細が見えない

まず、見積書を開いて最初に確認してほしいのが、「一式」と記載されている項目の数です。

たとえば、「外壁塗装一式」「高圧洗浄一式」「足場仮設工事一式」など、“一式”でまとめられている項目が多い見積書は、注意が必要です。

なぜなら、その中にどんな作業が含まれているのか、どこまでが金額に含まれるのかが不明瞭だからです。

  • 高圧洗浄は壁だけか?屋根や玄関アプローチも含むのか?
  • 足場は何日分の設置想定か?解体費用は?
  • 養生や清掃、コーキングなどの細かい作業は別途?

こうした詳細が書かれていないと、追加請求や「言った・言わない」のトラブルにつながる可能性があります。

信頼できる業者であれば、「どんな作業にどれだけの費用がかかるのか」を丁寧に明記してくれます。

塗料の「メーカー・製品名・グレード」が明記されているか?

塗料についても、見積書の中でしっかり確認すべきポイントです。

よくあるのが、「シリコン塗料一式」や「高耐久塗料」といった、あいまいな表記だけの見積書です。

しかし、実際にはシリコン塗料にも無数の製品があり、

同じ“シリコン”でも、耐久年数・価格・メーカー品質に大きな差があります。

たとえば…

  • 「日本ペイント/パーフェクトトップ(ラジカル制御型シリコン)」
  • 「エスケー化研/プレミアムシリコン(高耐候型)」

このように、具体的なメーカー名+製品名+グレード(種類)まで記載されているかどうかで、

「本当にその塗料を使うつもりがあるのか」「施主にも情報開示をしてくれる誠実な業者か」が判断できます。

特に自社施工の業者であれば、取り扱い塗料の特徴や施工実績に基づいた提案が可能なため、塗料の記載が詳しいことが多いです。

「職人手配料」「現場管理費」などの中間費用に注目

見積書の中には、「現場管理費」や「職人手配料」「施工監督費」といった名目が記載されている場合があります。

これらは一見、現場を適切に回すためのコストのように見えますが、施工を下請け業者に委託している証拠である可能性が高い項目です。

つまり、次のような構図が浮かび上がります。

  • 元請け会社(営業窓口)が受注
  • 下請け職人へ施工を依頼(手配料が発生)
  • 元請け社員が現場管理だけを行う(管理費が発生)

自社の職人が直接対応する自社施工店であれば、こうした中間項目は本来発生しないケースがほとんどです。

もちろん、一部の大規模現場では現場管理費が正当なコストとなることもありますが、

戸建て住宅の外壁塗装においては、“必要以上に管理項目が多い=分業体制で中間マージンが多い”という傾向があるのです。

項目の「単価」と「数量」にも注目を

もう一つ見逃せないのが、各作業の「単価 × 数量」がきちんと記載されているかどうかです。

たとえば、「外壁塗装 200㎡ × ○○円/㎡」のように記載されていれば、

塗装面積の計算根拠が明示されており、金額の妥当性がある程度判断できます。

しかし、「外壁塗装一式 ○○万円」と書かれているだけでは、

実際に何㎡を塗る想定なのか、何日かけるのか、まったく内訳が分かりません。

これは、将来的に塗り残しがあった場合や、想定より少ない面積しか施工されていなかった場合に、苦情を申し立てる根拠が薄くなるというリスクもあります。

見積書は「価格交渉」ではなく「信頼の判断材料」

見積書を見るとき、多くの方が「もっと安くできないか?」という視点を持ってしまいがちですが、

本当に大切なのは、“この業者に工事を任せて大丈夫かどうか”を判断する材料として使うことです。

誠実な業者は、たとえ金額が多少高くても、内訳を明確にし、選定理由まで丁寧に説明してくれるはずです。

逆に、金額が安くても詳細が不明瞭であれば、あとから追加請求や施工トラブルに悩まされるリスクが高まります。

実際どう選べばいい?優良業者を見極める5つの質問

面談や現地調査のときに確認したい“本音を引き出す質問”

外壁塗装は、人生に何度もない高額な工事。

「どこに頼んでも同じ」ではありません。信頼できる業者を見極めるために、以下のような質問を投げかけてみてください。

① 実際に施工を行うのは、御社の社員職人ですか?

→「はい、全員自社職人です」と即答できる業者は信頼できます。

曖昧な返答や「提携の職人が…」といった表現が多い場合は、下請け依存の可能性があるでしょう。

② これまでにどのくらいの件数を自社施工で行っていますか?

→施工実績を具体的な数字で説明できるかどうかも、経験値の指標になります。

とくに地域密着型の業者なら、「地元で〇〇件以上の実績があります」といった具体性があると安心です。

③ 自社で行っていない作業はありますか?

→塗装工事以外(足場・防水・シーリングなど)をどの範囲まで自社対応しているのか確認できます。

全部が自社でなくとも、どこまで責任を持って管理しているかが大事なのです。

④ 保証書はどのように発行されていますか?

→施工後の保証について明確に説明があり、自社名義での保証書を発行してくれるか確認しましょう。

これは責任施工の裏付けにもなります。

⑤ 見積書はどこまで詳細に出してもらえますか?

→「一式ではなく、工程ごと・材料ごとに細かく出せます」と答えてくれる業者は誠実です。

逆に、「だいたいこのくらいです」と曖昧な説明しかしない業者は注意しましょう。

まとめ

外壁塗装を検討する際、多くの方が「価格」や「塗料の種類」に目を向けがちです。

しかし実際には、どの業者に施工を任せるかが、仕上がりや満足度を大きく左右します。

とくに注目したいのが、“自社施工”であるかどうかという点です。

自社施工の業者は、責任感を持って丁寧な仕事を行い、アフター対応も一貫して任せることができます。

反対に、下請け任せの業者は施工の質や対応力にばらつきが生じやすく、トラブルに発展するケースもあるのです。

「うちは自社施工です」という言葉をうのみにせず、施工体制や実績、保証内容、見積書の透明性などを確認することが、失敗しない塗装業者選びのコツです。

業者の誠実さは、契約前のやり取りや現地調査の姿勢にもあらわれます。

不安や疑問をそのままにせず、しっかり質問し、納得できる説明をしてくれる業者を選びましょう。

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よくある質問(Q&A)

Q1:自社施工と下請け施工では、費用に違いがありますか?

A:一般的に、自社施工のほうが中間マージンがない分、費用は抑えられる傾向があります。

ただし、安ければ良いというわけではなく、施工内容や保証の質も含めて総合的に判断することが大切です。

Q2:自社施工かどうかは、どうやって確認すればいいですか?

A:契約前の説明や見積書、ホームページの施工事例などを確認しましょう。

また、実際に施工する職人が自社スタッフかどうかを、直接質問してみるのも効果的です。

Q3:すでに契約した業者が下請けだった場合、キャンセルできますか?

A:クーリングオフの対象期間であればキャンセルは可能です。

期間を過ぎている場合でも、重要な説明がなかったことが確認できれば交渉の余地があります。

まずは契約書の内容を確認し、不安があれば消費生活センターなどに相談することをおすすめします。

Q4:下請けの施工でも、きちんと工事してくれるなら問題ないのでは?

A:もちろん、すべての下請け施工が悪いわけではありません。

ただし、責任の所在が不明確になりやすく、万一のトラブル時に対応が遅れたり、連絡が行き届かなかったりする可能性があるのです。

安心感を求めるなら、自社施工の業者のほうが確実でしょう。

Q5:「自社施工・下請けなし」と書かれていても、実際には違う場合はありますか?

A:残念ながらあります。

広告上では自社施工を謳っていても、実態は提携業者に任せているケースもあるのです。

だからこそ、契約前にしっかり確認することが重要です。

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